ブルーアーカイブRTA 称号「崇高」獲得まで   作:ノートン68

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お待たせいたしました。

前回のあらすじ

ケセド「新しい上司怖い〜、働きたくない〜、でも体が勝手に働いちゃう〜」
ホモ「おっ、大丈夫か大丈夫か?」
ケセド「ヒェッ!?(絶望)」
AL-1S「コレ(禍討ツ星)で半殺しにします」
ケセド「死んだ(^p^)」

大体こんな感じ。



戦略兵器と00

 

時刻は少し遡る。

 

AL-1S達がケセドと戦闘を開始する直前、ミレニアム近郊の建屋に2組の集団が居た。

片方は黒い制服の集団、トリニティの風紀委員とも言える正義実現委員会。

もう片方はメイド服に身を包む、裏の姿は凄腕のエージェント組織C&C。

 

学園でトップクラスの実力を持つ彼女達が派遣された理由は単純明快。

軍需工場に上空から侵入する部隊と、正面から敵兵を蹴散らす部隊の2編成。

その後に《虚妄のサンクトゥムタワー》を守るケセドを迅速に破壊する算段だったのだが……。

 

 

「あァ?テメェ話聞いてんのか?」

きひひ……きひひひ……

 

「ええと……」

「その、困ったっす……」

 

 

なぜか仲間内でバチバチしてた。

トリニティ最強格の戦略兵器と、ミレニアム最強のエージェントが互いにガンを飛ばし合っている。

 

その圧は、普段一緒に行動している仲間内でも間に割って入れない程。

もし一般生徒がこの場に居れば、そそくさと蜘蛛の子を散らすように退散するだろう。

 

そんな2人はお互いに強者だからこそ、譲れないものがあった。

それは──正面突破を誰が担当するか。

 

 

「だァ〜からよ、正面からはアタシが行くって言ってんだろうが?」

「キヒヒ……」

 

 

ずっとこの調子である。

ネルは薄ら笑いを浮かべる(本人視点)ツルギに苛立ち、元々人と接するのが余り得意ではないツルギは無自覚に彼女を煽っている構図。

そんな不発弾が燻っている中、幸運の女神のイタズラが介入した。

 

 

「なんで喧嘩してるの〜?強い方が正面を担当すればいいんじゃない?

「あ、アスナ先輩それは……!!」

「あ……終わった」

 

 

純粋故にタチが悪い。

確かにとても合理的な決め方かもしれないが、それは誰もが頭に浮かんだが敢えて口に出さなかった言葉。

好戦的な性格の2人にそんな言葉を掛けたらどうなるか。

 

 

「……おい、表出ろ。白黒つけようじゃねぇか?」

「……けけ、きひゃひゃひゃひゃ!!」

 

 

当然こうなる。

戦闘狂の2人はそそくさと開けた場所に行ってしまった。

 

 

「わぁ、喧嘩だ〜!!面白そう!!」

「はぁ、結局こうなるのか……」

「私達もついて行きましょうか」

 

「あぁもう、待ちなさいツルギ!!」

「ハスミ先輩も行っちゃった……」

「いやぁ、ツルギ先輩1人だけなら抑えれたんですけど……仕方ないっすね」

 

 

一応、キヴォトス崩壊の危機なのだが。

分かっているのか、互いにいつもと変わらない様子で外に出て行った。

 

1人だけ、連絡係として付き添っていたエイミは短くため息を着く。

そしてどこか遠い目をしながら作戦室本部へと連絡をかけた。

 

 


 

 

「じゃあ、始めるぞ」

 

 

互いに向き合った状態、ネルが1つの薬莢を取り出し空へと放る。

それが地に着いた時が開始の合図だ。

 

 

「けひひっ……」

 

 

ショットガンを握る両手に力が籠る。

ツルギは歓喜していた、目の前の幼女*1が自分と同じ……もしくは()()()()の力を持っていると確信したからだ。

慢心は無い、何時でも引き撃ちできる準備は万全だ。

 

 

薬莢が地に触れた。

──次の瞬間、ツルギの体を多数の衝撃が襲う。

攻撃されたと気づいたのはそのすぐ後であった。

 

無限に思える攻撃時間に目が開けられない。

しかし集中砲火をくらいながらも、ツルギは正面に構え引き金に置いた指を引いた。

うっすら目を開くと視界の端に一瞬だけネルの姿を確認する。

避けられたのだ。

 

 

「(速い……トリニティの誰よりも!!)」

 

 

ツルギがネルに抱いた第一印象がそれである。

恐ろしく速い、自分もそこそこ速い自負があったが比べ物にならないレベル。

言葉とは裏腹に思考しながら、用意していたもう一丁を撃ち込む。

それもまた避けられた、カウンターを合わせるのも一苦労だ。

ツルギは久々の歯ごたえのある敵に増々顔を歪ませた。

 

 

「……けひゃひゃひゃッ!!」

「(硬ぇなコイツ)」

 

 

対してネルがツルギに抱いた印象がソレだ。

自分の集中砲火をモロに受けて、気絶しないどころかすぐに反撃。

その後の動きに支障がないのを見る限り、打たれ強さはAL-1Sと同じかそれ以上。

観察するとかすり傷がすぐに回復しているのが分かる。

 

短期決戦で行くならインファイトしかないが、ショットガンの範囲攻撃も怖い。

かと言って遠くからチクチクとするだけでは千日手だろう。

互いに近距離戦のエキスパート同士、下手に動けばやられる。

 

 

「いいぜお前、次はこれだ!!」

「……けひっ、クヒャヒャヒャ!!」

 

「正義実現委員会の委員長さん、凄いね〜!」

「うん。近接戦でリーダーと互角の人、久しぶりに見たかも」

「いやいや、C&Cの部長さんも凄いっすよ。ツルギ先輩に怯まない人、久しぶりに見たっす」

 

 

噂に聞き及んでいた2人の実力は、それ以上のものだった。

互い譲らない一進一退の攻防に、観戦者の脳裏に超高速機動幼女や、救護バーサーカーの姿が過ぎる。

これは少し時間が掛かりそうか?と考えていると、ハスミがポロリと口から零した。

 

 

「……いいえ、互角どころか少々押されてるように見えますね」

「そんなッ!?」

 

 

AL-1Sの存在が、原作との差を生み出していた。

現在は速さ、射程ともに勝っているネルが押している状態。

持ち前の打たれ強さと再生力で粘っているとは言え、ジリ貧なのはツルギの方である。

心のどこかで、ツルギこそ最強だと思っていたマシロは驚きの声を上げた。

 

 

「オラオラオラオラァ!!」

「グッ、ゲ……ッ!!」

「───っと、危ねぇ!?」

 

 

だがツルギも負けてはいない、カウンターの精度が上がっている。

問題はいつまでその耐久力が保つか。

気絶する前に一発でも直撃すれば一気にツルギの方へ軍配が上がるだろう。

 

 

「ははっ、イイぜお前!でもこんなもんじゃねぇよな?それとも傷が痛むか?」

「きひひ、傷なんて……()()()()()()()()

「流っ石、今までの中で1番タフだぜお前。だったら《とっておき》を──」

 

 

()()()()()

ネルがそう発言した直後、軍需工場の奥から爆音が聞こえた。

とてつもない速さで物体が衝突したかのような、自動車事故を何倍も凄惨にしたような音が。

ネルは聞き覚えがある、以前GL-00の騒動で似たような音を。

 

 

「(こりゃ確か……アイツも来てんのかぁ?)」

「?」

「おい血濡れ女、勝負は一旦お預けだ」

「……あぁ」

 

 

状況が変わっても悦楽を優先するほど、2人とも子供ではなかった。

互いに銃を下ろす。

ツルギに至っては無表情に戻っていた。

 

 

「正面は、任せる。……私達は、上からだ」

「あん?良いのか?」

「別に、良い……()()()()()。あのまま続けても、勝てなかった。」

「へっ、よく言うぜ。テメェだって何か企んでたんだろ?」

「キヒヒッ……」

 

「何とか場は収まった、のか?」

「いやー、ヒヤヒヤしたっす。下手したらどっちかが重症になるまで止まらなかったっすよアレ」

 

 

喧嘩は丸く(?)収まったようで、ストッパー役の2人は胸を撫で下ろす。

……何やら2人の友好度も上がっている気がする。

河原で殴りあった不良の友情みたいなものなのだろうか?

そんな空気に水を刺す音声が入った。

 

 

『ちょっと2人とも!暴れてるって聞いたんだけど!!』

 

「あ?なんだユウカかよ。」

『なんだじゃないわよ!チーム分けで喧嘩なんて、貴方達何年生のつもり!?』

「良いじゃねぇか、もうチーム分けは決まったんだからよ」

『えっ、怪我させてないでしょうね!?』

「キヒヒッ、もう完治した♪」

『そ、そう……?』

 

 

トリニティの正義実現委員会に重症を負わせたら大事だ。

最悪戦争沙汰でも起きてしまう、それが一組織の長なら尚更。

ツルギの完治したという言葉が少し気になるが……普通に動いてるし問題は無いだろう。

 

 

『本当にしっかりしてよね。……私は他の持ち場に着くから、シャーレから預かってる伝言を頼まれてくれる?』

「伝言?こんな僻地に誰か住んでるのですか?」

『住んでるって言えるのかしら……?』

 

 

不法滞在を住んでいると言って良いのだろうか?

そんなどうでもいい事が頭を過ぎる。

因みにソイツ、他校でも同じ事してますよ。

 

伝言の内容が内容なだけに、この場の生徒以外にはバラさないように釘を刺す。

本人(先生)から聞いた自分ですら耳を疑う内容だ。

何故先生は彼に──そう疑問に思いながらも内容を話した。

 

 

『今画面に写ってる人……人?に伝言をお願いするわ。内容は──』

 

 


 

 

そこから現在、ヘリからツルギが落下した場面に繋がる。

上空を見れば他の正義実現委員会だろう、パラシュートでゆっくりと下降してくる。

遅れてC&Cのものであろう戦闘音も聞こえてきた。

集まってきている。

事情を知らないホモ達は包囲されていると勘違いした。

 

 

「ケヒッ……」

「警告、それ以上近づかないで下さい、撃ちますよ。」

 

 

拳銃を両手に牽制されるツルギ。

成程、世界は広いと彼女は思った。

この少女も恐らく自分と同等以上の強さを持っている。

そう思うと思わず引き金へと手が滑るというもの。

 

 

「待てやぁッ!!」

「うげっ、チビメイドです!?」

 

 

思わずゲンナリとした声が漏れ出るAL-1S。

許して欲しい、もう飽きるほど彼女とは戦ったのだ。

思えば彼女が現れる度に戦わされた。

……思い出すと怒りが湧いてきたAL-1Sは、両者に標準を合わせる。

 

 

「ソイツとはアタシが先約を取ってんだ!割り込むんじゃねぇ!!」

「否定、そんな予定はありません」

「そこの骨が約束するって言ってたぞ!*2

オーナー?

 

 

真正面から謂れ無い飛び蹴りを食らわせる形で、美甘ネルが合流した。

蹴り飛ばされたツルギは既に起き上がっている。

一般生徒なら気絶すること間違いなしだが……。

彼女達にとってこれは軽いスキンシップでしかないのかもしれない。

 

 

「も〜、リーダー先に行き過ぎ〜!!」

「あら、彼女達は……本当に来ていたのですね」

「うぉっ、本当に骨っす!どうなってるんすかそれ?」

「失礼ですよ……」

 

 

遅れて後ろから、空から沢山集まってくる。

連中はC&Cと正義実現委員会、実力派エリート集団だ。

彼女達の目的を知らないホモ達は警戒を強めるばかり。

 

ゲマトリア無き今、先生が襲う指示をするとは思えないが、いつでも逃げれるようにAL-1Sに近づく。

その上で彼女たちに質問した。

 

 

「何の用だ、もう《ケセド》は破壊したぞ?」

「コホン……初めまして、正義実現委員会のハスミです。シャーレの先生から言伝を預かっています」

 

 

今更何かやり取りするような事があっただろうか。

そんな事を思いながら聞いたハスミからの伝言は、衝撃の一言としか言えない内容であった。

思わず無い目が飛び出しそうになるほどだ。

 

その内容とは──

 

 

 

『喰代ミケを連邦捜査部S.C.H.A.L.Eに任命します』

 

 

*1
同い年

*2
109話参照





次回も小説パート。

多分、全部の虚妄のサンクトゥムタワーを攻略するまではこんな感じです。
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