ブルーアーカイブRTA 称号「崇高」獲得まで   作:ノートン68

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お待たせいたしました。
大分巻いたのでちょっと違和感があるかも。
小説パートでお送りします。

前回のあらすじ

虚妄ST「自分を相手のゴールにシューwww」
ホモ「ゴールずらし」
ホシノテラー「どこ行くねーん!」

フランシス「私の出番これで終わりってマジですか?」

ホモ「死ぬようなリスクを背負うな!逃げろ!!」
リーダー「お前が言うな!!」
ホモ「すみませんでした」

大体こんな感じ。



vsホシノ(テラー)

 

ミレニアム郊外に位置する《廃墟》その最奥の地にて。

重厚な発砲音と共に、子供一人が入れそうなサイズの壁板が蹴破られた。

 

簡単なことでは無い、何処かの骨が高い素材をふんだんに使った特殊合金の装甲だったのだが……。

彼女の権能の前ではどんな障壁も等しく無力であった。

 

別世界からの復讐者、ホシノテラーはショットガンを携えて更に奥へと進む。

昔の面影が残るショートヘア。

だが服装はアビドスの制服ではなく、赤い影のようなコートであった。

 

そこに、かつて宿敵を目の当たりにして冷静さを失っていた彼女の面影は無い。

あるのは色彩と交わした契約を達成する為の義務感のみ。

 

 

「(今のところ罠らしき罠はなし。けど、一切油断できない……)」

 

 

ホモを自分の世界に居た()()とは別存在だと区切りをつけていた。

決して侮っている訳では無い。

寧ろ1人じゃない分、コッチの方が厄介極まりないと判断している。

 

 

()()()()()()()()()()、冷静に対処すれば敵わない相手じゃない」

 

 

常人であれば生き埋めだった状況でさえ、奴なら生きていると初めから確信していたホシノテラー。

実際、その勘は正しかった。

 

キヴォトスの六箇所に撃ち込んだ筈の虚妄のサンクトゥムタワーを、何者かの《ワープ》によって転送位置がズラされたのが何よりの証拠。

あんな芸当ができるのは奴以外に居ないと断言出来る。

 

 

「(地力じゃ完全に私が勝っているけど、アイツには仲間がいる。だったらそこから崩せば良い)」

 

 

ゲマトリアのアジトを襲撃した際、《神名のカケラ》は見つからなかった。

恐らくホモ個人で完全に管理しているのだろう。

だからこそ、こうしてラボを潰してまわっているのだが。

運が良ければラボを守るホモの仲間を倒し、戦力を削る事が出来る。

 

 

「……この壁、向こう側に広い空間がある」

 

 

言うが早いか散弾銃を撃つホシノテラー。

少々派手だがこっちの方が早いし、どうせ侵入した事はバレているのだ。

最低限の警戒心を持ち、脆くなった壁を蹴り飛ばして中へ足を踏み入れた。

 

 

「これは……」

 

 

今までと違う、明らかに人が生活する事を前提とした開けた場所。

そして──待ち構えるガスマスクの集団が、自分に目掛けて照準を合わせていた。

 

 

「撃て!!」

 

 

ホシノテラーが反応するより先に、誰かの号令で一斉掃射が行われる。

静寂だった空間が一転、銃声の嵐が場を包んだ。

吐き出される薬莢の山、硝煙が漂う。

だが、集中砲火を受けているホシノテラーは何の傷も負っていない。

 

 

「私相手に単純な火力のゴリ押しなんて、舐めてるんじゃない?」

 

 

《暁のホルス》としての権能、それは《消滅》の力。

敵の放った弾丸は、彼女の体に到達する前に塵と化し、逆に彼女の放つ弾丸はどんな装甲も貫く消滅の魔弾となる。

流石に生徒の体を貫く力は無いが、当たればタダでは済まない。

 

 

「ゴリ押しって言うのは、こうするんだ」

 

 

《Eye of Horus》を眼前のガスマスク部隊に向け、発砲した。

片手で軽々しく放った散弾は、向かってくる弾丸を貫き抵抗なく進む。

するとどうなるか、答えは言うまでもない。

 

 

「グァッ!?」

「くそっ、銃が壊れた!」

「5人ダウンしました!!」

「構うな!そのまま突っ込めぇ!!」

 

「何?」

 

 

当然、最前列に居た数名がモロに攻撃を浴びて気絶する。

ホシノテラーが驚いたのは、()()()()()()()()()()()()突っ込んできたからである。

所謂、特攻と言うやつだ。

 

構わず散弾を撃ち込むが、生徒相手では()()()()()()()()

ある程度近づいた彼女達は、盾にしていた仲間を担ぎ上げ──

 

 

「そらよ!!」

「ちょッ……」

 

 

そのままホシノテラーへと投げつけた。

あまりにもぞんざいな扱いに絶句するが、これが効果的なのは疑う余地もない。

ホシノテラーは投げつけられた数名の生徒を押しのけるが、体勢を崩された。

 

 

「し、失礼します〜!!」

 

 

その隙を逃さずダブルショットガンの少女、メンバー2が懐へと潜り込んだ。

何名かの尊い犠牲を払いチャンスを掴んだ彼女は、勢いのままホシノテラーの顔面へお返しの散弾を見舞った。

 

 

「……ちょっと痛い」

「あ、あれぇ!?」

 

 

あまり効いていなかった。

所詮は唯の鉛玉、ホシノの消滅バリアを突破するに値しない。

渾身の当たりもちょっと痛い程度の威力に抑えられる。

狼狽えた様子のメンバー2へ、ホシノテラーのカウンターが迫る。

 

 

「ひィッ、許してください〜!!」

「(コイツ!?)」

 

 

メンバー2は倒れなかった。

彼女は自身の手の甲で銃口を逸らし、散弾の直撃を免れたのだ。

どんな火力の高い攻撃も当たらなければ意味が無い。

 

「フロントアタッカーなのだから、これ位は覚えてても良いだろう」

 

そんな安易な考えでCQCメインで強化されたメンバー2は、謝りながら的確に急所を狙い殴り掛かる化け物へと変貌していた。

だが敵もさる者で、彼女の猛攻は正確に捌かれていた。

 

 

「(巫山戯てるようでコイツ、動きに無駄がない)」

「うわぁぁあんッ!!」

()()()()()()使いたくなかったけど……仕方ないか」

 

 

突如として、メンバー2の視界からホシノテラーの姿が消える。

彼女はこの現象について心当たりがある、確かオーナーやカイがよく使う歩法。

気づいた時には遅かった。

 

 

「《瞬》からの……」

「(あっ、これダメなやつです)」

「フンッ!!」

「グェッ!!?」

 

 

背後に回り、腰をクラッチしてから床へと叩きつけるジャーマンスープレックス。

一応受身は取っていたようだが、亀裂の入った床に倒れピクリとも動かない。

皮肉にも散弾ではなく、肉弾戦で勝敗は決した。

 

 

「アレは痛いっすよー!」

「死んでないですよね?」

 

 

同僚達の心配はメンバー2に届かない。

軽く脳震盪を起こした彼女の意識は、既にブラックアウトしていた。

それでも戦闘は終わらない。

 

 

「再度、撃て!!」

「チッ……」

 

 

メンバー2がやられた事にも怖気付かずに、周りのガスマスク達がホシノテラーに向けて発砲する。

一瞬だけ仲間を盾にする事も考えたが、意味が無いと切り捨てた。

そうして応戦するホシノテラーの脳裏に一つの仮説が浮かぶ。

 

 

「(コイツら、もしかして私への有効打を持っていない?)」

 

 

ホシノテラーへの対抗策として考えられるのは2つ。

 

1つ目は毒ガス作戦。

消滅と言っても完全に消えて無くなる訳ではなく、原理としては分子の乖離現象に近い。

そして空気まで消滅させてしまっては呼吸ができない。

彼女たちがガスマスクを付けている事も相まって、この作戦を取っている可能性は高い。

 

2つ目は消滅が間に合わない程の高火力攻撃

例として挙げられるのは《禍討ツ星》。

実際にホシノテラーを吹き飛ばした実績がある。

あれ程の武器を湯水の如く作り出せるとは到底思えない。

可能性があるとすれば、何処かから狙いすましての不意打ち以外に有り得ない。

 

ホモが行った様な生き埋め作戦は除外する。

今回は《ワープ》が使えるからだ。

あの時はホモを逃がせない条件下だった為、使う事は出来なかった。

 

 

「(それに毒ガスが私に効くとは思えない)」

 

 

彼女はキヴォトスで最も強い神秘を宿している。

並大抵の毒では彼女を侵す事は出来ない。

効き目のある薬もあるが、どれもホシノテラーを倒すには至らない物ばかり。

 

そしてホシノテラーの勘は当たっている。

果たして毒ガスと言って良いのかは疑問だが、彼女達は確かに毒ガス作戦を使っていた。

時間稼ぎのような攻防もそれが本命だからだ。

しかし、一向に毒ガスが効く様子がないホシノテラー。

彼女達は今どのような気持ちなのだろうか。

 

 

「(()()()()()()()()()()()。彼女達はアイツの仲間だ、油断なんか出来ない)」

 

 

必ず本命の奥の手がある筈。

警戒を最大限に、迫り来るガスマスク達をなぎ倒していくホシノテラー。

今の彼女に慢心は無い。

そんな状況に歯噛みする少女が1人居た、チームⅤのリーダーだ。

 

 

「(あの女、絶対効き目があるなんて言っておきながら全然効果ないじゃないか!!)」

 

 

当てにしていた、いけ好かない女の秘策は効果を得られずにいた。

万が一の為に用意した()()()を忍ばせて悪態をつく。

隠し球はその手に握られた小銃に似た銃火器。

何分使い慣れていない装備なだけあって、機敏に動くホシノテラーに当てる自信が無い。

 

 

「(せめて一瞬、奴の動きが止まれば……)」

 

 

メンバー2が張り付いていた時には、誤射の可能性があり撃てなかった。

羽交い締めしようにもホシノテラー自身が力強く、消滅の力で上手く拘束できない。

前衛メンバーも大分減ってきた、このままでは消耗し続けて全滅してしまう。

 

 

「私のメイン武器は迫撃砲なんですけどね」

「前衛張れる人員が不足してるから文句言わないでくださいっす」

 

 

突撃銃で前線に立つ2人を見る。

自分の一手で全員の努力が無駄になると思うと手が震えた。

 

 

「(焦るな、確実に当てなければ私達は負ける……いや、殺される!!)」

 

 

精神性の疲労から冷や汗が滝のように吹き出る。

オーナーに啖呵を切ろうとも、その実力差が埋まる訳では無い。

覚悟はしていたが、ここまでの力の差があるとは思っていなかった。

前衛役の仲間達も限界だ、そろそろ実行に移さないと後がない。

 

 

「(いざとなれば特攻して無理やり?いや、必ず帰ってくると約束したんだ……何か良い手はないのか!?)」

 

 

そんなリーダーに一筋の光が差した。

ガシリと何かに掴まれたかのように、ホシノテラーの動きが急に止まった。

 

 

「うぅ、両足を抑えました〜!!」

「(そこだッ!!)」

 

 

メンバー2だ。

これ以上ない好機を逃すようなヘマはしない。

 

満を持してホシノテラーに向けられたのは、彼女も見覚えのない銃。

放たれた弾丸は弾と言うよりも針と言った方が適切な程に細く、そして鋭い形状をしていた。

 

 

「そう来ると思っていたよ!」

 

 

だがそれもホシノテラーの想定内。

足を掴まれた体勢から体を逸らして針を避けた。

針はそのまま突き進み、無情にも壁へと突き刺さる。

 

元より彼女は権能に頼って受ける選択肢を廃していた。

必ず権能の効果をすり抜ける攻撃が来る、ここぞと言う一撃は必ず避ける!!

そう決心していたからこそ完璧だった不意打ちを回避出来たのだ。

 

最後の一手を避けられたリーダーは銃を構えたまま固まっている。

その表情はガスマスクに覆われて窺い知る事は叶わない。

ただ一言だけ彼女は漏らした。

 

 

「……勝った」

「は?──ッ!?」

 

 

ホシノテラーが疑問を呈した瞬間、ホシノテラーの体に激痛が走る。

辛うじて動く顔を横へと向けると、針の着弾地点から自分の体を貫く形で何か、火花のようなものがリーダーの銃へ続いている。

 

()()()、それが奥の手であった。

預言者(ホド)からデータを入手し作成した、キヴォトス人にも十分な効果がある特別仕様である。

リーダーは避雷針となる弾丸を壁に撃ち込み一直線に電流を走らせていた。

本来であれば直接刺して使うのが想定されている。

 

一発コッキリなのは避雷針となる素材の希少さ故である。

人体を貫通してなお通電する伝導率を誇る金属はそうそう無い。*1

 

 

「まさか避けられるとはな……だが、これで終わりだ」

 

 

今まで効かぬ攻撃を繰り返したのは、ホシノテラーから限りなく回避という手段を無くすため。

その作戦は逆にホシノテラーに強く警戒を持たせてしまったが、成功したのだから上々の結果である。

ここまで上手く運んだのは、一重に彼女達の連携力の賜物だった。

 

大金星に気が緩んでいたのだろうか。

ポロリとホシノテラーの懐から地に落ちる物体に気づくのに時間が掛かった。

 

 

「伏せろ!!」

 

 

爆発音と同時に、ホシノテラーの周辺に衝撃波が走る。

ただの手榴弾の威力じゃない。

伏せたリーダー達にもその威力は影響し、仲良く壁際へと打ち付けられた。

凄まじい威力で肺の空気が全て持っていかれたかのような錯覚を感じる。

深呼吸をして息を整えるも、体が動かない。

 

 

「グッ……一体何が……!!」

 

 

リーダーが目を再びホシノテラーへ向けると、そこには普通に動いてる彼女の姿があった。

 

 

「さっきの爆風で避雷針を破壊したのか!?」

アイツら(無名の司祭)の技術を使っても、コレを作るのは簡単じゃないんだ。だから温存したかったんだけど……やるじゃん」

 

 

手すら満足に動かせなかったホシノテラーの行動はシンプル。

全力で体を揺らして、特別製の手榴弾を起動させたのだ。

それは無名の司祭が作った消滅の力が籠った手榴弾。

避雷針を破壊するには十分な威力だった。

 

 

「もう少しでも避雷針との距離が離れてたら危なかったよ、起爆の範囲外になるからね」

「クソッ!!」

「正直こんなに苦戦するとは思ってなかった。敬意を持って()()()()()()()()()

「ッ!!」

 

 

ジリジリとホシノテラーが歩み寄る。

約束を守れなかった後悔と自分への憤怒を抱きながら、リーダーは目を瞑った。

 

 

 

 

 

……トドメが来ない。

目を開けて確かめると、待ち望んだ光景が広がっていた。

 

 

「な、何だこれは!!?」

 

 

ホシノテラーの体が小さくなっていた。

いや、より正確に言えば()()()()()()()

 

 

「そうか、ガスが今になってようやく……」

「(毒なんて効いた試しがないのに何故!?)」

 

 

ホシノテラーの薬物耐性は本物だ。

害ある薬物ならば完璧に防いでいただろう。

だが申谷カイの作ったこの若返り薬(ガスver)は、その判定をすり抜けた。

 

 

「少し惜しいけど……今は見逃してあげる」

 

 

この場で殺す訳にはいかなくなった。

もし元の姿に戻れない場合、彼女達から戻り方を聞き出す必要がある。

 

この姿では後から援護に来た人員にも負けるかもしれない。

リーダー達を無視し、ラボの奥へと進んで行った。

無論、《神名のカケラ》を頂くためである。

 

 

誰も立ち上がれない程にコテンパンにされたアリウスチーム。

暫しの沈黙が場を支配していた。

 

 

「(何が死ぬ前に戻ってきますだ、奴が見逃さなければ私達は死んでいた!!)」

 

 

歯を砕きそうな程に食いしばる。

生き残っただけでもホモは彼女達のことを褒めるだろう。

勝負の世界にたらればは無い、それでもリーダーの胸中には悔しさで満たされていた。

 

 

「(私達は勝っていた、勝っていたんだ……)」

 

 

勝者──ホシノテラー

 

 

*1
アースとか細かい事は気にしない





次回はRTAパートの予定です。
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