山口大学は、2026年4月以降に入学する学生の授業料の改定について、具体的に準備を開始した。その決断に至るまでの経緯と大学が目指す未来などについて発表した。

 山口大学では「発見し・はぐくみ・かたちにする 知の広場」を理念に、知を創造し、はぐくみ、それを世界に発信してきた。現在はその理念のもと、「知の創造としなやかな人材の育成により地域に・世界に貢献する山口大学」を目指し、2030年を、そしてさらにその先を見据えて、教育・研究活動に取り組んでいる。

 この目標を実現するためには教育研究環境の整備拡充が不可欠だが、国立大学を取り巻く財政状況は非常に厳しい。法人化以降、国からの運営費交付金は減少し、近年は、全体額はほぼ横ばいながら大学側の裁量で使える部分は実質的に減額となっている。そこに昨今の物価高騰、特に電気代の高騰や賃上げが追い打ちをかけている状況だ。

 そこで山口大学は約20年間据え置かれてきた授業料を改定せざるを得ず、2025年10月末を目途に改定内容の決定・公表を予定している。

 授業料の使い道に関しては、在学期間中のより高いレベルの教育研究環境の提供に直接反映し、学修者本位の教育と学びの質の向上を実感してもらえるよう注力していく。具体的には吉田、常盤、小串の各キャンパスのネットワーク(Wi-Fi)環境の計画的な整備、学修環境の改善(図書館の充実、空調機器の計画的な更新等)、および学生の健康観察等を担う健康科学センターの充実等を優先的に整備する。

 並行して、授業料改定によって志のある学生が経済的状況により山口大学で学ぶ機会を逸することがないよう、経済的支援の充実も検討している。

参考:【山口大学】令和8年4月以降に入学を希望される皆様及び保護者の皆様(授業料改定に関するご理解のお願い)

山口大学

大学ジャーナルオンライン編集部

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