フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)では放送開始30周年を記念し、話題を集めた作品と「その後」の物語を5週連続で放送。第1弾となる5日は、平成の大不況の中、日曜の午後としては異例の世帯視聴率15.9%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)という番組歴代最高を記録した「借金地獄物語」(1997年)を放送する。

  • 風俗店で働く若者たち

    風俗店で働く若者たち

借金の支払いに追われ、家や土地を失い、家族さえ引き裂かれていく。リストラや事業の失敗で住宅ローンを支払えず、競売にかけられる家。マイホームが半値以下で落札され、静かに涙を流す家族の姿があった。

一方、競売を糧にする者もいる。不動産業者・上打田内(かみうったない)英樹さん(当時42)は、人が手放した隣地を狙い、相場より安く買い、時に自ら落札し、仲介料や転売益を稼ぐ。“借金地獄”で生まれた物件は、まさにビジネスチャンスだった。

さらに、借金返済のため夜の街に身を投じる若者もいた。父の借金を背負い風俗店で働く19歳の女性。月収は100万円を超えるが、心身は削られていく。また、男にだまされ500万円の借金を背負った元看護師は、早朝と深夜のダブルシフトで働き続けた。借金を完済する日だけを夢見て。

借金を返す者、借金で稼ぐ者、借金に人生を奪われる者…借金地獄の果てに、人は何を失い、何をつかむのか。取材当時から30年近くの時が過ぎ、「お金が全て」と語っていた不動産業者は今、何を思うのか。

ナレーションは、当時の放送を矢島健一、「その後」を宮崎あおいが担当する。

  • 上打田内英樹さん(当時42)

    上打田内英樹さん(当時42)

(C)フジテレビ