勤務先である東京都日野市の保育園の園児に対する暴行と傷害の罪に問われ、無罪が確定した元保育士の吉冨弘敏さん(36)が2日、無罪の根拠となった証拠の開示を検察と警察が遅らせたのは違法だとして、国と東京都に計8600万円の損害賠償を求める国家賠償請求訴訟を東京地裁立川支部に起こした。
◆同僚2人が証言をすり合わせた疑い
4月の支部判決では「吉冨さんによる暴行を見た」という同僚2人の証言の信用性が否定され、無罪となった。2人がLINE(ライン)で証言を擦り合わせた疑いが指摘された。
訴状によると、弁護側は刑事事件の初公判前から2人のラインの履歴などを開示するよう複数回求めたが、検察は当初「データは存在しない」と回答。警視庁も確認を怠り、開示を遅らせたという。
東京地検は「訴状を受け取っておらずお答えを差し控えたい」、警視庁は「訴状が届いていないのでコメントは差し控える」とした。(米田怜央)
カテゴリーをフォローする
みんなのコメント0件
おすすめ情報
コメントを書く
有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。