【パリ=三井美奈】フランス当局が大西洋沖で身柄拘束したタンカー船の乗組員2人について仏メディアは2日、いずれも中国籍だったと報じた。タンカー船はロシア産原油を輸送する「影の船団」の一隻。マクロン仏大統領は2日、影の船団による収益は「ロシアの戦費調達の30~40%を占める」と述べ、欧州による対応を主張した。
拘束された乗組員のうち1人はタンカー船の船長。2人は船籍確認などの手続きで、当局の聴取を拒否したとして仏検察が拘束を命じた。船長については来年2月、司法判断が下される見込みだという。仏政府は2日、2人の拘束を発表。タンカー船は、デンマークで9月に相次いだ無人機飛来に関与した疑いがあると報じられていた。
マクロン氏の発言は、デンマークで開かれた欧州の首脳会合会場でのもの。「影の船団に圧力を強化することが重要」と述べ、欧州の軍幹部が近く対応を協議する予定だと明らかにした。「影の船団」への対策は、ウクライナを支援する有志国連合の枠組みで行う意向を示した。