AndurilとRaytheonは空軍協会のインベントでBarracuda500とStormBreakerの地上発射型=手頃な価格の長距離火力を発表し、上院軍事委員会でも特にAndurilの提案が絶賛され「この種の能力を獲得する既存の計画はないが間もなく開始されるだろう」と述べた。
参考:Why Anduril, RTX are pushing new ground-launched munition variants
投資を行うためには需要が確固たるものにならなければならない
Andurilは23日「艦艇発射に対応した低コスト巡航ミサイル=Barracuda500のテストに成功した」と発表したが、AndurilとRaytheonは空軍協会のインベントでBarracuda500とStormBreakerの地上発射型を発表し、低コストの長距離火力を地上から投射する市場ニーズが高まっていることを示唆し、上院軍事委員会でも特にAndurilの提案が絶賛され「この種の能力を獲得する既存の計画はないが間もなく開始されるだろう」と述べた。
Andurilは空軍協会のインベントは「最近の国防総省と議会指導者にとって最優先事項は弾薬不足の解消だ」「その優先順位と焦点も明確になってきた」「数十年前から問題となっていたミサイル備蓄量を解決したと思っている」と、Raytheonも「現代戦はGPS信号が妨害される環境下でも機能するスマートな地上発射型精密誘導兵器の必要性を浮き彫りにした」「GBU-53/B StormBreakerの地上発射型は空中発射型の基本コンポーネントを流用することで構想から試射まで2ヶ月未満で完成した」と言及したが、問題はニーズが確かな需要として固まるかどうかだ。
Andurilは「早ければ来年にもBarracuda500を年数千発生産できる」「そのための投資を行うためには需要が確固たるものにならなければならない」「空軍はOne Big Beautiful Billの資金で低コスト巡航ミサイルを約3,000発購入するつもりだ」「この種の兵器については海外からの需要が非常に旺盛だ」と述べ、Andurilは既に台湾とBarracuda500の大量生産検討について協定を締結しており、台湾も空中発射型ではなく地上発射型のBarracuda500を求めている。
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※アイキャッチ画像の出典:Raytheon
正に「必要は発明の母」ということですね。
ウクライナ戦争が起きなければ、アメリカは相変わらず高機能・高価格な兵器を求めていたでしょう。しかし、ニーズは別のところにあることが明らかになり、ニーズに合った装備を短期間で作ってしまうところが素晴らしい。
我が国も、ニーズに合った装備をサッサと揃えてほしいところです。
ズムウォルト「呼んだ?」
1隻8800億円の海軍実験美術駆逐艦(特殊部隊支援艦)は…お帰り下さい。
え〜と、空軍協会で陸上兵器の提案をしたんですか?、そりゃまた大胆ですね。
まぁ、爆装したF-16の戦闘行動半径並みの射程が有るんですから、普通に思い付きますよね。
この手の兵器で低コストを追求するにはやはり地上発射ってのがキモなんでしょうね。
地上発射限定にすれば、強度とか耐環境対策とかにお金をかけなくていいし、サイズの制限も無きに等しいからコストのかかる小型化もしなくていい。
昔から「兵器メーカーはボッタくる為に性能を過剰に盛っている」って言われてたけど、
全てではないにせよそれが部分的に正しかったってことなんだろうね。
技術の進歩で安く作れるようになったというのが正しいでしょう
巡航ミサイルにしろドローンにせよ、現代の技術ならそれこそiPhoneを一台搭載しておけばそれなりに誘導も制御も出来るでしょうが、当時の技術ではそれこそ数百万円もするデカいセンサーや制御装置を積んでようやく動いてた訳ですからね
ハリウッドの映画で、月の裏側に逃げていたナチの残党がiPhoneの性能に驚愕して兵器に組み込む話がありました。
なんで月に移住できる科学力があって、スマホ程度の計算器ができないのかは謎でしたがw。
あの世界だと日本まで極秘で宇宙戦艦作ってるんだよなあ。
これって、戦場が地続きで、両陣営制空権や防空能力を失っておらず、一方が一方的な空爆を受ける展開になっていなくて、戦線がなかなか動かない、ってシチュエーションじゃないと使い道がないような気が
少なくともこれまでのアメリカには不要な装備と思うからアメリカ的には需要が全くなかったのでは
地上発射型の生存性についてもウクライナで実証されてるようなものですしね
あなたのハンドルネームに食って掛かるわけではありませんが、
MRJが低燃費を標榜していたのは間違いないと思っています。あまり知られてませんけど、
大手の工場の客間に置いてある展示物や開発資料も三菱が自ら消したので何も残ってないのですよ。
つまりMRなんとか~について聞いても逆切れしてくるでしょうね。
高コストすぎるものは、大量生産が難しいってことなんですよね。
『設備の賦課』高い生産設備で少量生産になるから、1単位当たりの原価は、必ず高コストになってしまいます。
大量生産・大量調達を前提として、最初の設計から落とし込んで行かないと、高コストから逃れるのは不可能なんですよね。
「薄利多売」、「同じ予算でもっと量を多くしろ」、これ西側の企業が一番嫌がるやーつ
車は5年モデルチェンジをしないとすぐに時代遅れになるけど、戦車は50年前に作られたものも現役バリバリで活躍しているので、
相当なイノベーションが起こらないと、北朝鮮とかロシアみたいな労働者のコストが安い国相手だと勝ち目がないっすよ
仰る通りです。
『日本の家電』が有名ですが、テレビなど値上げのためによく分からない機能ばかり増やした結果、市場から駆逐されかけているのを思い出しました。
追記です。
武器は、枯れた技術を使ってでも、安定性(タフさ)が求められるんですよね。
仰る点で言えば、『低稼働率の兵器はポンコツ』なわけで…
高額で低稼働率は、本末転倒で理解できないときがあります。
つまり低コストかつ高性能でタフなM113やM2、F-16が理想というわけか
ロシアは労働者を買い叩いてるだけで航空機の製造数は米欧にボロ負けだし、船舶や車両は日韓の足元にも及ばないのだが⋯
こういう傾向が続くと空軍自体の必要性が疑われるのではないかと思う。
空軍の目的は空爆することで、そのために制空権獲得の為の高価な装備
を正当化してきた訳だけど…
地上から自爆無人機を発射で終わりなら別に戦闘機とかいらなくないか。
戦闘機を現地に送り込み一発100万ドルのAAMを撃ち合い、これまた
数百万ドルのARMをSAMに撃ち込んで、一瞬だけ制空権を獲得して
やっと空爆できる…なんてことは持続不可能だと思う。
どう考えてもやっすい無人自爆ドローンを放り込む方がいいだろう。
制空権獲得にかかる費用で量産しまくれば相当な質量を作れるし、
人的損失もしなくて済むし、滑走路に自爆ドローンで空爆を続ければ
従来型の空軍も相当苦しめられるだろう。
一部の国は滑走路に弾道ミサイルみたいな必殺技もあるし。
戦闘機、というか滑走路に依存する航空機主体で戦う空軍はもう限界だと
思うわ。
コレ、アメリカ軍の縄張り区分だと陸軍の兵器ですよね。
ウクライナの戦訓というより、中距離ミサイル全廃条約失効から6年って要素の方が大きいような。
的を探す能力も無人機で解決してしまったんだから、タイフォンやPrSMを持った陸軍が現在どう考えてるか興味深いものが有ります。