東京大学「一部教職員に倫理意識欠如」 カンナビノイド共同研究巡り
東京大学は3日、同大大学院医学系研究科の「臨床カンナビノイド学社会連携講座」を巡り、一部教職員に倫理意識の欠如が確認されたと発表した。
日本化粧品協会(東京・文京)などが5月、同講座の担当教授らから高額の接待を強要されたのに共同研究の契約を解除されたのは不当だとし、東大と教授らを東京地裁に提訴。東大はこれを受けて「検証・改革委員会」を設置し、学内制度の調査や対応を検討していた。
同委員会は同講座に関する具体的な問題点は明らかにしていない。同大の藤井輝夫学長は「今回の事案を教訓にコンプライアンス対応体制の抜本的な再構築を速やかに進める」とのコメントを公表した。
問題を受けた改革案として、契約内容に懸念がある場合に大学本部が適否を判断したり、抜き打ちで資金の出入りを調査したりするとした。
また同委員会は学内における利害関係者との不適切な行為について、教職員らにアンケートなどを実施。倫理規定に抵触する可能性がある事案について、8件の情報が寄せられた。