河口湖には、カチカチ山があります。
おとぎ話のあの「カチカチ山」です。
ロープウェイがあり、山頂で富士山が見えるとのことで四谷くんとチケットを買って並びました。
※ネタバレ
富士山は一切見えませんでした。人間でいうと、丹田あたりまでしか見えてない。
ロープウェイを待つ間、四谷くんは観光地によくあるあのメダルを買っていました。
(かつて1セントを伸ばして刻印していた名残りの楕円タイプのやつでした。私、このタイプのメダルが「1セントの時の名残りを律儀に守ってるわ」と思えて大好きです。びっくりドンキーのタブレット端末メニューの冒頭に、木の扉が開くアニメーションがあるのを見たときと同じ気持ちです。長々とすみません。)
お客さんがズラッと並ぶ階段に、
『カチカチ山』のお話の紹介が。
カチカチ山、怖いですよね。
このパネルのイラストも、なんとか直接的表現を避けようと障子の影絵にしてますが、むしろ極道映画みたいになってて怖いです。
③のパネルを見てみると、
「はたけからかえったおじいさんは
ばばあじるをたべてしまいます
「じじいがばばあをくった」
タヌキはそう言ってにげてしまいました。
おじいさんはおいおいとなきました」
タヌキの捨てゼリフに衝撃をうけました。
こいつ、大事な人の肉を食べさせて報復する流れを熟知してやがります。
相手に人肉を食べさせるためには、「これは食べてもいい肉だ」と思わせなくてはなりません。
つまり、食べる前・食べている最中は人肉だと悟られてはならないのです。
決定的にダメージを与えるには、食べ終わった後に「お前はいま大事な人を食らったのだ」と直接宣告することが肝要です。またこれは「お前が食ったことを俺は見ていたぞ」と釘をさすことにもつながります。
『サウスパーク』のカートマンのチリコンカン回がまさに同じ流れでした。
「じじいがばばあをくった」
こんな端的な言葉で人を刺すことができるタヌキに恐れおののいちゃいますよね・・・。おのののきですよね・・・。
(古い物語のバージョンだと、タヌキがかまどの下にばあさんの骨を隠していて、最後におじいさんにバラしています。こっちのほうが、おじいさんに遺骸を見せちゃってるので、「宣告」はマイルドな方なのかもしれませんが・・・)
それにしても
「はたけからかえったおじいさんは
ばばあじるをたべてしまいます」
語り部が「ばばあじる」って言葉を使うなよ、配慮しろよって思いますよね。
あと、
「おじいさんはおいおいとなきました」
こんな大きなショックならおじいさんは慟哭してると思うのですが、おとぎ話のテンションだと「おいおいとなきました」になるんですね。
そしてロープウェイで頂上に登り、
富士山は全く見えませんでした!
カチカチ山を下りて、町を歩いていると、
交番に「AI予想」の指名手配が。
「『太らせ』ってなんやねん、じゃあ『やせ』じゃなくて『やせさせ』やろ」と四谷くんと言い合いました。
河口湖の旅行、ドストエフスキー『地下室の手記』を読んだり、住宅街のガレージみたいなところで疲弊しきった店長がやってる焼鳥屋に行ったり、忍野八海に行ったりしてサイコーでした!!
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