不審者扱い、住民に追い回され 「次はやれない」心折れる国勢調査員
山田暢史
東京と隣接する埼玉県川口市の住宅地。9月下旬、地図を片手に、青色の大きなバッグを肩に掛けた男性(79)が各世帯を回っていた。
数日前から3度目の訪問となる3階建てのマンションの前に立った。今回はインターホンを押さず、調査票をポストに入れた。「冷ややかな対応ばかり。一度やってみれば、つらさが分かる。次はやれないよ」とため息をついた。
男性は全国に60万人いる国勢調査の調査員の一人で、一度は断ったが、「人が足りない」と町会の役員から頼まれ、自宅周辺の約80軒を担当する。調査は5年ごとに、10月1日現在の国内に住む全ての人と世帯を対象に居住実態などを聞き、様々な政策の基礎資料とする。
「原則、調査票の配布は対面」
この地域では原則、調査票の配布は対面で、世帯の人数によって追加の書類も渡す。ただ、家族構成を尋ねると、「答える必要があるのか」と嫌な顔をされることも多い。インターホンを押しても留守宅が多く、在宅でも「忙しいから」「分からないのでいいです」と対応され、調査の説明すらできない。
周辺では「闇バイト」で集ま…