最高裁は2日、全国の裁判所庁舎や宿舎の一部で、法令で定められた外壁点検を実施していなかったと発表した。最高裁の担当部署が法令を正しく理解していなかったことが原因。点検の必要性を理解していた大阪高裁からの指摘で判明した。点検の未実施は、全国の対象建物の56%に当たる411棟に上る見通しという。
◆2008年の国交省規定「把握はしてたが」
未実施だったのは、建物の完成や外壁改修から10年後以降に、外壁の全面をハンマーでたたくなどして異常がないかを確かめる大規模な点検。2008年に国土交通省が一定規模以上の建物を対象に規定した。
最高裁は、規定当時から大規模点検が必要と認識していなかったため、各裁判所にも周知されなかった。最高裁によると、担当部署は調査に対して「規定は把握していたが、深く考えていなかった」と説明しているという。3年ごとに行う簡易の外壁点検は全国で実施していた。
◆「ただちに危険とは思っていない」
昨年に大阪高裁が最高裁に外壁改修の予算要望をした際、大規模点検も併せて実施したいと求めたことをきっかけに、同11月に最高裁などで未実施だったことが発覚した。ほかに未実施だった主な裁判所は東京、名古屋、札幌、高松の4地高裁など。
点検対象で未実施だった名古屋地高裁など6施設で外壁の一部がはがれ落ちるなどしたが、人的被害はなかった。各裁判所では日常的に巡視していることなどから、最高裁は「未実施の建物もただちに危険があるとは思っていない」と説明した。
25年度中に必要な大規模点検を終わらせる方針。最高裁の染谷武宣経理局長は「法令を順守すべき裁判所で法令違反の状態にあったことをおわび申し上げます」とコメントした。(小野沢健太)
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