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【高校野球】花咲徳栄、昌平下し8強/秋季県大会


花咲徳栄―昌平 6回裏花咲徳栄2死一、三塁、黒川が右翼線へ勝ち越しの適時二塁打を放つ。捕手斎藤=県営大宮
坂戸―秀明英光 5回を投げて2安打完封した秀明英光の右腕相馬
 (第4日、30日・県営大宮ほか)

 3回戦8試合を行い、ベスト8が出そろった。花咲徳栄は昌平を5―3で下して準々決勝に駒を進めた。秀明英光は坂戸を11―0の五回コールドで退け、17大会ぶりの8強入りを決めた。

 熊谷商は今夏の県王者でAシードの叡明に4―1で勝利し、36大会ぶりの準々決勝へ進出した。大宮東は前回優勝の浦和実を3―1で下し、上尾は延長十回タイブレークの末、3―2で埼玉栄を退けた。浦和学院は西武文理に10―0で六回コールド勝ち。春日部共栄は武蔵越生に6―1で勝利した。浦和麗明は松山に5―4で競り勝った。

 第5日は2日、県営大宮とレジスタ大宮の2球場で準々決勝4試合を行い、4強が決まる。

■経験糧の勝負強さ

 花咲徳栄が劣勢の場面で勝負強さを発揮した。エース黒川が尻上がりに調子を上げると、中盤以降に打線が奮起。最後は右腕自らのバットで勝利を呼び込んだ。岩井監督は「後半勝負を意識して、最後は経験の差を出せた」と振り返った。

 五回まで4安打に封じられた打線は2―3の六回につながった。笹崎、佐伯、奥野の3連打で同点とし、なお2死一、三塁。打席の黒川は「野手がつないでくれたので自分が絶対にかえす」と勝ち越しの二塁打を放ち、自ら援護点を奪った。

 1番岩井、3番笹崎が2安打、4番佐伯が猛打賞と上位打線が活発だった。二、六回は本田の犠打を得点につなげるなど、そつのない攻撃も光った。佐伯は「厳しい戦いもチーム一丸で乗り越えたい」と準々決勝の春日部共栄戦を見据えた。

■流れ渡し守り切れず

 昌平は序盤のリードを守り切れなかった。二回に3本の二塁打で2点を先制。三回に1点を追加するも、四回以降は3安打と捉えられず、次第に流れを渡した。岩崎監督は「現時点でベストの準備はしたが、まだ大会で発揮する力がなかった」と悔しがった。

 打線は相手投手の速球に押され、消極的な打撃が目立った。九回は2死満塁と一打逆転の好機を生かせなかった。主将の佐藤光は「全員で冬を乗り越え、夏に向けて体力面、技術面を鍛え上げたい」と成長を誓った。

■投打安定の試合運び

 秀明英光は投打に安定した試合運びで17大会ぶりの8強に名を連ねた。就任20年以上になる秋山監督は「ベスト16と8では全然違う。前回から長かったのでとてもうれしい」と表情を和らげた。

 先発の1年相馬が2安打無失点の好投で試合をつくった。打っては一回から13安打に5犠打を絡めて毎回の得点。185センチの長身右腕は「初回から援護があり、楽に投げられた。全てがうまくいった」とうなずいた。

 チームは春夏秋を通じてベスト8が最高成績。この試合で3安打と気を吐いたリードオフマン早川は「最後まで諦めず、勢いに乗って先輩たちの記録を塗り替えたい」と次戦の浦和麗明に挑む。
2025/10/01 05:00:00
記事提供:埼玉新聞

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