【具体的なPLCソフト設計基準構築の方法】
基準づくりの出発点は「共通項を見抜くこと」です。
設備は案件ごとに仕様が違い、まったく別物に見えます。
しかし動作レベルまで分解していけば、必ず共通する流れがあります。
そこを掴むことが、基準構築の第一歩です。
■共通仕様・動作を洗い出す
設備ごとに違うように見えても、動作を分解すると必ず共通点があります。例えばどんな設備でも
・電源を入れる
・運転準備を入れる
・原点復帰を行う
この3つはほぼ必ず存在します。
ここを「共通仕様」としてまとめておくと、どの案件でも基準化の骨格になります。
■処理の共通パターンを定義する
さらにプログラム処理に目を向ければ
「シリンダの前進・後退」
「モータの起動・停止」
「安全回路の監視」
など、必ず出てくる制御があるはずです。
これを「部品化」して定義します。
例えば
「原点復帰シーケンス」
「インターロック処理」
など。
こうした共通部品を最初から準備しておくことで、プログラムの8割は流用できる状態になります。
■基準フローを決める
動作の順番も基準化できます。
電源ON → 準備完了 → 原点復帰 → 手動動作 → 自動動作
といった流れは設備ごとに違うようでいて、実際はほぼ同じ。
この流れを共通フローとして定義し、各設備の個別要素を上に積み上げる方式にすれば、誰が作っても同じ形になります。
■サンプルコードと紐付ける
ルールを文章だけで書いても浸透しません。
「この動作はこのラダーで表現する」
というサンプルを必ず示します。
共通仕様をプログラムの形に落とし込んで見せることで、新人でも迷いなく真似でき、現場全体に素早く広がります。
■基準を教育とレビューに組み込む
教育では「まずは共通部品を理解する」ことを徹底し、レビューでは「基準フローに沿っているか?」を確認します。
基準が会話の共通言語になり、現場全体で当たり前の文化になります。
【まとめ】
PLCのソフト設計基準構築とは、最初から完璧なルールを作ることではありません。
まずは「設備ごとに見える違いの裏にある、共通仕様を洗い出す」こと。
そこから処理パターンやフローを部品化し、サンプルと紐付ける。
こうして積み上げていけば、基準は自然と強い武器になっていきます!
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