ブルーアーカイブRTA 称号「崇高」獲得まで 作:ノートン68
前回のあらすじ
ミノリ「やっぱり貴方は先生だった!!」
ホモ「(何だか思い出せそうな気がする)」
走者「はい、カットカット」
チェルノボグ「来ちゃった♡」ハートキャッチプリキュア
ホモ「胸貫かれたのに生きてるの怖い」
チェルノボグ「なんでお前生きてるの怖い」
AL-1S「お前を殺す」
ホモ「ぐえー」キボウノハナー
チェルノボグ「ホモは俺が殺した」
リーダー「」
走者「終わったわ」
今回は丸々小説パートです。
キャラ視点が飛びまくるんで、読みづらかったらすみません……。
──天晴れ
流麗な軌跡を描き黒き刃が静かに振り下ろされる。
チェルノボグの凶刃を受け膝から崩れるように倒れるオーナー。
間近でその光景を見たリーダーは現況の理解を拒んだ。
「(何故オーナーが倒れている?)」
オーナーは倒れたきり動かない。
チェルノボグも動かない。
周りの皆も衝撃で動きが完全に停止していた。
永遠に思える長い沈黙。
その時間がリーダーを現実に戻す。
「(オーナーが私を庇ったんだ、オーナーが私を、私のせいで──)」
「あ──アァァァァァッ!!」
辛うじて感情を堰き止めていた理性が決壊し、
雪を掻き分け、オーナーの体を抱き寄せ胸の辺りに耳を置く。
反応──なし。
心音──なし。
呼吸音──なし。
それは生物にとって死を表す。
実は生きていると言う微かな希望が打ち砕かれたのだ。
リーダーは絶望、怒り、悲しみといった負の感情の濁流、そして現状に相応しくない感情を抱き困惑した。
「なんだこの感情は……私は一体、何で──」
──それは歓喜
不覚にも庇われた事実を喜んでいた。
二律背反、それがリーダーを更に重い罪悪感へと蝕む。
「あぁ、私はもう………」
心の折れる音がした。
チェルノボグはまた首を傾げていた。
理由は先程の斬撃の感触、手応えこそあったが
生きてる者には皆、確固たる魂の輪郭が存在する。
たった今斬り伏せた骨男には、それが感じられなかった。
更に──刈り取った魂は穢れに満ちていた。
自分と同列の、もしくはそれ以上の穢れを。
チェルノボグは悪神だが、その劣悪さはバトルジャンキーの沿線上だ。
強い神秘を求めるのも強者だと信じて疑わないからこその純粋悪。
その点で言えばホモは実力こそなくとも、精神性の強かさから気に入ったのだが……。
どうしてもこの濁った魂は取り込む気になれない。
──この魂は保管するとしよう。では……
それはそれとして、次の標的をロックオンしたチェルノボグ。
標的は……今も近くで蹲っているリーダーだ。
空気を読まない黒き刀身が、再度彼女に振るわれ──る事はなかった。
重い
次に懐かしい痛みの感覚がチェルノボグを襲う。
黒き神に手を下した機体は、全員に見覚えがあった。
その悪魔の機体の名は
そしてその隣には───ミノリが居た。
「クリフォト!?何故ここに……。」
「済まない遅れた!状況は──ッ!!早く彼を安全地帯へ!!」
「だがもうオーナーは心臓が止まっ
「早くしろ、奴が来る!!」
──そのレベルの神格を再現するか、小娘
「迎え撃て、クリフォト!!」
黒い靄が刀身から溢れ出す。
チェルノボグの【無生物を刈り取る斬撃】だ。
【神秘】、【
それは生物を傷つける事はないが、それ以外ならなんでも斬れる。
対物理最強の斬撃、それにクリフォトは
少しずつ切れ込みが入っていくが、確かに防ぐのに成功したのだ。
おかげで余裕を持ってオーナーを後方へと移動させることが出来た。
しかし──
──中々斬りごたえがある
「簡単に傷つけてくれる、自信作だったんだがな!?」
クリフォト顕現の正体、それはミノリが持つアンティーク調な外装の本に由来する。
簡単に言えば
マエストロが長い年月をかけて辿り着いた
それにミノリは独学かつ短期間で追いつく偉業を成し遂げた。
この三つの要素が運良く合わさった奇跡の産物。
マエストロも脱帽する天才だ。
だがその天才が丹精と神秘を込めて作った逸品でも、黒き神相手では時間稼ぎにしかならない。
──神秘を刈り取れないのが残念だ
「やはり紛い物では太刀打ちできないか!!」
チェルノボグの斬撃によりゴリゴリと装甲を刈り取られていく。
だがミノリに焦りの表情はない。
まるでそれが予定通りだと言わんばかりに。
「数分間の肉盾にしかならないとは、少しばかり傷ついたぞ。」
──否、よき切り札であった
「切り札?勘違いしているようだから教えてやる───
「破ッ!!」
──ゴフッ!!?
チェルノボグが気づかないレベルの完璧な隠密。
そしてどれだけ攻撃しても効果がない黒き神相手に、確実な決定打を与えたのは──カイだった。
自身にダメージを与えたカイに驚愕するチェルノボグ。
──武術娘の神秘が前より膨れ上がっている
「(私のせいだ)」
カイもまたリーダー同様に、自責の念にかられていた。
自分がしくじらなければ、リーダーが庇われる必要もなかった。
脳裏に焼き付ついた
きっとリーダーと同じく再起不能となっていただろう。
直ぐに戦闘に復帰できたのは、微かな希望を感じ取ったから。
オーナーから微かにだが魂の波長を感じる。
死を体験した2人だから分かる、オーナーはまだ生きている。
なら諦める訳にはいかない。
この世に顕現して、
「もう一度失うくらいなら、今ここで死ね。」
懐から取り出したるは『偽神のカケラ』。
それを
生徒の保有する神秘と
小鳥遊ホシノのソレは両方が1級品だ。
軽く見積もっても通常生徒の
彼女はソレの正しい扱い方を知らないため、宝の持ち腐れとなっているが。
上手く使いこなせばとてつもない権能として彼女に恩恵を与えるだろう。
例えば
それに比べてカイの神秘保有量は、せいぜい10〜20人分程度。
これでも多い方だがそこに神秘を扱う技術を用いて、無理やり
そこへ『神名のカケラ』を投入したとて、許容量ギリギリの30〜40人分に増えるだけ。
はっきり言ってとてもチェルノボグには勝てない、最悪瞬殺だ。
だが『偽神のカケラ』ならばどうか。
これを1カケラ投入すれば凡そ50人分は神秘が増える。
まさに弱者にとって逆転の武器となり得るJOKERとなる。
当然デメリットは存在する。
これは密閉されたガラス瓶に、点火した爆竹を入れるが如き所業。
万が一、器が壊れてしまえば一生廃人コースは確定だ。
廃人化を免れても、後に身体中を激痛が支配する事は間違いない。
「だからどうしたって言うんだ、私は…僕はもう失いたくないッ!!」
3欠片使用した今のカイの保有する神秘は、170人分はかたい。
これならチェルノボグに攻撃は通る。
予想通り、カイはチェルノボグに一矢報いることに成功した。
そこへミノリが近づく、彼女は呆れた表情をしていた。
「まだまだボコボコにしてやるから、覚悟するんだねぇ?」
「無茶するなアンタ。」
「説教コースは確定かな?」
「そうだな、後でみっちり絞ってもらえ。」
「…クックック、別にアレを倒してしまっても構わないだろう?」
「それ死亡フラグだからな?」
黒き神がこちらを向く。
カイは構えを取り、ミノリは追加のクリフォトを呼び出す。
「「此処から先は1歩たりとも通さない。」」
かつての戦友は再度背中を預け、黒き神へと対峙した。
その光景を見ていたリーダー達は確信した。
辛うじてAL-1Sがボーダーラインだと分かる死闘を今も繰り広げている。
それでもAL-1Sが動かないのは予備戦力として残っている──だけではない。
あの二人の連携は見事なもので、長年組んでいたかのような鮮やかさだ。
そこへAL-1Sが割って入れば、かえって邪魔になる可能性が高い。
AL-1Sでさえこれなのだ。
チームⅤと兎の無力感は計り知れない。
「私もいく、迷惑をかけた。お前達はオーナーを頼む。」
「で、でもリーダー……ッ!!」
「大丈夫だ、私は、大丈夫──」
「当身!!」
「グアッ!?なぜ……。」
「AL-1Sちゃん!?」
見事にAL-1Sの攻撃が通り、リーダーは地に伏し悶絶した。
確かな手応えにAL-1Sは満足した、自分が弱くなった訳では無いと。
一応1人で突っ走りそうなリーダーを止めるという名目もあったが、それはそれ。
そして全員に問うた、当たり前の事実を。
「疑問、そもそもオーナーに呼吸や鼓動が必要でしょうか?」
「「「「───アッ!」」」」
考えてみれば、骨の体なのだから当たり前のこと。
普通に食事をして、睡眠も取っているからそんな当たり前のことも抜け落ちてしまっていた。
AL-1Sは続ける。
「あの二人を見てください、まるで諦めていません。まるでオーナーの生存を確信してるかのように。」
「ならオーナーは……。」
「肯定、まだ生きています!」
「あぁ……」
安堵からリーダーは膝から崩れ落ちた。
そんな光景を尻目に、AL-1Sは2人の死闘を見守る。
さっき言ったことは全て
確かに何か希望的観測がなければ、あそこまで食らいつかないだろうとは思った。
しかしそれが絶対的なものの保証なんて何処にもない。
自分の理論にはそんな穴がある事を知っていたが、人は誰しも希望にすがりつきたくなるもの。
リーダー達を落ち着かせるためにはこの手が最善手だと判断した。
AL-1Sもまた確実に成長していた。
それでも彼女は満足できない。
「……AL-1Sは、もっと強くなりたいです。」
チェルノボグとの死闘は未だ続いていた。
戦局はチェルノボグ有利で進んでいる。
理由は言わずもがな、圧倒的な性能差。
そして──
「……コプッ」
「(不味いな)」
カイの限界も近づいていた。
もう既に5分以上はぶっ通しで戦闘し続けている彼女は目、鼻、口から血を吹き出していた。
それでも止まらない 、止まれない。
「(切り札さえ当たれば……!!)」
ミノリも歯痒い思いをしていた。
チェルノボグを倒す秘策──
アレを当てることが出来たならあるいは、チェルノボグを倒せるかもしれない。
だが肝心の標的が速すぎる、そして
カイは既に限界間近、1人で戦わせる無理強いはできない。
まさに絶望。
最悪の手段である、カイを犠牲にする作戦。
それを実行に移すか──オーナーの命と天秤にかけて、ミノリは後者を選ぼうとした。
そこで、カイと目が合った。
「(やれ)」
「ッ──済まな
「全員撃てーッ!!」
──誰だ、至福の時を邪魔するものは
その者達をこの地で知らぬ者は居ない。
白ひげを生やしたチビ助が腕を組みチェルノボグを睨みつけている。
「ここ数日の記憶はないし、なんだか起きたらトモエとマリナは気絶してるし、校舎は滅茶苦茶……
全部お前のせいだな黒い骨!!
度々失脚されてきたが、貴様に権力を渡す気は毛ほどもないぞ!!」
──別に権力に執着はないが
「うるさーいッ!よくもオイラの事務局員をいじめてくれたなぁ!!」
「会長──!」
「皆の者、粛清の時だ!撃て、撃てーッ!!」
ワァァァァァアッ!!!
ワガグンニショウリヲ!!
トツゲキー!!
大勢の親衛隊がチェリノの鼓舞により突撃を開始した。
チェルノボグの力を身をもって体験してるミノリは叫ぶ。
あの数の被害が出ればレッドウィンターは終わりだ。
「やめろッ!揃って犬死するつもりか!!?」
──面倒だ、一掃して……ん?
突貫してくる親衛隊に向かって刃を振り下ろそうと手を上げたがそこで止まった。
チェルノボグ本人の預かり知らぬところだから仕方の無いことだ。
黒き神の神格を以てしても、キヴォトスのルールには逆らえないのだ。
そして刃を振りおろそうとしないチェルノボグを見て、ミノリは光明を見出した。
理屈は分からない、だが今が好機だと!!
「占めたッ、なんだか分からんが奴は生徒会に権能を振るえない!!」
「……頼もしい増援って訳?」
「お前はもうじっとしてろ!!」
さて、力を満足に振るえなくなったチェルノボグはと言うと──
──素晴らしい、素晴らしいぞ
感涙に咽ぶ思いを抱いていた。
有り体に言えば感動していた、H×Hのヒソカ状態である。
前の記憶も含めて、こんなに不自由を強いられる戦いは初めてなのだから。
──貴様達を斃して、ようやくこの地に舞い降りる事ができる!!
権能は使えずとも神格は神格。
権能なしの状態でも黒き神は脅威足り得る。
もはや黒き神の興味は親衛隊に向いていた。
これ幸いとミノリは
「吠え面掻かせてみせるぞ、黒き神!!」
決着まであと少し───
骨の指がピクリと動いた。
次回も小説パートになります。
おや、ホモ君の様子が……!?