ブルーアーカイブRTA 称号「崇高」獲得まで 作:ノートン68
お待たせして申し訳ない。
爆死したのでモチベ持ち直すのに時間かかりました。
許さんぞアロナ、そして陸八魔アル。
今回は全部小説パートです。
「チームⅤの永久指揮権、その見返りとして全面協力を約束しよう。」
目の前の
その言葉にベアトリーチェの思考は一瞬ホワイトアウトする。
チームⅤを欲する気持ちは分かる。
ホモが手塩をかけて育てた神秘強化済みの兵力だ。
骨にそんなものがあるかは定かでないが、愛着は湧くだろうし引き込みたいと思うのが普通だ。
だが何故、エデン条約調印式の間に入ってこようとするのか。
そこをベアトリーチェは理解できなかった。
「(貴方が
基本的に他者を見下しているベアトリーチェも、ホモの事を少しずつ理解していた。
実際その通りで、エリドゥではリオに協力するという見返りをクリフォト顕現の実験として利用している。
「(それに彼が購入したゴルコンダ作の兵器の数々も……。)」
ゴルコンダの扱う技術を駆使した兵器は高性能かつ、それに見あった値を求められる。
それをポンポンと、何の抵抗もなく買い占める勢いで購入した
戦争でも始めるのか?
まさかコッチに撃つつもりじゃないよな?
この男がどこに向かって走っているのか、ベアトリーチェには理解出来なかった。
「(彼が何を考えてるかなど、予想するだけ無駄でしょう。)」
ゲマトリア全員に言える事だが、彼は一段と何を考えているのか読めない。
謀においてホモや黒服と比べ、1歩劣るベアトリーチェには仕方の無い事だった。
だからこそ、ベアトリーチェの思考は渋滞を起こしていた。
大人にとって理解出来ない事は───
「(だからここで引くと?舐めて貰っては困ります。)」
彼女の生来からくる反骨精神が弱音を押し潰す。
逆境でも高慢にかつ傲慢に、それがベアトリーチェという女だ。
「(計画が成功さえすれば、彼程度どうとでもなる。)」
ホモが何を考えているかなど、最早どうでもいい。
儀式が成功すれば、自分が崇高に至れば関係ないのだから。
それにこれはチャンスだ。
「(他3人と太いパイプを持つホモと組めば、計画がより盤石なものになるというもの。)」
黒服やゴルコンダ、デカルコマニーには言わずもがな、
彼らのホモに対する友好度は高い、ならそこに付け入る隙がある。
「(思えば、貴方が加入してからそう期間は長くありませんでしたね。)」
自分がアリウスの統治を進めている短期間、ホモはそのアドバンテージを無視する功績を上げた。
『神秘強化方法の確立』そして『崇高の擬似顕現』
神秘に手の届かなかったゲマトリアが、観測の手がかりを得たのはホモの活躍が大きい。
恐ろしいのは、それを短期間で仕上げた手腕。
「(えぇ、だからこそ超える価値があると言うもの。)」
憤怒、羨望、嫉妬、それらの感情を後ろへ。
確実にベアトリーチェは領主としては成長を遂げている。
大人としてのプライドなのか、それとも覚悟の英断か。
ベアトリーチェの返答は決まった。
さっさと済ましてしまおう。
先程から黒服のニヤニヤとした視線が鬱陶しい。
「いいでしょう──と言いたいところですが貴方の戦力がどの程度のものか……後日、貴方の戦力を査定します。」
「了解した、また後ほど。」
全て見透かしたようなその態度が気に食わない。
最近話題のシャーレの先生と同じくらいには。
自分が足踏みしている領域を軽々と飛び越えていくその姿に──柄にもなく憧憬を抱いた。
その事実がベアトリーチェを苛立たせる。
「いつか必ず、度肝を抜いてやる。」
その意思を胸にベアトリーチェは集会所を後にした。
──────────────────────
この場から消えたベアトリーチェを尻目にホモはこれからの展開を思案する。
「(ここまでは漕ぎ着けた、アリウス関係は流れに任せるだけだ。)」
盤面は殆ど出揃った。
ベアトリーチェ率いるアリウス分校。
ソレの対象であるゲヘナとトリニティ。
そこに首を突っ込むであろうシャーレの先生。
そして裏から人知れずコントロールする立場にのし上がったホモ。
綱渡りの場面が何度もあった、それは今後もそうだろう。
その甲斐あって、ようやく中間地点が見えてきたと言っていい。
だが、まだ足りない。
「(キヴォトス全体のレベルを上げるには、後2、3校に接触する必要がある。)」
ホモが今まで関わったのは『ミレニアム』、『アリウス分校』の2校。
ばら蒔かれた『神秘のカケラ』や『偽神のカケラ』により、裏側の連中も軒並みパワーアップしただろう。
それでも足りない。
「(山海経はパスだ、彼処の領主はキレ者だと聞く。)」
ホモの目論見がスムーズに進む事はまず無い。
大抵何かのアクシデントに巻き込まれたり、何らかのポカをやらかす。
スマートにゴールした試しなど皆無だ。
ミレニアムでも『鍵』の様子を見に行くと先生と出くわすし、山海経では愛を囁くヤバい奴に出くわした。
そういうもの全てを、後のリカバリーで無理やり突破しているに過ぎない。
なのでホモは基本的に第1プランが失敗する前提で計画を練っている。
それでもダメな時は
最悪
賢ぶっているが、ホモは案外脳筋なのだ。
「(……と来れば、レッドウィンター辺りが狙い目か。)」
レッドウィンターはキヴォトスの北端に位置する極寒地帯。
その保有領土はキヴォトスの中でも随一だが、管理しきれていないのか人口は校舎周辺に密集している。
そのため、多少敷地内で怪しい動きをしてもバレない。
距離もデュカリオンの箱舟の速度であれば、キヴォトス中何処へだって辿り着ける。
「(キヴォトス中にラボを増設する予定なのだから、次の目的地に設定してもいい。)」
ホモが聞いた話ではクーデターが日常茶飯事なのだとか。
常に実践形式の訓練を行っているのと同義なので、全体的な戦力で言えば三大学園にも引けを取らないだろうと言うのがホモの予想だ。
それに手を加えて効率よく強化を促す……。
考えてみればみるほどにアリだ。
「(やる事が多いな、それでこそやり甲斐がある。)」
次の予定が埋まっていく充足感を覚えていると、自分に近づく人の気配を感じ取った。
気付けばこの場に留まって居るのはホモと、寄ってきた黒服だけだった。
不敵に笑いながら黒服は話しかけてくる。
「クックック、少々時間を頂いても宜しいですか?」
「……何の用だ?」
露骨に嫌そうな態度を取るホモ。
ホモが言えたことではないが、黒服も普段何を考えているのか分からない。
分かっている事は、近付いてくる時は大抵碌でもない仕事を掴ませられるという事実だけ。
これ以上頭を悩ます案件を増やしたくないホモは睨みを効かせるが、怪しげに笑う黒服は構わず話し始めた。
「答え合わせをしておこうと思いまして。」
「答えなら出ただろう、唯の成り損ないだという答えがな。」
「いえ、其方ではなく───顕現させた理由の方を。」
「……。」
相変わらず良い所を突いてくる。
一先ず厄ネタでない事に安堵しつつ、続きを促すホモ。
ホモとしても他ゲマトリアの目にどう行動が映ったのか気になる。
「まずクリフォトの顕現は表向きの者にはカイザー系列への圧力、と多くの者は捉えられるでしょう。」
「違う理由があると?」
「厳密にはそれも狙いなのでしょう、ですが力を示すならもっと良い方法があった。例えば抱えのAL-1Sを全面的に押す……などですかね?」
力を示すだけならリスキーな方法だ。
何せ本当に顕現出来るか分からないのだから。
しかしその点をホモはクリアしていた。
黒服は
「結論を言いましょうか。貴方が不完全ながらもクリフォトを顕現させた真の目的、それは『信仰』の複製を作成することでしょう?」
「……。」
「当たり、という事でよろしいですね?」
クックックと嬉しそうに嗤う黒服。
子供のような純粋な喜びが絶妙にウザい。
しかしホモに驚愕は無かった。
この男であれば気付くだろうと予想していた。
とはいえこんなにも早くバレるとは思わなかったが。
「貴方が運営しているブログは既にキヴォトス中に広まっています。悩み相談も的確に処理しているお陰で感情の大きさは規定を満たしているでしょう。貴方の言葉を信じる信者もたくさん──。」
「大正解だ、私はクリフォトを頭に新興宗教を作る。」
「クククッ、合理主義者は信じてしまうでしょうね?」
既に宗教として成り立たせようとする勢力がいる為、そこに乗っかるつもりだ。
偶然にも発祥元はレッドウィンター。
宗教が盛んなトリニティで流行るとばかり思って居たが嬉しい誤算だ。
既にホモの脳内ではレッドウィンターでどう活動するか、シミュレーションが開始されている。
今回こそは計画通りに行くだろうとホモは淡い期待を持った。
「貴方の目論見が上手くいくように祈っていますよ。」
「期待はしない方がいい、私は無神論者だからな。」
教祖の中身が無神論者とはとんだ笑い話だ。
せいぜい罰が当たらないように全力を尽くすしかない。
話は終わりだと踵を返すホモに、黒服が声をかけた。
「今度また飲みに行きましょう。この前良い所を見つけたんですよ。」
「………善処する。」
ホモ「ある程度戦力あって、そこまで統率が取れていない学校……せや!!」
赤冬「こっち来んな!」
次回は再びRTAパートへ。
先にアリウス方面の問題を解決する予定です。