─アーカツカ郊外の事件現場
・・・あ!傘さし隊が来てる来てる!
わあー、本当だったんだ。
行こう、イチマツ兄さん。
なに?その、『カササシタイ』って。
あ・・・
(・・・ガチャ・・・)
(・・・サッ)
・・・『傘さし隊』の人。
イチマツ兄さんが雨に濡れないように
案内してくれるみたい。
・・・ありがとう。
僕にも?ありがとうございまーす!
・・・あの人の紹介か。
そうそう。・・・ほら!
むこうで呼んでる。
〇▲◇・・・!
地球での簡単なお仕事って所だね。
そうそう、そんな感じだよね。
イチマツ兄さん、うまいこと言うね。
〇▲◇・・・
え?死体が傘を?
傘をさした死体・・・
─傘さし部隊が雨から現場を守っても
保存出来る証拠は少ない。
しかし、被害者が最初から
傘をさしていたとしたら。
少しは望みが─
わ!なんだコレ!
傘が刺さってるじゃないか!
─アーカツカタウンには
宇宙からの来訪者も多い。
犯人(ホシ)を追って訪れた
銀河刑事は優秀な同僚だ。
宇宙からの来訪者の犯罪は
ジャパニーズレストランでの
食い逃げ犯など軽犯罪がほとんどだ。
シリアルキラーなどの凶悪犯は
地球人ばかりだ。
ただ一件、
この銀河刑事が追っている
宇宙規模の凶悪犯を除いて。
─アーカツカホスピタル
『はい、処方箋が出てますね。
会計へどうぞ。お大事に』
君、今度お茶でもどう?
・・・ダメか。はーい。
どうも。またね!
・・・・・・。
ん?・・・・・・
・・・シュルシュルシュルシュル・・・
・・・!おい!待て!
止まらないと撃つぞ!
おや、こんな所で銃を出しては
危ないよ?
あ!お前は・・・!
手首はまだ痛むかね?
どれみてあげよう・・・
わあ!!
(・・・シーン・・・)
・・・あ・・・れ・・・?
─警察署
(プルルル・・・!プルルル!)
あ、はい!殺人課・・・
おつかれ~・・・え?麻袋?
うんわかった。・・・じゃあ気をつけて。
なに?
なんか、イチマツ兄さん達が行った現場の
あー、ほらさっきの。
あ、身元不明のやつか。
なんかね~(ぱくっ)あ、おいしー!
死体が頭から袋かぶってたんだって。
似たようなケースが無いか調べてくれって。
えー、怖いなあ。
俺みたいに誘拐された時に
かぶせられたのかな?
なーんかそういうのとも違うみたいなんだよねー。
シンボル?というか・・・何か意味があるとか。
それで僕に調べて欲しいんだって。(もぐもぐ)
ねえ。
だいぶトラウマになってんじゃないの?
僕が治療しようか?
あいつに間違いないんだよ。
消えちゃったけど!神出鬼没だからな。
いなかったと決まったわけじゃない。
ほーんと、大丈夫なの?
病院で銃撃つ所だったんだって?
(もぐもぐ)おいし。
よく食べるな!
ま、うまいけどな!
捜査のお供はドーナツに限るのだ!
この穴から全部見通しちゃうって?
ははは、そんなに簡単に
わかったらいいけど~!
な~んかさあ!僕の先生・・・
ほら、あの教会にいた。
何かのお告げって、
俺を誘拐してバラす線を描いちゃった人?
大丈夫なの、あの人。
あの人、影響力あるから困るよ~?
同じように俺のこと誘拐して
バラす線描いちゃう人増えてんじゃん。
なんだろうね、あの影響力・・・
そうだ!それが最近さ?
境界線を越える秘密を見つけたんだって。
なんだそりゃ?
なんかね、頭から袋を被ってさ?
目の所をまあるく穴を開けてね。
『トシオのマスク』って言うんだって。
なにそれ?トシオって誰よ?
え~、知らないよぉ。誰だろうねー。
まあ調査中だけど!
実在してるのか、
単に連中の崇拝する
想像上の偶像なのかは不明。
教会の新しい教典によると・・・
あ、これコピー。
へえ?教典とかってあの手の団体じゃあ
重要書類なんじゃないのっ?
お前、そんなもんのコピー持ってんの?
あ、これ出どころはカラマツ兄さんだよ。
ちゃ~んと資料として
ファイリングしたのは僕だけどっ・・・!
ね、こういう時に役にた~つッ!
ふふふ・・・
あぁ~・・・あいつ幹部になれとか
言われてたもんね。
で、なんて書いてあんの?
うーんとね・・・ここ。
『あちらの世界からこちらの世界へ
必ず仮面で頭を隠すことが伝えられた。
その仮面は本来、
紙の袋であるが
雨天の多いこの地に降り立った彼は
別に紙じゃなくてもいいよ、
と告げられた。』
なぁ~んか、話し方が親しげなんだね?
その降り立った、彼。
だね。・・・で、
『麻の袋を用いて、
この仮面を我々のものとす・・・
願わくば、
かの地へ漕ぎいでる日を迎えん。』
え~と?麻袋、麻袋・・・あれ?
なんか聞いたな、その話。
あ・・・!!
─警察署・殺人課
オソマツ、お前が言ってた
レッドバロウの屋敷だけどな?
何も新聞では騒ぎになってないぞ。
(カチッ!)
(サラッ・・・!)
─射撃訓練所
(ズキューン!)
(ズキューン!)
うーむ、ヒジリアンの手がかりは無しか。
オソマツ刑事!
お前が一番ヤツに肉迫したんだ。
なんとか手がかりをつかんでくれ。
頼むぞ。
『この街の深く、更に深く・・・!』
はあ・・・、はあ・・・。
俺が・・・見つけないと・・・!
─警察検死室
身元は不明。着衣は病院の入院着?
頭に被っているのは・・・麻の袋か?
それだけど、調べた。
(バサッ!)
話の出どころは、あの教会が絡んでる。
あの、お前の恩師の?
ああ、あの肉に詳しい人か!
え?認識そこなのッ?
そんな事より、幹部になれとか
色々言われてただろうが?
それで肉のフルコースに招待され・・・あ。
なんか理解できたけどムカつくね。
まあいいや!・・・で、
宇宙の真実、別のパラレルワールドが
存在するという信仰なんだけど・・・
幹部会議の時にもらったっていう
この教義のコピーだけどさ!
ここに関係ありそうだよ。よく読んでおいて。
お前も解剖興味あるか?
解剖見ていくか?
僕はちょっと・・・今日はやめておこっと。
いい所見せたいんだろうけどさ!
今日はイチマツ兄さんが相手してあげて。
わかった。
ちょうど何に使うかわからない器具を
どうやって使うか見たいしね。
そういう理由ッ!?・・・もう。
じゃあ、後で進捗報告してねー!
さっそくだけど、これは何に使うの?
オープン・ユア・ハート!
開胸器・・・
肋骨を開く器具だ。
心の臓物が見えてしまうね。
というか、この死体には必要ないね。
穴が開いちゃってるからね。
開く肋骨が無くなっているな。
丸見えだな。
ここ、胸に大きな穴が開いてる
更に中なんだけど・・・。
傘がささってた所か?
差し詰め傘のせいで肋骨が
吹き飛んだわけでもあるまい。
見て。
なにか、首の方に向かって
奥にあるんだよ。ほら。
どれ・・・これか!
(カラン・・・ッ!)
宝石・・・か?
(・・・ピクッ・・・)
(ギギギギー!キュルキュル・・・!)
うわわわわわ・・・!
起き上がった!?
(キュル・・・!)
僕はここの人間ではありません!
すっごく遠くからやってきました!
しゃべったあああああ!?
この肉体はもうすぐ滅びるでしょう!
しかし!かならず戻ってくるでしょう!
わたしはこのトシオのマスクを手に入れた!
これでどこへでも行かれる!わたしは・・・
(・・・ドサッ)
(シーン・・・)
ひいいいいいいいーーーーッ!?
え!?そういう展開なの!?
(ザザーーッ)
あれ?チャンネル変わった?
病院もの?
・・・奴を探すのが重要なんだ。
その使命を果たそうと
深く潜り込んどるな。
だが深く潜り込み過ぎて、
全く目覚めん。
どうしたもんか・・・
はあ・・・、はあ・・・。
・・・シュルシュル・・・
深い所でヤツを見つけたとして
そこで捕まってたら・・・
クソッ!どうしようもないのか?
なんとかヤツに気づかれないように
連れ戻すことは出来ないのか・・・!?
(ザザーーッ)
(プツッ・・・)TVの消える音
おい、続き!!
えー・・・