学校の授業をなんとかやり過ごして放課後になった。
途中何度も出木杉と目が合うが、幸いなことに出木杉の周りには常に男子が群がり、女子も勉強を教えてもらったりと人気っぷりで近寄らなくてもよかった。
本人もこれが日常だと思い、特に苦労している様子もない。
(出木杉には今日一日悪いことしたけど、ドラえもんに戻して貰ったら全部解決だ)
帰りの会が終わるとジャイアンが野球に誘うのも跳ねのけ、一目散に家に向かって走り出す。
いつも虐められたり嫌なことが有った時は、こうやってドラえもんの下へ寄り道もせず帰っていた。
でも今日は自分がどうのこうのというよりも、出木杉を早く元に戻すためだ。
(ドラえもん今日は部屋にいるよな)
自宅の玄関のドアを勢いよく開け、靴を脱ぎ散らかして二階の自分の部屋へ上がると、そこには本を読んで座っているドラえもんの姿が。
「おかえりのび太君。どうしたのそんなに慌てて?」
「よかった、すぐに出木杉を元に戻して欲しいんだ!」
「出木杉君を? 一体何の話?」
すぐさま学校に行ったら出木杉が男から女へ変わっていて、それを本人どころか周りも気にしないという異常な状況を説明する。
ドラえもんは不思議そうな表情を浮かべ、笑いながらのび太に言う。
「何言ってるんだ、出木杉君は元から女の子じゃないか?」
「だからちがうんだよ、本当は男でそれを知ってるのが僕だけになっちゃったんだ!」
何度のび太が説明しても、ドラえもんは首を傾げるばかり。
そしてのび太が何をそんなに慌てているのかわからないと、頭を抱えている。
このままでは埒が明かないと思ったのか、ドラえもんは四次元ポケットに手を突っ込むと、一冊のアルバムを取り出した。
「あとからアルバム!」
「なにそれ?」
「ずいぶん前に一度使ったきりだからね、これに対象となる人物の名前と過去の日付を書い~てっと!」
机のペン立てに入っていた鉛筆を一本取り出すと、ドラえもんはアルバムの適当なページを開いて何かをサラサラと何かを書き始める。
「名前と時間を書いたらアルバムを閉じて三分間待つ」
「それでどうなるの?」
「書いた人物の写真を指定した時間で撮ることが出来るんだ。わかりやすく小学校の入学式の写真を撮ってみたよ」
三分間待ってからアルバムを開くと、そこには赤いランドセルを背負った可愛らしい女の子が写っていた。
のび太も写真を撮ったことがある月見台小学校の校門前、祝入学式と書かれた看板の横に立ち、少し照れた顔でランドセルを背負っている少女の胸元には『出木杉英才』と書かれた名札が。
「こ、これが出木杉!?」
「英才なんて男の子みたいな名前だけど、ちゃんとした女の子でしょ? 他にも撮ってみようか?」
ドラえもんは少し考えてからのび太の部屋のカレンダーを確認すると改めてアルバムに名前と日付を書き込む。
出来上がった写真はプール授業の様子で、そこには女子用の水着を着用する出木杉の姿があった。
写真を眺めてみると、学校ではわからなかったが女の子らしい体付きをしており、胸の当たりが少し膨らんで見える。
「ほらね、出木杉君は生まれた時からずっと女の子だよ。のび太君が変な勘違いをしてるんじゃないの?」
「そんな、出木杉が女の子だなんて……」
絶対にそんなことはないと言いたいが、頼みの綱のドラえもんもこの調子だし、何よりも証拠が続々と出てきてしまう。
がっくりとうなだれるのび太だが、なぜこうなったのかもう一度よく考えてみることにする。
(絶対出木杉は男で、今までずっと一緒に遊んでたんだ。でも突然性別が変わるなんて未来の道具が関わってるとしか……)
ドラえもんが鉛筆を机の上に戻す。
何も置かれていない学習机を見て、頭に昨日の光景が浮かんでくる。
「そうだ! うちでの小づちだ!」
「小づち?」
「そうだよ、昨日未来デパートから試供品が届いて、僕が使っちゃったんだよ! どこに仕舞ったの!?」
ドラえもんのポケットに手を突っ込んで、うちでの小づちを引っ張り出そうとする。
出てくるのはガラクタや使わないひみつ道具ばかり、しまいには何に使うのかただのやかんまで出てくる始末。
「うわぁあ、ストップストップ! 僕は試供品なんて知らないぞ……そうだ! 今朝のび太君が登校した後、未来デパートの配達員がリコール品だって言って何かを引き取りに来たっけ」
「それだよ! すぐに取り戻してきて!」
「取り戻してきてって……見た目も型番もわからないと僕も探しようがないよ」
たしかに何の手がかりもなく数多くあるひみつ道具を探すのは骨が折れるだろう。
何か良い手はないかとのび太が頭を抱えると、昨日ゴミ箱に捨てた説明の手紙を思い出す!
「そうだ! これ、これが試供品と一緒に入ってたんだよ!」
ゴミ箱をひっくり返し、うちでの小づち改に同封されていた手紙をドラえもんに見せつける。
「何々……自分の因果関係に影響を与えずに願いを叶えるだって!? のび太君、一体何を願ったの!?」
「出木杉に嫉妬しなくなりますようにって願っただけだよ」
「なるほど……つまりそれで男だった出木杉君が女の子になって、のび太君以外気が付かないわけだ」
ドラえもんは今まで説明と、紙に書かれた説明文を結び付け事態を把握出来たようだが、のび太の頭はまだ追い付いていない。
「つまりどういうこと?」
「簡単に言うと、のび太君以外の因果。つまり君以外の人間や歴史を捻じ曲げて願い事を叶えるんだ。だからのび太君だけは出木杉君が男だったことを覚えてたんだよ。こんな危険な道具リコール対象になって当然だ!」
のび太の願い事に悪意が無いのもわかっている。
ドラえもんの改ざんされた記憶では出木杉は才色兼備という言葉がよく似合う子だ。
男であってもその優秀さは変わらないだろう、持たざる者であるのび太が嫉妬心を抱くのもうなずける。
それでものび太は人を不幸にしたり、足を引っ張ることを望まず。
自分の嫉妬心と向き合い、それを抑えるように願ったのだ。
「それを勝手に歪曲して望まれない形で叶えるなんて許せない!!! 僕は今から未来デパートへ抗議に行ってくるから待ってて、ドラミにも協力してもらうから少し時間が掛かるかもしれないけど必ず道具を取り返してくる」
怒りに燃えて顔を真っ赤にするドラえもん。
気合十分に未来デパートの説明書をポケットに入れると、必ず道具を取り戻すと約束し、机の引き出しにあるタイムマシンを起動させ、急いで飛び乗っていった。
ドラえもんが居なくなった部屋で一人、のび太はただ呆然としていた。
自分のした事の重大さが今になってやっとわかったのだ。
(僕が出木杉に嫉妬心を抱いたせいでこんなことに……)
自分が蒔いた種とはいえ、罪悪感で押しつぶされそうになる。
だが、ドラえもんが道具を取り返せば全ては元通りになるはずだ。
(そうだ! 今はドラえもんが戻ってくるのを信じて待つしかないんだ)
のび太はそう自分に言い聞かせると、気を紛らわせるためにランドセルから宿題を取出し、机に向かうのだった。
無論宿題なんてしたくもないのだが、何もしないでいると居心地が悪いし、うっかり遊びに行って誰かに会うと出木杉のことを聞いてしまいそうだ。
それなら家に閉じこもって、したくもない宿題をしてる方がずっと良い。
「う~ん、全然わからないし頭がこんがらがってくるけど……」
よくわからないなりに教科書とにらめっこしながら、思うがままにノートに計算式を書いてみる。
今は頭の中をごちゃごちゃにして、時間だけを過ごした方が良いと判断した。
「う~ん、う~ん」
妙な唸り声を上げながら、机に噛り付く。
普段ならドラえもんやしずかに頼りっきりになるが、ただひたすら一人で居たいのだ。
宿題をするのが目的なのではなく、宿題を時間つぶしの過程にするのが実にのび太らしい。
(そう言えばドラえもんの道具で眠れなくなって、仕方がないから宿題をした日があったっけ)
ひみつ道具『グッスリ枕』はダイヤルを合わせた時間きっかりに人を眠らせる道具だ。
しかし、故障したこの道具の目覚まし電波を浴びたせいで特技でもある寝るという行動を封じられ、夜の暇な時間一人宿題をすることで紛らわせた夜がある。
「あの時は大変だったな、布団に入ってもちっとも眠れないし、お腹は空いてひもじいし。なんであんな道具をドラえもんは出したんだろう」
やはり得意でもない苦手な宿題をしていると思考が逸れてくる。
たしか元々は眠れない父のび助に安眠をプレゼントするためにドラえもんが出したはず。
それがなぜ壊れてしまったのか……。
「思い出した、出木杉を眠らせるために僕が持ち出したんだ」
あの日は先生が出木杉を褒めたたえた後に宿題をどっさりと出したのだ。
それでヒィヒィ言っていた自分たちを横目に、あのくらい大したことじゃないと余裕な出木杉が癪に触り、あの手この手で宿題の妨害をしたのだ。
ジャイアンが野球に誘い、運動で宿題が出来ないくらい疲れさせようとしたが結果は大活躍。
それどころか宿題なんて十分あれば終わると衝撃発言。
これに懲りたジャイアンはのび太に出木杉妨害作戦を押し付けて自分は帰宅してしまう。
そこでグッスリ枕を知って持ち出したのだ、出木杉を朝までグッスリ眠らせるために。
「でも結局出木杉は眠らないで、窓から落ちた道具が壊れちゃったんだよな……っていけないいけない! また出木杉のこと考えちゃった」
頭をブンブンと振って、出木杉のことを忘れようとする。
とりあえずノートに書かれた数式に数字を当て込み、指を折りながら計算していく。
結局ドラえもんはその日帰ってこず、何とか出来上がった宿題片手に余裕を持って学校へ向かう。
遅刻する前に目が覚めて学校の支度も済んでしまったからだ。
「たぶん学校から帰ってくるまでにはドラえもんも帰って来てるだろう」
家にいてもどうしようもなく、かなり早い時間だが学校に向かうのび太。
もう一つ家を早く出た理由は出木杉を見て安心したいからだ。
まだ帰って来てこそいないが、もうすでにドラえもんが出木杉を元に戻しているかもしれない。
自分が今焦っているのは全部取り越し苦労で、昨日のことなどなかったかのよう元の日常が始まる。
(どうか出木杉が男に戻ってますように!)
なんだかよくわからない願い事をしているような気もするが、出木杉は男であることが正しいのだ。
その正しさを知ってるのはこの世界、いや、どの時間軸でも野比のび太一人が覚えている事実であり、自分がそれを忘れてしまったら永遠に何かが失われてしまう気がした。
早く登校しすぎたため、学校の中も人が少ない。
クラブ活動するために早く来た生徒を横目に自分のクラスへと歩き出す。
決して走ることはないが、ゆっくりでもない。
早く出木杉に会って安心したいが、同時に会うのも怖い。
教室には誰もおらず、一番乗りだ。
「ふうっ、早く来すぎちゃったかな。まだ誰もいないや」
自分の机にランドセルを降ろし、教科書やノートを机の中に入れていく。
おもむろにやり終えた宿題を開くと、そこに書かれた数式を見て少し頬が緩む。
(僕だって案外やれば出来るじゃないか)
久々の自力で解いた宿題はやはり気持ちの良いもんだ。
先生に怒られることもなく、おまけに今日は遅刻もない。
これだけで学校生活のスタートが晴れやかになり、心が軽くなっていくのを感じとる。
ノートに不格好ながら一生懸命書き込まれた数字は、昨日までの自分の健闘であり、今日の自分へのご褒美だ。
うっとりノートを眺めると、数字の七が目につく。
「あれ、僕昨日ここに七なんて書いたっけ?」
なんとなく違和感を感じる。
試しにもう一度数式をじっくり解いてみると、出た答えは九。
「なんだ、数字の七と九を見間違えたのか。それにしてもこれじゃ先生も誤解しちゃうよ」
自分で書いた文字が次の日読めないのも字が汚い人あるある。
雑に書かれた数字の七と九は一見すると見間違ってしまう。
消しゴムで綺麗に汚い数字だけを擦ると、今度は少しばかり丁寧に数字を書き直す。
「よし、これで完璧だ!」
「のび君偉いね、こんな朝早くから学校に来て宿題の見直しをしてるんだ」
すぐそばで聞こえた声の方向へ顔を向けると、そこにはアイドル顔負けの美人がこちらを見て微笑んでいた。
『本を読んで座っているドラえもん』
ドラえもんが家に居る時にやっていることで多いのが読書である。
のび太が帰ってきた時も本を読んでいることが非常に多い。
なぜわざわざ解説したのかというと、実は本の大半はのび太の物や自分で買うのだが、出木杉から借りることもあるのだ。
のび太を介さなくて、意外な繋がりがある二人の紹介でした。
『あとからアルバム』
てんとう虫コミックスのドラえもん第31巻、及び藤子・F・不二雄大全集ドラえもん12巻に収録「あとからアルバム」に登場。
見た目は普通のアルバムだが、被写体と写したい年・日付・時刻を書いてアルバムに挟み、3分経ってからアルバムを開くと、その時の様子が写真となって出てくる道具。
原作ではこれでしずかちゃんの入浴シーンの写真を大量生産するというなんともエッチな使い方をしている。
そのせいで大山のぶ代版ではアニメ化されているが、水田わさび版になったからは一度もアニメ化されていない。
思えばデジカメやスマホのおかげで写真を撮る機会は増えたが、印刷することはめったに無くなった。
フィルムの方がきちんと写真にしていたものである。
データも紛失の可能性はあり、案外使いたい時に写真が手に入らないなんてことも。
大事な思い出はデータだけではなくきちんと写真という形に残しておいた方が良いであろう。
『月見台小学校』
のび太たちが通う学校の名前なのだがこれもそれぞれ設定が違う。
日テレ版では「下町小学校」大山のぶ代版では「○×小学校」水田わさび版では「練馬区第三小学校」という名前で登場している。
しかし月面探査では月見台小学校であるし、スタンドバイミーでも月見台小学校。
これも諸説あるようなのだが、資料を集めることが困難なため、本作では月見台小学校で通します。
『出木杉君の名前』
ここの解説は非常にややこしいのだが、しないと本文の名前をどちらで読むのかわからないので少し詳しく解説しておく。
漢字表記は出木杉英才で間違いないのだが、なんと公式の読み方に二つの説が存在し「えいさい」「ひでとし」どちらかはっきりしない。
もっと言うと初期設定では出木杉という苗字でもなく、藤子・F・不二雄ミュージアムで原作における出木杉くん初登場回「ドラえもんとドラミちゃん」の原画が展示されているのだが、その時の表記は「明智」
実は初期設定では明智という苗字だったのだ。
ここからさらにややこしくなる。
始めて出木杉君が登場したのは「月刊コロコロコミック9月号1979/No.17」なのだが、ここでは名前の設定はなく苗字だけ出木杉と表記される。
と思いきやなんと初期の印刷版では明智と出木杉を混合して印刷してしまってるのだ。
この誤植を前期とするならちゃんと修正した後期版がその後すぐに市場に出され、この発売号のコロコロはなんと二種類も存在することになっている。
次に名前が出たのは、てんとう虫コミックスのドラえもん第22巻、及び藤子・F・不二雄大全集ドラえもん9巻に収録「税金鳥」
ひみつ道具税金鳥が出木杉から税金を集めるのだが、この時「出木杉太郎」より四万九千円より徴収と報告するのだ。
ここでポイントなのがこの話を掲載したのは「小学四年生」1979年10月号、そして太郎表記がされているのはてんコミ版の初版から第43刷まで確認出来た。
「透視シールで大ピンチ」では出木杉宛に届いた年賀状がアップで映るのだが、この段階で「出木杉英才」と漢字表記で書かれている(ただしルビはなく漢字だけわかる)
本来セリフの漢字にはルビが振られるのだが、この時はあくまで絵として表記されてるので漢字しかわからない。
「まんが版ドラえもん百科」にて出木杉君が自己紹介しているシーンがあるのだが、ここで初めてセリフにルビが振られ「できすぎえいさい」とわかり、これ以降の印刷されたてんコミでは税金鳥のエピソードも出木杉英才(できすぎえいさい)と訂正されることになる。
確認できる範囲だと第51刷からはこの名前が使われている……のだが、ここからさらに変化が起きる。
小学館ドラえもんルーム編集の「ド・ラ・カルト」に出木杉の名前に関する説が記載され、その内容は「単行本で名前の読み方は明かされていないが、出木杉の息子の名前がヒデヨなのだから、親である出木杉もえいさいではなく訓読みでひでとしとするのが正解ではないだろうか?」というものなのだ。
これにより上記の税金鳥はまたも修正が入り、確認できる範囲だと第68刷からひでとしと表記される。
なお現在公式ホームページでも「名前の読み方はひでとし・えいさいの2説あるが、ひでとしが有力」とされている。
なぜ公式で二つの説を上げているのか、それはド・ラ・カルト出版時にはすでに先生は鬼籍に入っており本当の名前を誰も確認出来ないのだ。
恐らく公式としても原作者不在で準レギュラーキャラの名前を決めるのは避け、二つの説を大事に扱っているのだろう。
どちらが正しいのかすでに誰にも答えは出せず、正直わからないので本作では好きな読み方で読んで欲しい。
キーパーソンである出木杉のことはあまり解説しすぎないようにしたかったのだが、名前問題は解決しないと読み手も困りそうなので、がっつり解説させて頂きました。
『ただのやかん』
ひみつ道具でもなくただのやかん。
やかん型のひみつ道具もあるのだが、本当に何の変哲もないただのやかん。
私はドラえもんが慌ててる時に良く出しているイメージがあるのだが、書籍・大山のぶ代版映画・水田わさび版映画をそれぞれ集計すると登場回数はそれぞれでベスト3にも入っていない。
とはいえ出ていないわけでもなく、上から数えて4位から6位くらいには入っている。
なぜこんなにもやかんのイメージが強いのかというと映画「南極カチコチ大冒険」はモンストとコラボしており、そのCMにお笑い芸人のRGさんが出演。
ドラえもんあるあるというネタで「慌てるとやかんとかポケットから出てくる」というネタを披露していて、そのイメージが刷り込まれた可能性が高い。
『タイムマシン』
説明の必要もなさそうだが、ドラえもんが乗っているアレである。
実は様々な種類がありドラえもんが使っているのは「空飛ぶじゅうたん型」ドラミちゃんが使っているのは「チューリップ型」タイムパトロールが使っているのは「潜水艦型」である。
なんと設定では2008年に作られており、未来の世界では一般家庭にも普及している。
ドラえもんの物はエンジンが掛かりにくい中古品、価格はなんとドラミちゃんのタイムマシンの十分の一。
原作はもちろん、アニメや劇場版でも出てくるひみつ道具常連で、性能もまちまち違う。
初期は三人乗りだが、途中から五人以上乗っても平気なようになるがこれは映画「ドラえもん ぼく、桃太郎のなんなのさ」でドラえもんが「マシンをグレードアップしてもらった」と語っている。
ドラえもん自身が改造することもあり映画「のび太とロボット王国」では空間を漂ってやって来た人物が元々どこに住んでいたかを探知し、その世界へ向かうことが出来る「時空間ナビ」を取り付けた。
改造は出来ても修理は出来ず、映画「のび太と恐竜」ではタイムマシンを修理しようとしたが工場に送らないと無理だと発言している(ちなみにドラえもんはひみつ道具のメンテナンスから修理まで割とこまめにやっており、そんな彼でも直せないほど難しい構造をしているのかも)
作中最も遠い過去と未来に行ったのは映画「翼の勇者たち」では地球さえ存在していない頃の大昔、小学館学習ムック「ドラえもんふしぎのサイエンス3」では50億年以上先の未来へ移動している。
実は誤解してる方の多いのだが、ドラえもんで最初に登場したひみつ道具ではない(テレビ番組ミリオネアにて原作第一話で登場したひみつ道具を当てるクイズがあり、その選択肢にも登場していた。ちなみに答えはタケコプター)
それどころかなんと初登場回が二つもあるという非常にややこしい道具なのだ。
一つはてんとう虫コミックスのドラえもん第1巻、及び藤子・F・不二雄大全集ドラえもん1巻に収録「ご先祖さまがんばれ」
もう一つはてんとう虫コミックスのドラえもん第3巻、及び藤子・F・不二雄大全集ドラえもん1巻に収録「白ゆりのような女の子」
なぜこんなことになっているかというと、当時ドラえもんは学年誌で同時連載しており、前者は「小学三年生」後者は「小学四年生」1970年6月号で同時に掲載されたからである。
実は藤子・F・不二雄先生が一番欲しいひみつ道具でもあり、欲しいひみつ道具ランキングなどをすると毎回上位に食い込むドラえもんと言えばこのひみつ道具という代名詞でもある。
ちなみに私がタイムマシンと聞いて頭に真っ先に思い浮かべるのはデロリアンであり、他にもドラム式洗濯機型・やかん型・三悪お馴染みガイコツ型など、創作において本当に多種多様なタイムマシンが存在する。
『グッスリ枕』
てんとう虫コミックスのドラえもん第22巻、及び藤子・F・不二雄大全集ドラえもん11巻に収録「出木杉グッスリ作戦」に登場。
眠りたい時間をダイヤルで合わせておくと、その時間の間は何があってもグッスリ眠れるひみつ道具。
これがあれば睡眠で困ることもなさそうで実に現実的に欲しい道具である。
近年は睡眠の研究が進み、私が子供の頃に言われていた常識も色々と変わって来た。
そうかと思えば睡眠がゲームになってみたりと、つくづく時代の変化というのは面白い物である。
ちなみに私は夜中小説を読み始めたり書き始めたりすると、中々止められなくなる悪癖があり、それ対策にも是非とも欲しい。
思えば徹夜も辛くなってきたな……昔はのび太君のように嫌々徹夜して勉強したものだ。