朝礼を終えてすぐに一時間目の授業に入る。
本当ならすぐにでも出木杉と名乗る女の子が何者なのか確かめたいと思う反面、こういう突拍子もないことを真面目に聞きたい時はいつも出木杉に声を掛けていた、そんな彼は今いない。
もしかしてあの女の子が本当に出木杉ならば、直接声を掛け確認すればいいのだろうが、あまりに自分の知る出木杉とかけ離れていて自分から話しかける勇気は湧かないのだ。
後ろから見た背中は髪がふんわりとカールしていて、おしとやかな女の子というイメージが先行する。
出木杉の面影もないわけではないのだろうが、全体的に美人過ぎるのだ。
そんな初対面な女の子相手にいきなり話しかけるのは、かなり男として勇気がいる。
(もしも本当に出木杉が女の子になってるだけだったら、見知ったクラスメイトだから話しかけてもおかしくはないんだろうけど……)
だとしても問題は多い、見たところ他のクラスメイトと同じで、自分が男から女に変わってしまった自覚がなさそうだ。
そんな相手に昨日まで男だった記憶はあるかなどと聞いてしまえば、それこそ失笑を買ってしまうだろう。
出木杉が女の子になったという事実だけでも受け入れ難いのに、そんな奇天烈な質問をしてしまえばそれこそクラスから爪弾きだ。
(やっぱりそれとなくしずかちゃんに聞いてみよう)
本人に聞くのは無理だが、次点で頼りになるのはやはり一番仲の良い女の子であるしずかだろう。
早く休み時間にならないかと時計ばかり気にして、授業の内容はちっとも耳に入ってこない。
一時間目は国語、教科書に載っている小説を先生が読み上げる。
しかし、それもろくに聞かずにのび太の視線は時計と出木杉の背中を行ったり来たりと、せわしなく動いていた。
「それじゃ出木杉、129ページの3行目から読んでみなさい」
先生に指定され、立ち上がった出木杉は淀みなく教科書を読み上げていく。
(出木杉だ……)
それはいつも聞いている声よりやや高くなっていたが、間違いなくあの声は出木杉の声だと思う。
女性の声ではあるのだが、話し方が出木杉のそれで、のび太はどこか安心してしまう。
出木杉の朗読が終わり先生がその部分を黒板に板書する間も、のび太の視線は教科書を読み上げる出木杉の背中から離れずにいた。
(多分何かが原因で出木杉が女の子になっちゃったんだ、本人は消えたわけでもないからそこは安心だけど、早くドラえもんに頼んで元に戻してもらわないと)
先ほどまで心に残っていた不安は、女の子が全然違う人物で、出木杉英才という一人の友達が消えてしまっている可能性だ。
だが、出木杉は姿こそ変われどここにたしかに存在する。
ほっと一息つくと、なんだか眠たくなってきた。
朝も寝坊して、全速力でここまで走って来たのだ。
そして集中して耳を傾けた出木杉の声は、落ち着いた心地良い声で話がスラスラと気持ちよく頭に入る。
それは先生が読むよりも、他のクラスメイトが読むよりも耳馴染みが良い。
(そう言えば前に一度出木杉に本の朗読を頼んだことがあったっけ?)
かつて読書感想文を書くために『人間ブックカバー』というひみつ道具を出木杉に使ってもらったことが有った。
これを被れば頭の中に記憶している本を朗読してくれる道具で、本の内容も素晴らしかったのだが、臨場感ある語りがのび太を活字の本へと興味を誘ったのだ。
(そう言えばあの日は初めて文字ばかりの本を夢中で読んだっけ、思わず夜更かししてまた遅刻しちゃったけど、楽しい時間だったな)
出木杉にお勧めされた『十五少年漂流記』は今でものび太の楽しい思い出として残っている。
頭の中で物語を再生し、空想の世界に没頭する。
体がユラユラと船を漕ぎ始めたら、脳内では大海原に浮かぶボートの上だ。
数々の苦難を乗り越え、ウォルストン一味のボートでチェアマン島から脱出、運よく遭遇した蒸気船の汽笛の音が耳元で響く。
「野~比~! 授業中に居眠りとはけしからん! 廊下に立っとれ!!!」
「は、はい!」
いつの間にか完全に居眠りをしていたらしく、耳元で先生の怒声が響き、のび太は飛び上がる。
そして周りからクスクスと笑い声が上がり、恥ずかしさで顔が真っ赤になる。
だがここで言い訳をしても恥の上塗りをするだけだし、何より先生の怒りに油を注ぐことになるのでおとなしく廊下に出ることにした。
「まったく、少しは出木杉を見習ったらどうだ」
いつもならこの言葉も嫌味にしか聞こえないのだが、話に上がった出木杉も少し困り顔だ。
教室を出ると廊下はシンとして人の気配がない。
まだ授業中なのだから当然なのだが、その静かさが逆にのび太の心を落ち着けた。
「そりゃ、いつも見習えって言われても大変だよね」
出木杉英才は模範的な優等生だ。
先生も手本とするように勧めるし、クラスメイトもその優秀さに舌を巻く。
だが、誰からも頼られる責任感というものは辛いのではないかともふと思う。
以前のび太の父親野比助がおばあちゃんに甘えていたのを見たことが有った。
その時のドラえもんの言葉が印象に残っている。
「大人って可哀想だねぇ。だって辛い事や悲しい事があっても、寄り掛かって甘えたり叱ってくれる人がいないんだもの」
もちろん出木杉は自分たちと同じ同級生、誰がどう見ても子供であるが、周りは彼を非常に大人びた子だと認識している。
クラスメイトも彼を一目置くが、同時に少し特別視している節があるのだ。
のび太はそれがなんとなく嫌だった、出木杉が自分たちと同じ子供だということをみんなが忘れているようで……。
でもドラえもんの言うように、大人にだって寄り掛かって甘えたいときもあるのだろう。
「出木杉って誰に甘えたりしてるんだろう?」
無論あまり交流はないが家族仲は良好そうだ、お父さんも優しそうだし、お母さんも美人だ。
実は自分の知らないところ、家庭内では年相応の子供らしい一面があるのかもしれない。
友達関係で考えてみたら、やはり一番話してて楽しそうなのかしずかであろうか。
よく一緒に勉強もしてるし、交換日記もしていた。
そう言えば美術館に一緒に行ったり、自宅の映画鑑賞に誘うのも相手はしずかだった。
「でも、あんまり甘えてるって感じはしないんだよな」
仲の良い関係ではあるだろうが、甘えているかと言えば少し違う気もする。
思えば出木杉が良い奴すぎて、しずかが好意を持ってしまうことを心配したことは数あれど、その逆というのはあまり考えたことがなかった。
誰もいない廊下、こっそり教室の中を覗き込んでみると出木杉の顔をちゃんと見ることが出来た。
すっかり女の子で、いや、正直かなりの美人だ。
クラスのマドンナは誰かと聞けばみんなが口をそろえてしずかと答えるであろうが、女の子になった出木杉がいればその評価は二分されるだろう。
「ちぇっ、元がかっこいい奴は女の子になってもかっこいいのか」
そう言えば『変身カチューシャ』という女の子になれるひみつ道具を使って、のび太自身が女の子になったこともあった。
あの時はジャイアンに惚れられてとんだ目に遭ったが、あの時の自分はそこまで可愛くなれたとは思わない。
正直、丸井マリや伊藤翼のようにテレビの向こうでアイドルだって出来そうだ。
そんなことを思いながら出木杉の顔を見つめていたら、向こうと目が合ってしまった。
さっきまでアイドル顔負けの可愛さだと認めた顔は、微笑みながらこちらにしかわからぬようわずかに手を振った。
のび太は驚いて、思わず顔を引っ込めてしまう。
「び、びっくりしたなぁもう。確かに面影はあるけど、女の子が似合いすぎだよ」
あんな美人になってしまったら、気軽に頼ることが出来なくなってしまう。
早いところ元に戻ってもらった方が精神衛生上よろしい。
一人廊下で表情をコロコロ変えていると、いつの間にか授業終了のチャイムが鳴った。
そして、のび太が教室に戻った時には出木杉の周りに男子が集まっていた。
(あっ、そりゃモテるよね)
クラスにアイドル並みの美人がいたらそうもなるだろう。
自分だって丸井マリや伊藤翼がクラスメイトなら、用が無くても近くにたむろする。
だが、ある意味好都合、向こうから話しかけられたらどうリアクションしていいかわからない。
とりあえず少し離れたところのしずかに声を掛け、出木杉のことを聞いてみることにした。
「しずかちゃん、ちょっといい?」
「なぁに? のび太さん」
「その……出木杉さんのことなんだけど……」
なんて切り出したらいい物かわからず、とりあえずさん付けをしてしまった。
今までは苗字だけで呼んでたし、対面した時は君付けで呼んでいた。
しかし、女の子になった出木杉と自分の関係性がよくわからないし、何より自分的には初対面の子をいきなり苗字とはいえそのままには呼べなかった。
「出木杉さんがどうかしたの?」
「えっと、なんていうか、昨日から変わった様子とかなかった?」
「う~ん、私は特に何も変わってないと思うけど……」
どうやら性別が変わったことを認識出来ていないらしい。
ここまでは予想通りだが、もう少し詳しく聞いてみる。
「ほら、昨日の体育でやったドッチボール覚えてる?」
「覚えてるわよ、のび太さんが零しちゃったボールを出木杉さんがキャッチして活躍したことでしょ」
「出木杉さんってさ、あんな風に男顔負けでスポーツも得意だったっけ?」
「何言ってるのよ、出木杉さんは勉強もスポーツもなんでも出来るじゃない」
やはりそうだ、出木杉は女の子になっても勉強もスポーツも優秀らしい。
「しずかちゃんより勉強も出来たっけ?」
「私も頑張ってるけど中々出木杉さんには勝てないわよ、うちのクラスの女子じゃずっと一番よ」
たしか男子の一番はずっと出木杉で、女子の一番はしずかだったはず。
「じゃあさ、男子で一番勉強が出来る奴って誰かな?」
「テストの成績なら、彼じゃないかしら」
しずかが顔を向けた先にいる少年は通称ガリベンくん、いつも出木杉に一歩及ばす、ずっと成績二位に甘んじていた子だ。
(そうか、男子の一位がいなくなったから、今は彼が一位に繰り上がったんだ)
少しだけ出木杉と周りを取り巻く環境を理解してきたのび太。
どうやら性別が変わったことを認識出来るのは自分一人で、他の人には元から出木杉は女の子であると認識されている。
そして元々の出木杉がおこなってきた実績はすべて受け継がれ、性別の認識だけが微妙に変化している。
(そう言えば、元々は女子に囲まれてる方が多かったよな)
クラスの出木杉はどちらかと言えば女子に囲まれてる方が多かったような気がする。
しかし、性別が反転した今では、群がる人たちの性別も入れ替わったらしい。
「やっぱり出木杉って男にモテるの?」
「変なのび太さん、そりゃ美人で頭は良いし、分け隔てなく優しい子だからすごくモテるわよ」
容姿端麗で文武両道な奴は男でも女でも変わらずモテるようだ。
そして、その人気は性別が変わっても変わらないらしい。
「出木杉さんってお料理も得意でしょ、今年のバレンタインデーなんかみんなに配ったチョコが美味しすぎて、ホワイトデーのお返しですごいことになってたじゃない」
たしかに出木杉の料理の腕前は素晴らしく、普通の料理からケーキ作りまでなんでもござれだ。
チョコなんて作ったら義理とはいえ手を抜くようなことはせず、きっと美味しい物を作るだろう。
「うん、しずかちゃんと仲もいいよね」
「そうかもね、一緒に勉強もするし、お菓子作りもするわ。私が一番女の子同士で仲が良いかもしれないわ」
「親友みたいな?」
「お互い口に出したことはないけど、私は親友で一番頼りになる同性だと思ってるわよ」
思えば出木杉としずかであれば他者からみてお似合いのカップルだと思うだろう。
のび太も仮にしずかを他の人間に任せるなら出木杉に託したいと勝手ながら思っている。
どうやら、カップルとしてお似合いではなく、親友としてお似合いな関係性になっているらしい。
(もしも出木杉が女の子だったら、しずかちゃんと親友になってたってことなのかな?)
たしかに二人とも頭は良いし、容姿も良い。
並べば男たちの憧れの的だろうと考えながら出木杉に目をやる。
男子に囲まれ、あれこれ話かけられているが、時折笑うその笑顔はしずかのそれとはまた違った魅力がある。
そして、のび太が見ていることに気付いたのか出木杉がこちらに顔を向けた。
一瞬目があったような気がしたが、すぐに彼女は男子たちとの会話に戻っていった。
『129ページの3行目』
なんてことない数字なのだが、ドラえもん好きにはピンとくるお馴染みの数字。
実はドラえもんの身長や体重、はてに馬力やネズミから逃げる速度まで1293という数字があて嵌められているのである。
すべて同じ数字なのは子供でも覚えやすいためであるというのも有名な話だが、それならばなぜ「1293」なのだろう?
調べたところドラえもん掲載当時の小学四年生女子の平均身長だったそうな、当時の子供たちと同じ目線になるように考えられたのだろうか?
子守用ロボットであるドラえもんには設定としてぴったりだし、なんとも優しさが詰め込まれた数字である。
さらに調べたところ、日本の郵便ポストの投函口の高さが大体129cmなのだとか。
つまり郵便ポストにハガキを投函する動きは、ドラえもんの頭を撫でるくらいの高さなのである。
流石にこれは意識されたものと言うより偶然のような気もするが、ドラえもんをより身近に感じてしまう。
ちなみに、F先生の出身地富山県には「ドラえもんポスト」なる物まで存在する。
実際にハガキは投函出来るし、可愛らしいドラえもんのオリジナル消印を押してもらえる。
地元の伝統産業「高岡銅器」で作られた郷土の伝統と地元のスターが融合した、清く正しい町おこしの象徴であろう。
『人間ブックカバー』
てんとう虫コミックスのドラえもん第27巻、及び藤子・F・不二雄大全集ドラえもん13巻に収録「人間ブックカバー」に登場。
ブックカバー型の道具で、頭に乗せるとその人が読んだ本を口頭で再現してくれる道具。
途中で栞を口に挟めば中断出来るのだがいきなり口に突っ込まれるし、トイレに行きたくても自分では行けないという。
これは使われる側はたまったものではないだろう。
読み聞かせをさせる道具になるのだが、今の時代で言うと棒読みちゃんみたいなものだろうか?
もちろん自分の好きなペースで楽しむ読書も好きなのだが、誰かが音として表現した物語も味わい深く乙な物である。
好きな本を誰かに読んでもらえる権利をもしもらえるなら、私は小原乃梨子さんのお声でお聞きしたいと思ってしまう。
『十五少年漂流記』
1888年にフランスの小説家ジュール・ヴェルヌが発表した冒険小説。
本文で名前が出たウォルストンとは作品におけるヴィランで、チェアマン島とは主人公たちが漂流した島の名前(子供たちの通う学校がチェアマン寄宿学校でありそこから命名された)
百年以上前の小説だが今なお子供たちに愛される冒険小説の金字塔。
あちこちから本も出されており、実はタイトルも少しずつ違う。
最初に翻訳されたときは「十五少年」というタイトルだったがのちに「十五少年漂流記」となり、こちらが広く知られる名前になった。
出木杉君がおすすめした本は他にもあり「アンクルトムの小屋」「星の王子さま」「銀河鉄道の夜」など、大変な読書家なことが分かる(余談だがしずかちゃんが貸してくれた本は「赤毛のアン」のび太は一ページも読むことが出来なかった)
『野比助がおばあちゃんに甘える話』
原作名は「パパもあまえんぼ」てんとう虫コミックスのドラえもん第16巻、および藤子・F・不二雄大全集ドラえもん5巻に収録しているエピソード。
のび太パパに焦点を当てた話で、大人だって誰かに甘えたいという大人になってからの方が心に染みてしまう話。
本文の台詞は作中の名台詞である。
初出は1977年9月号の「小学六年生」この当時ドラえもんは小学一年生から六年生で連載されており、少しだけ大人向けの内容になっている。
大山のぶ代版は1986年、水田わさび版2014年にアニメ化もされていてる(のび太のおばあちゃんと言えば裸眼のイメージが強いのだが、この話では眼鏡をしている)
実はこの話続き物であり、ドラえもん屈指の名エピソードで映画化もされた「おばあちゃんのおもいで」の後日談なのだ(おばあちゃんが未来から来たのび太に対して「前に会った未来ののびちゃん」と認識している)
これらの間にパパとのび太のお爺ちゃんにスポットを当てた「夢まくらのおじいさん」も中々に良い話。
『出木杉君の家族構成』
お父さんは原作で一コマだけ登場、お母さんは声だけの登場、そしてコンクールで優勝するほどの飼い犬、台詞でだけ確認できる戦死したお爺ちゃん。
何気に犬の出番が一番多い、一応アニメではお父さんの動くシーンが少しばかり追加されている。
これだけではお母さんが美人かどうかわかりもしないが、なんとSFC「ドラえもん3 のび太と時の宝玉」では出木杉のお母さんが登場しているのだ!(台詞は一言だけなのだがなんと顔グラありで、見た感じ美人である)
現状出木杉ママの顔がわかるのはこのゲームだけ、しかもこのゲームも相当に原作のサブキャラが多くファンを楽しませてくれる(ゲームの内容も良作でSFCの中では一番遊びやすいであろう)
『交換日記・美術館・映画鑑賞』
すべて原作エピソードなのだが、多いので一気に紹介。
「交換日記」はてんとう虫コミックス23巻及び、藤子・F・不二雄大全集8巻に収録「透視シールで大ピンチ」に登場。
なんと大山のぶ代版で二回、水田わさび版で二回アニメ化されている。
「美術館」はてんとう虫コミックス42巻及び、藤子・F・不二雄大全集17巻に収録「あなただけの物ガス」に登場。
フランスの印象派名画展にしずかを誘って行っている(この時のび太も出木杉に誘われたのだが「行きません」と一言で断っている)
絵を見るのも好きなようだが、書くのもかなり上手く人物画から風景画まで何でもござれだ。
「映画鑑賞」はてんとう虫コミックス36巻及び、藤子・F・不二雄大全集14巻に収録「貸し切りチップ」に登場。
この回が出木杉パパ唯一の登場回、ビデオを買ったので自宅で見ようとしていたのは「スペースウォーズ」もろにスターウォーズのパロディである。
この辺りは本当に一気に原作の小ネタを詰め込んでしまった。
おかげであとがきを書く時の確認作業が大変である(本編を書く時は自分の記憶を頼りにしながら要所ごとに調べ直している。だが、さすがにいつ頃アニメ化されたとか、どこで掲載されていたかまではサッとしか確認しておらず、正確に調べ直す作業が本当にひと手間。このようにたくさん書きこんでいるのはドラえもん大百科や考察本が楽しすぎたため、それ自体のパロディでもあるから)
『変身カチューシャ』
原作では登場しておらず、水田わさび版オリジナルひみつ道具。
頭に付けると女の子に変身し、周りからも元から女の子だったと認識される。
あくまで外見や立場を変えるだけなので中身は元のまま、のび太はこれを使って女の子たちに交じって遊んだり、最終的にはジャイアンに告白されてしまう。
原作でも度々異性になったり、類似する道具も多い。
実はこれが放送されたのは2011年11月であり、TSF界隈(性転換に萌えを見出す人たち)は盛り上がったものである。
それまでも「もしものび太が女の子だったら」という二次創作はあったが、ついに公式でこんな話を出すのかと驚いた。
「もしも出木杉が女の子だったら」という二次創作はより書かれてる人が少ない(イラストでは数点あるが、小説作品を私は知らない)
あまりにもニッチ、あまりにも需要が不明だが、私はマイナーであまり書かれていない話が好き。
カッコよく言えばブルーオーシャン戦略で二次創作を書く物書きなのである。
『丸井マリ』
てんとう虫コミックスのドラえもん第8巻、及び藤子・F・不二雄大全集ドラえもん4巻に収録「ぼく、マリちゃんだよ」に登場。
ドラえもんが大ファンの女性アイドル、母親がマネージャーをやっている
大山のぶ代版水田わさび版それぞれで一回ずつアニメ化されているが、前者はアニオリデザイン、後者は原作準拠。
わさび版ではドラえもんのドルオタっぷりに磨きが掛かっており、トッカエ・バーで本人と入れ替わったあとインタビューを受け、スラスラと本人の代わりに答えている。
『伊藤翼』
初出はてんとう虫コミックスのドラえもん第29巻、及び藤子・F・不二雄大全集ドラえもん19巻に収録「翼ちゃんがうちへきた」なのだが、その後もたびたび出ており、ドラえもん世界におけるアイドルの代名詞。
ファンクラブも当然あるのだが、なんと会長はスネ夫である。
当時人気のアイドルが元ネタだが、実は名前が作中安定しておらず「伊東翼」「伊藤つばさ」「伊藤翼」とそれぞれ違う。
そして担当声優さんは今までに六人も変わっており、どの声でイメージするかで世代が分かれてくる。
こうやって書くと丸井マリと違い出番が多く感じるが、なんと映画「南極カチコチ大冒険」でもドラえもんが寝ている押し入れに張られている写真で登場している。
『ガリベンくん』
てんとう虫コミックスのドラえもん第30巻、及び藤子・F・不二雄大全集ドラえもん11巻に収録「真夜中の電話魔」に登場。
出木杉がいるせいでテストの成績が万年二位から抜け出せないクラスメイト。
出番はこれだけなのだが、名前やエピソードの印象が強いせいか「ドラえもん3 のび太と時の宝玉」「映画ドラえもん のび太の月面探査記」にも出ている。
『出木杉の料理の腕前』
料理上手な一面もあり作中では二回ほど料理をエピソードが存在する。
てんとう虫コミックスのドラえもん第40巻、及び藤子・F・不二雄大全集ドラえもん16巻に収録「しずちゃんをとりもどせ」
てんとう虫コミックスのドラえもん第42巻、及び藤子・F・不二雄大全集ドラえもん16巻に収録「ふたりっきりでなにしてる?」
前者ではスープ状の料理を、後者はのび太の誕生日ため手作りケーキを作ってくれていた。