ブルーアーカイブRTA 称号「崇高」獲得まで   作:ノートン68

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あらすじ的なもの

クリフォト「うおおお!すごい力が漲ってくる!!走者これは一体?」
走者「知らん…何それ…こわ……。」
ホモ「私が作りました。」

あと3、4話でVol.2は終わりです。



正しき事

 

紫電を放ち現界した人工悪魔、クリフォト。

宇宙(ソラ)色をしたソレは異質な存在感を同時に醸し出していた。

四本脚で地を踏み電撃警棒等の機械腕を四本携えるソレは、悪魔というよりも蜘蛛アラクネを連想させる。

それを目撃したネルの目と口角が好戦的に吊り上がり、先生は冷や汗を流し、ケイとトキは驚愕で言葉が出ない。

 

「報告にない戦力、強さ未知数、脅威度は最大……!!」

「ハハッ、俄然面白くなってきやがった!!」

 

既に二人はやる気のようだ。

頭の処理が完璧に終わらないまま、ケイは疑問が浮かぶ。

ワープ能力に物質変換機構も全て『アトラ・ハシースの箱舟』の機能だ。

特に後者は『鍵』本人の申請が必要だというのに、この男はその性能を際限無く使いこなしている。

 

「なぜその力を!?私は許可していないのに……」

「君からデータを抽出した際、少々細工を仕込ませてもらった。技術力も私にとっては既知の代物、最高権限者はAL-1Sだから扱うのにも時間はかからなかった。」

 

限度と言うものがある。

ワープも物質変換機構も全て現キヴォトスでは実現不可能な技術。

それを彼は一日も掛けずに解析し運用した。

1から高スペックのパソコンを組み立てるようなもので、はっきり言って異常だ。

 

「綱渡りだったのは間違いない。危うく机上の空論となるところだった。」

「だとしても、私の許可なしにこんな……」

「私は『鍵』の代行者だ。()の心の奥底からの願いを申請しただけでしかない。」

「ッ!?」

「そうだ、それ(使命)を完全に切り捨てなければコイツ(クリフォト)は止まらない。」

 

目下最大の障害であるクリフォトを簡単に無力化する方法。

それはケイが完全に使命を放棄する事だった。

口で言うは易し行うは難しとはこの事だ。

人間はそう簡単に野望を綺麗さっぱり切り捨てられない。

AL-1Sやホモによる精神攻撃でも『鍵』の意思はまだ残っていた。

やはり未練は残るのだ。

 

「因みにこの状況はカイザー上層部に配信中だ。私が逃しても追手は止まない。」

・「卑怯な……。」

 

忘れたい記憶を完全に思い出した。

そして理解した、この状況は自分の存在が招いたものだと。

とてつもない罪悪感がケイを襲う。

そして続くホモのセリフは遠回しに脅しをかけていた。

 

「お前が『鍵』である以上、身近な人物諸共に狙われ続けることになる。」

 

情の芽生え始めたばかりのケイにこの脅しは深く刺さる。

あまりの物言いに先生は我慢をやめ会話を止めに入るが、ホモは意にも介さない。

 

「君に言われるとはな、生徒2人に一体何人がかりだ?」

・「あれが生徒たちの大意だ。それに生徒一人の犠牲の上の平和なんて間違っている!!圧倒的に情報量が少ないのにそんな手段に賛成できる訳無いでしょ?」

「一部始終は見ていたが、それで取った手段がアレか?」

 

ホモは本心をぶちまけるようにスラスラと話し始める。

その声色からは若干の呆れが見えた。

 

「得体のしれないAIを無断入学させた後は碌に素性も調べず、大人のすべき責務を生徒一人に押し付けて、対策案に納得行かないと生徒二人相手に多数でリンチして糾弾。これが大人のやる事か?」

・「………。」

 

確かに先生の判断は人命を尊ぶ善きものだったのだろう。

しかしそれが100点かと言われれば、ホモは断然否と答える。

 

「善きことだけが正しい行いとは限らない。」

・「それでも、ケイを殺すなんて安易な答えは逃げてる事と一緒だ!!」

「現実を見ろ、綺麗事を抜かすな。生徒の味方を公言するなら、リオにも寄り添ってやるべきだった。」

 

万が一にも『鍵』が覚醒すればどうなるか。

鎮圧は可能かもしれないが、全てを元通りにはできない。

誰かの味方をするということは、誰かの敵になるということ。

先生はキヴォトス全域の危機よりも生徒一人の命を取った。

無論これは悪いことではない。

 

悪いのは友愛や信頼を思考放棄の免罪符にした事。

それによって本来真っ先に動くべき大人(先生)生徒(リオ)に責任を押し付ける形になった事。

自分がリオの背中を押す前に行動しておくべきだったのだとホモは考えている。

 

「はぁ、偉そうに講釈をたれたが大事なのは結果だ。教えてくれ先生、リオの計画を止めた後どうするつもりだったのか。答えによっては(クリフォト)を収めよう。」

・「それは……。」

 

答えられない、答えれる筈がない。

先生にも案自体はある。

 

ケイをシャーレで()()()()()()()()()を行う。

これは文字通り先生から離れられないということ。

 

この方法ならば何かあってもすぐに先生が対応できるし、被害も最小限に済むはずだ。

しかしそれは人権もクソもない、殺人よりはまし程度のレベルの案。

到底、先生が許容できる訳がなかった。

 

そして先生の表情で悟ったのか、溜息がこぼれるホモ。

登場時のテンションとは打って変わり、その声は冷めきっている。

 

「話は終わりだ、正直ここまでの考え無しとは思いもしなかった……。AL-1S!!」

「了解。」

「ぐあっ!?」

・「ケイッ!!」

 

AL-1Sはケイを掴み高速で場を離れていく。

追いかけたいが、クリフォトを無視はできない。

ホモの傍らにワープ穴が開く。

 

「もし本当に自分の正しさを信じるならば、この程度の障害押しのけてみせろ!!」

Urrrrrrrrrr!!」

 

ホモがワープ穴へ入ると同時に、悪魔は先生たちへと牙を剥く。

死闘が始まる。

 

「来るぞ!!」

 

大人のカードが光を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからは、先生達は死闘を繰り広げた。

 

クリフォトはオーナーがワープ穴に消えた瞬間に戦闘を始めた。

トキとネルがヘイトを稼ぐ間に生徒を召喚した先生。

 

 

先生の知る中でも高いタンク性能を持つ春日ツバキ。

 

ミドルレンジで攻撃力が高いスナイパー銀鏡イオリ。

 

火力の高い制圧射撃に特殊なペイント弾で装甲を削る小塗マキ。

 

爆弾による誘導・撹乱、特殊な徹甲弾で装甲を削る室笠アカネ。

 

音源傍受、電波攻撃によるサポートが光る音瀬コタマ。

 

ヒーラーとして先生が最大の信頼を寄せる鷲見セリナ

 

 

忖度もクソもないガチ構成。

生徒相手であれば非難されることは間違いない。

 

作戦はシンプル。

ツバキで相手の攻撃を捌き、ダメージを負った瞬時にセリナが回復。

その間にコタマが弱点をサーチ&電波攻撃で妨害。

マキとアカネで弱点部位の装甲を剥がし続ける。

こっちのメイン火力はイオリ、トキ、ネルだ。

 

通常の敵であればお釣りが来るレベルの編成。

それでも戦況は均衡を保っていた。

 

「クソッ、滅茶苦茶硬ぇ!!」

「外見より分析……ダメージなし。」

・「焦らないで、一瞬でも気を抜いたらそこで終わる!!」

 

均衡と言ってもネル達の圧倒的火力と先生の指揮でギリギリ互角を演じているだけに過ぎない。

先生の指揮能力を上回る瞬間に、この力関係は瓦解する。

劣勢寄りの互角だ。

 

クリフォトのレーザー攻撃は範囲と火力が高く、ツバキでもそう何発も受け続ける事は出来ない。

直撃すれば生徒でも一日で回復しないだろう。

レーザーの有効射程外の近距離にネルが潜り込んでも、電撃警棒で追い払われて満足に攻撃は通らない。

そして何よりダメージを与えている感覚が全くない。

まるでHPが∞のチートボスと戦っているかのような……。

撃てども撃てども全く効いてる気がしない。

 

・「ネル!!」

「────ッぶね!?」

『射線特定、ですが………。』

 

先生を追い詰めているのはクリフォトの力だけではない。

 

オーナーによるいつ、どこから来るか分からない隙を作ることに特化した狙撃。

それは生徒達と先生両者に的確なタイミングで放たれていた。

アロナが随時射撃ポイントを割り出してくれているが、ワープするため当てにはならない。

『シッテムの箱』に守られているとはいえ、弾が着弾すれば嫌でも気は逸れる。

そして浮いた生徒に向けて放たれる弾丸は何度も先生達を窮地へと誘った。

 

他にも常に動き続けないと別の場所へ飛ばされるワープ穴に、狙い澄ますかのように嫌なタイミングで入る閃光弾等の小道具etc……。

 

直接的な脅威ではないが、先生の処理能力の大半を奪っているのは紛れもなくホモであった。

 

・「(けど回数制限があるのか、あのワープ穴を使ってくる気配はない。)」

 

現状厄介なのはクリフォト、ワープ穴、狙撃。

しかしワープ穴は使ってくる素振りが見えない。

ならば多少賭けをしてでも短期決戦に切り替えた方が良いだろう。

 

大人のカードに手の力が加わる。

その効能は破格だが、先生の払う犠牲も無視できない。

それでも先生に躊躇はない。

自分が先生である以上、生徒を守るのが義務だ。

 

大人のカードが強く光り始める。

それを防ぐかのように、先生の周りに激しい衝突音が鳴り響いた。

 

「判明、意識外の攻撃もガードは可能。」

 

ケイを担ぎ先生に銃を突きつけたAL-1Sが存在した。

アロナのバリアが間に合っていなければ今頃自分はひき肉だっただろう。

 

「落胆、やる気が感じられませんでした。」

「う……ぐっ……。」

「さて。」

 

制服全体がボロボロになったケイが地面に放り出される。

同時にAL-1Sがこちらに目を向ける。

そこから感情を量ることは出来ない。

一体何をするのかと身構えていると、その行動は先生の予想を逸したものだった。

 

「オーナーの目的は『鍵』の破壊です。揺れ動いている彼女を問答無用で破壊する事を望まれていません。」

・「ッ!!」

「しかしその猶予もあと僅か。この戦闘が終了しても変わらなければ破壊は実行されるでしょう。」

 

地に伏すケイに目線が変わる。

未だダメージが回復しないケイは、蹲りながらも話を聞くことしか出来ない。

 

「質問、私は既に王女ではありません。ならば貴方は一体何者ですか?」

「私は……。」

「……答えは未だ出ませんか、それでは私はこの辺りで。」

 

それだけ言うとAL-1Sは死闘を繰り広げるあの場所へと向き直る。

そんな直ぐにも走り出しそうな彼女に先生は待ったをかけた。

彼女の事、オーナーの事、他の皆の事、聞きたいことは沢山ある。

その中でも先生は一番の疑問だけをAL-1Sに問うた。

 

・「何故彼に協力してるの?」

 

彼女のような生徒が、ゲマトリアに所属する彼に協力的なのが不思議だった為に出た疑問であった。

 

一瞬だけこちらに振り向くAL-1S。

その目には珍しく感情が宿っていた。

───それは怒り。

 

「回答。オーナーが悲しむ、理由はそれだけです。」

 

──────────────────────

 

未だどの陣営にも決定打が決まらないクリフォト戦。

 

ある程度ヘイトを集めつつ、火力を出しているネルとトキだがまだスタミナは十分にあった。

この世界線では両者ともにAL-1S(強者)との経験を得て十分に仕上がっている。

また2人だけでなく、先生が召喚した生徒達の存在もある。

故にこのまま長期戦闘へと突入するかに思われた。

 

その事態は大きく変動する事となる。

 

クリフォトが腕ふたつを前に突き出し、掌に光が充填される。

どう考えてもエネルギーをチャージしてるようにしか思えない。

その変化を2人は感じ取っていた。

 

「……なんか不味くねぇか、アレ。」

「エネルギーがどんどん上昇中。アレが放たれた際の被害予想は……都市1つが半壊。」

「何だそりゃ──っと!!」

 

その間でも空いた2つの腕で此方に攻撃を仕掛けてくるクリフォト。

出来るだけ離れた状態で火力を出す。

レーザーが来る前に射線上から逃げれば良い。

そんなネル達の思惑は覆されることになる。

 

・「ネル、後ろ!!」

「うぉッ!?」

「対象の拘束に成功。」

 

クリフォトという()()()()()()()()に、完全に油断していたネルを背後から羽交い締めしたAL-1S。

その怪力からネルがじたばたしても到底外れる事は無い。

 

「テメェッ、離せ!!」

「させません!!」

 

ここに来てまさかの道連れ戦法。

攻めの要の半分を担ったネルが脱落すればこちらの敗北は必須。

急いでネルへ向かうトキ。

 

────それを待っていた。

 

「なっ!?」

 

急発進したトキを待ち構えていたかのように眼前にワープ穴が急展開された。

当然ブレーキが間に合うはずもなくトキはワープ穴へと飛び込んで行った。

恐らく遠い場所へワープしたのだろう。

 

「うぉぉぉぉ!離せッ!!」

「拒否、仲良くレーザーに焼かれましょう。」

「巫ッッッッ山戯んな!!」

 

掌へ集められた光が収縮した。

その射線にはネル以外にツバキ達もいる。

先生は幸い射線上にはいない。

タンク(ツバキ)が射線上に入ると同時に光の奔流がネル達へと放たれた。

 

 

ドゴォォォォォォォンッ!!!!!

 

 

盛大な衝撃音と光が辺りに撒き散らされる。

その威力は絶大。

強化された極太レーザーはツバキのガードを容易く貫通し前方のビル群を纏めて破壊し尽くした。

 

先生はサポート以外の召喚した生徒達が全滅した事を把握する。

彼女たちは分身と言うこともあり、直接の本人達には全く影響はない。

しかし身動きの取れなかったネルとAL-1Sは違う。

最悪の状況が頭を過るが、それは杞憂だった。

レーザーの射線外に2人の人影を見たからだ。

 

・「ネルッ!!」

「あっぶねぇ………。」

「拘束失敗、顔面に放銃とは容赦がありませんね。」

「テメェが言うな!!」

 

レーザーの直撃寸前にサブマシンガンをAL-1Sの顔面に叩き込んだのだ。

如何に頑丈なAL-1Sでも痛いものは痛い。

一瞬拘束が緩んだ隙に、ネルはレーザーの射線外へ抜け出すことに成功した。

AL-1Sも元々直前で避ける予定だったのか無傷だ。

 

「合流完了、無事だったのですね。」

「危うくこんがり焼かれるところだったぜ。」

 

飛ばされたトキが帰ってきた。

しかし問題は解決していない。

先生の召喚した生徒は消え、AL-1Sと言う強敵が追加された今、状況は一気に先生達が不利となった。

 

死闘が再開される。

……が、おかしい。ケイが動かない。

 

「おいチビ、どうして動かねぇんだ!?」

「私には、もう無理です。」

 

AL-1Sとの戦闘の際、分かってしまったのだ。

何度かわざと隙を見せたAL-1Sに対して光の剣を発射する事が出来なかった。

つまり否定されても尚、自分は王女を否定しきることが出来ない事に気づいてしまった。

 

自分は何者なのか。

AL-1Sはそう問うてきたが、答えはない。

いっその事、あの場で王女に破壊された方がマシだとさえ感じていた。

 

 

ネルが叫ぶ。

AL-1Sの弾丸が肩を掠めた。

 

 

「お前、なんの為に体まで用意してこっちに来たんだ?やりたい事があったんじゃねぇのか!!」

「ですが私にはもう……。」

 

クリフォトの振り下ろす電撃警棒に吹き飛ばされる。

 

既に王女は役目を放棄していた。

自分が今まで持っていた野望は無に帰したのだと思っていた。

しかしオーナーの言が正しければ奥底ではまだ諦めていない。

 

「なりてぇモンちゃんと見やがれ!!」

「ッ!!」

「沢山ロボ引き連れようが、()()()()が止めてやる!!お前にはまだ残ってるモンがあるだろ!!」

「私が……今更戻れる訳ないじゃないですか……。」

 

なりたいもの。

思い浮かぶのはゲーム開発部の面々だ。

だがこんなにも迷惑をかけた自分が、いつまた皆を危機に晒すか分からない自分が一緒にいていい訳が無い。

 

『ケイちゃん!!』

「この声は……。」

 

いつの間にか近くに来たヴェリタスのドローンから声が聞こえた。

 

『あっははは!バイクって楽しーい!!』

『アカネ先輩、もっとスピード出せる?』

『了解、何分慣れないもので……。』

 

通信越しに聞こえるのはC&Cの面々とモモイの声だった。

 





1週間以内に投稿できるかもと言っておきながらこの体たらく、申し訳ありません。

単純にまだリアルの忙しさが残っていたのと、今回のお話の構成に四苦八苦した点があります。
先生と敵対する以上仕方ない事なのですが、とうとう先生の行動を非難するアンチ・ヘイトの面が出てきました。

どうやって先生の格を落とさずして、ホモ君の方針を押し通すか。
最終的には先生とホモ君の関係をアニポケのサ〇シとシ〇ジの様に持っていきたい。
そんな流れと結末(プロット)だけが決まっている中、良い案が浮かばないまま1週間が過ぎていきました。


そして出た結論が、段階を踏んで先生も成長させようという物。


カルバノグの兎とかでも割とツッコミどころあるし、生徒に対しての姿勢が変わった先生のエデン条約編と最終章が書けるし一石二鳥じゃないか!!

なので今後の展開の参考の為にも「私が先生ならこうする!!」等あれば是非感想をくださいね。

以上、今回もありがとうございました。

余談ですがこの世界線のC&Cはバニー服の代わりにライダースーツが存在します。
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