ブルーアーカイブRTA 称号「崇高」獲得まで   作:ノートン68

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お待たせ致しました。

全ての石を注ぎ込んでメイドアリス爆死した敗北作者です。
最早今年の水着ガチャすら天井分溜まるか怪しいです()
課金しなければ……(鋼の意思)

『鏡』争奪戦からです。



『鏡』奪還作戦

セミナーの保有する室内に硝煙と埃が舞い落ちる中、3人の少女がそこに存在した。

 

「くっ!?さすがに多勢に無勢でしたか……」

 

策など知らぬと言わんばかりに1人で正面から突撃を敢行したケイ。

邪魔な扉を打ち破り可能な限り暴れ回ったが、

アカネの躊躇ない爆撃に、ユウカの正確な集中砲火を受け膝をついていた。

気絶は免れたが、再び動けるまで回復するには時間を要する。

 

「降参です、煮るなり焼くなりお好きにどうぞ。」

 

まんまと敗北した訳だが、最低限の仕事は果たした。

後は合図が出るまで待機するのみ。

 

「エレベーターの『指紋認証システム』を突破するのに、無理やり扉を打ち破るなんて……」

「とっても可愛いですねー、連れて帰っても良いですか?」

「それはだめ。一旦生徒会の反省部屋にでも閉じ込めておかないと。」

 

銃が重たすぎるため、意識ありの状態で銃ごと拘束されたのは幸運だった。

 

名付けて『トロイの木馬作戦』開始。

 

──────────────────────

 

その後、ゲーム開発部は第2段階、第3段階と順調に歩を進めて行く。

 

ヴェリタスのハッキングとマキ達の囮でアカネの隔離を行ったり、エンジニア部がカリンの動きを抑えたり。

全員の助けがあり、何とか差押品保管所のある最上階に到達したモモイ達。

 

だがスムーズに事が運んだのもここまで。

ノーマークだったC&Cエージェントのアスナと鉢合わせ、抑えていた他エージェント達も動き始めた。

 

カリンの狙撃が再開し撤退を試みたが、ユウカを含めた4者全員に捕捉されてしまった。

こうなる事も視野に入れて、あえてケイがフリーに動けるように陽動役も兼ねて警備ロボにも立ち向かったのだが……

 

「無条件の1週間停学か、拘禁くらいは覚悟してもらうわ!!」

「そんな……1週間だとミレニアムプライスが終わっちゃう!!」

「ケイちゃんも反省部屋に居るから、あなた達が来ればきっと喜ぶでしょう。」

 

捕まっても謹慎程度で罰が収まると思っていたが、その計算は狂ってしまった。

ここで捕まってしまえば賞は取れなくなってしまう。

 

例え『鏡』を確保してもケイとユズだけではゲームは完成しない。

突破も逃走もできる可能性はほぼ0%。

それでも立ち向かうしかないのだ。

 

「諦めたくないッ!!けど、どうしたら……」

 

周りはユウカとC&Cに囲まれ、警備ロボも大勢いる。

先生もどうにかこの状況を打破する作戦を考えるも、全てどこかで詰んでしまう。

 

まさに万策尽きたと言えるだろう。

このまま奮闘虚しく、モモイ達は捕まる運命にある。

 

しかし、それも────

 

 

 

 

 

この場に居る戦力がモモイとミドリだけであればの話。

 

光の剣が鼓動する。

 

「充電100%、ターゲットを確認──」 グォォォン……

 

「この音は……」

「お姉ちゃん、伏せてッ!!」

「……ん?」

 

急に隅へと体を伏せ始めたモモイ達に疑問符を浮かべていると、背後の壁から少女の声がした。

 

 

「光よッ!!!!」

 

 

その刹那、とてつもない轟音と衝撃が辺り一面に広がる。

放たれた紫電の弾丸は、警備ロボを根こそぎ破壊し尽くして行く。

 

そう、ちょうど真ん中に居たアスナを巻き込む形で。

端にいたアカネとユウカは避ける事に成功していた。

 

「くっ!!?アスナ先輩!!」

「あははっ、思いっきり当たっちゃった!!

何これめっちゃ痛い、頭のてっぺんからつま先まで1ミリも動かない!!」

「……思ったよりも大丈夫そうですね。」

「くうっ、この火力は……」

 

超高火力の電磁砲にあっけに取られてユウカは背後に忍び寄る人影に気づかなかった。

 

ゴンッと、割と重い音と共にユウカの体は崩れ落ちるように地面へと落下した。

 

「ユウカ!?」

「安心してください、峰打ちです。」

「ケイちゃん!!!!」

 

銃で峰打ちとは?

アカネがユウカへ振り返ると、銃を携えたケイがそこに居た。

 

「そんな、カリンが周囲の警戒を行っていたはず……まさか!?」

 

アカネ達は知る由もないが、少し前にエンジニア部が再びカリンを抑えることに成功していた。

戦闘不能ではないが、また暫くは火力支援は望めないだろう。

銃口をアカネに狙いすましているケイにモモイ達が近づく。

 

「ケイちゃん、どうしてここに!?」

「元々、貴方達を囮に差押品保管所に向かうつもりはありませんでした。」

 

実のところ、モモイ達抜きでもゲームは完成する。

賞を取ることも、ケイの能力があればそれは可能だ。

たがケイはその選択を取らなかった。

 

「これも完璧に勝つため。ええそうです、

決してあなた達の事が心配になった訳では有りません。」

「ケイちゃん……!!」

 

勝つなら全員で、圧倒的に。

それがケイの導き出した答えだ。

 

形勢逆転したゲーム開発部は止まらない。

 

「ここまで来たんだ、行くよゲーム開発部!!」

「そうはさせません……!!」

 

いかにC&Cのエージェントでもケイを加えた3人相手に敵うはずもなく、

徹底的に逃げに徹したゲーム開発部は、アカネを振り切る事に成功したのだった。

 

──────────────────────

 

「はぁ……はぁ……、逃げ切れた!?」

「上手く巻けた、大丈夫だよ。」

 

逃げ切った一行は差押品保管所へと辿り着いた。

しかしそこは保管所と言うには荒れすぎていた。

窓ガラスは割れ、棚も倒れている。

『光の剣』の余波なのだろうか?

 

「とりあえず『鏡』さえ持ち出せば、後はヴェリタスが何とかしてくれるはず。」

「よし、じゃあ急いで探s───「静かに。」えっ?」

 

『鏡』が見つかり一段落と戻ろうとするモモイを制止するケイ。

その体は通常の人間と違い、身体能力だけでなく五感まで強化されている。

そんなケイの優れた耳は、こちらへ向かってくる足音を捉えていた。

 

「人数は恐らく1人、ですが………」

「モタモタしてユウカ達に追いつかれるのも不味いし、1人だけなら倒しちゃおう。」

「待って、ハレ先輩から連絡が来てる。」

 

そこにはいかにも慌てたような様子でこう書かれている。

 

『逃げて、いや隠れて!!早くッ!!何としてもそこ$!#^&!@#

 

いつも冷静な彼女らしくない滅茶苦茶な文書。

何かがおかしい……。

 

「えぇ、どういう事?」

「……接近対象を確認、あれはまさか────」

 

 

 

二丁の鎖に繋がれたサブマシンガン。

 

 

メイド服の上から着られた龍柄のスカジャン。

 

 

そして身長が150cmに満たないながらも、隠しきれない強者特有のオーラ。

 

 

 

「嘘!?」

「隠れてッ!!!!先生、急いで!!」

 

少しして、足音の主が保管所の扉を開き入室した。

 

「ふーん、盛大に散らかってるな。」

「(ど、どうしてネル先輩がここに!?)」

 

本来ここに居ないはずの美甘ネルが現れた。

 

 

『廃墟』の奥地で奴との戦闘を終えたネルは清々しい気分だった。

今回は()の動きを上回り勝利を手にする事が出来たからだ。

 

奴との戦績は6:4で勝ち越している。

しかし、これもあの骸骨の提案でルールを決めて戦っているからの話。

ルール無用の実戦であれば、こちらが3:7で負け越しているだろう。

 

しかしルール有りきとはいえ、勝ちは勝ち。

ネルは気分よく学園に帰っていた───のだが何やら学園が騒がしい。

 

近くにいた生徒に話を聞けば、セミナーとC&C相手に部活動が襲撃をしたと言うではないか。

 

相手はヴェリタス、エンジニア部、そしてゲーム開発部。

エンジニア部も意外ではあるが、それより驚いたのはゲーム開発部の名がそこにあった事。

 

以前他の部活動相手に襲撃を掛けていたことは覚えているが、

彼女達の戦闘能力は決して高いとは言えない。

部長の実力は不明かつ弱くは無いのだが、はっきり言って今回は場違いである。

 

真相を確かめるべくエレベーター近くへ来てみれば、グシャリと扉がひしゃげていた。

壁を伝いさらに奥に進むと、倒れたまま動かないアスナに、頭を抑えたユウカが居た。

彼女にエンジニア部が一体どんな兵器を作ったのかと聞くと───

 

「武器はエンジニア部製だが、使ったのはゲーム開発部」だと言う。

 

これにより興味メーターが急上昇したネルは、ゲーム開発部がまだ居るであろう保管所に向かったのだった。

 

 

そして現在に至る。

荒れ果てた保管所を覗き込むネル。

何か気配を感じ取ったのか、此方に近付いてきた!!

 

「何か音が……。」

「(ひぃぃ!!)」

「(これ、は、予想以上ですね。)」

 

ケイはこの世界に出て始めて恐怖と言う感情を知った。

まさに蛇に睨まれた蛙とはこの事なのだろう。

「コイツと戦闘を行ってはいけない」と脳内に警報が鳴り響く。

見つかれば終わりだと本能で察知していた。

 

「何か気配がするな、暗くて見えねぇが机の下か?」

「(不味い!!)」

 

段々と足音が近づいてくる。

相手は完全に、この部屋に何か隠れているのに気づき始めている。

 

一か八か、飛び出して戦闘を仕掛けようか?

勝率は絶望的に限りなく低い。

生存確率が1番高いのは紛れもなくこの方法だが……。

 

長考しているうちに、すぐネルは近くまでやって来た。

もう猶予はない、意を決して外に出ようとした時だった。

 

「あ、あの!!」

「あん?」

「(ユズ!?)」

 

一体いつから居たのか、後ろのロッカーからユズがネルの目の前へ現れた。

突然の事態に訝しげな表情のネル。

それもそうだろう、ネルを以てしても()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

これから行われるのはユズの人生で一、二を争う名演技。

自身を『セミナー所属』だと偽る事にしたのだ。

 

「……あんたは?」

「せ、生徒会『セミナー』所属の、ユズです。」

 

これがユウカ、またはアカネであれば速攻でバレるであろう。

しかし全生徒の顔を覚えていないネルは、ユズがゲーム開発部だという事に気が付かない。

普段部活動の会議で顔を出さないことがここで役立つとは夢にも思わなかった。

 

そう、ゲーム開発部とは気づかない。

 

 

 

問題は()()()()()()()()()()()()()()()という点。

依然、前方の机の下から何かの気配を感じる。

 

「………。」

「ゲーム開発部達の襲撃に遭い、アカネ先輩とカリン先輩が、制圧を試みています……」

「………………………。」

「じょ、状況的に助けが必要だと思ったのですが……。」

 

恐らく彼女(ユズ)はゲーム開発部、もしくはそれ以外の敵対している部活動の部員だろう。

ここで問答無用で戦闘を始めることは容易だった。

 

ユズにとって痛い沈黙が続く。

しかしネルはユズの両目をじっと見つめる。

その目には怯えと確かな決意が宿っていた。

 

自分がどう思われてるかなんて分かっている。

『約束された勝利』なんて呼ばれているが、顔を出せば大抵の人物は顔を引き攣らせた。

 

明らかに戦闘に向いてなさそうなその見た目、

それでも、ビビりでも自分の目の前に飛び込んできた度胸。

 

その度胸を買い、ネルはその演技に()()()()()ことにした。

 

「その根性があれば十分だぜ。」

「えっ?」

 

いかに優秀な兵隊でも、腕っ節だけでは戦場で生き(勝ち)残れない。

少し腕がたつだけの小心者よりよっぽど気に入った。

 

それに自分は今、正式に依頼を受けて此処に居る訳では無い。

今の請負主はアカネなのだから。

 

ならば多少のワガママは通したって良い筈だ。

しかし、ただ見逃すだけではユウカから文句を言われるだろう。

それにアスナを戦闘不能にした奴のことも気になる。

 

少し考えると、ネルは散らばってる書類を適当に拝借し、走り書きした。

そして、おもむろに棚の中にあるアレを取り出した。

 

「コレは預かっておくぜ。」

「ッ!!」

「(『鏡』が!!?)」

「ついでにこれも渡しとく。……じゃあまたな。」

 

あれよあれよと紙切れを握らされるユズ。

用事は済んだと言わんばかりにネルは保管所を後にした。

ドアが閉まりネルの足音が遠ざかっていく。

 

 

 

「ふえぇ………」

 

ペタリと緊張が解けて膝から崩れ落ちるユズ。

そして駆け寄るモモイ達。

 

「死んじゃうかと思った……。」

「ユズぅぅぅぅぅぅぅ!!」

「ユズちゃん凄い!!おかげで命拾いしたよ!!」

「でも、『鏡』がネル先輩に……。」

 

肝心の目標である『鏡』は横取りされてしまった。

それでも全員が無事なのは素直に喜ばしかった。

 

「とにかく此処から早く出よう、それと────」

 

モモイは先程から気になっているアレについて聞いた。

 

「ユズ、ネル先輩から何か貰ってたけどアレは……?」

「えっと、開いてみるね。」

 

有無を言わさず渡してきた紙切れを開く。

その肝心の内容だが────

 

 

 

 

 

 

『明日の午前9:45、ミレニアム旧校舎にて待つ。』

 

 

 

 

 

 

今どき珍しい果たし状であった。

 




ネルが超強化された(勘が戻った)せいでユズの演技が見破られました。
一体どこの骨のせいなんだ……。

次回でケイ視点最後になります。
……最後にしたいなぁ。
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