ブルーアーカイブRTA 称号「崇高」獲得まで 作:ノートン68
お待たせ致しました。
『鏡』奪還作戦までです、今回も少し長め。
今回のイベントはBGMが特にお気に入りです。
ミニゲームも面白いけど素材回収の効率がちょっと……
ガチャ?普通に爆死ですが?(バニトキ天井)
4.5PVも発表されてウキウキですわ。
その時は唐突に来た。
いつも通りゲーム開発部一行が部室で過ごしているとモモイのモモトークに着信が届いた。
ヴェリタスの団員であるマキからだ。
差出人の名からもしやと若干慌て気味にメッセージを確認するモモイ。
その予感は的中した。
「『G.Bible』の解析結果が出たって!!」
「ファイルの中身はどうだったの!?」
待ちに待った『G.Bible』の解析結果だ。
食い気味にミドリ達がモモイに詰め寄る。
「それがヴェリタスの部室に来てとしか……」
「うーん、何だか心配だけど行くしかないよね。」
ケイの言葉を信じているため偽物だとは思っていないが、もしかするとヴェリタスでは解析が不可能だったという事も考えられる。
そうなると、このミレニアム学園で解析出来る機関は無くなる。
他の機関を探すにしても恐らくミレニアムプライスに間に合わなくなる。
どちらにしろ、覚悟を決めて向かうしかないのだ。
「ヴェリタスですか……。」
ケイはヴェリタスに大きな興味が湧いていた。
中身を見たことは無かったが、あのファイルのセキュリティレベルが高かったのを覚えているからだ。
学生の身分で解析できたとなれば、噂通りキヴォトス一のハッカー集団と自負するのも納得がゆく。
故に『G.Bible』が本物だと理解してても、同行するのは必然だった。
一行は期待と不安を胸にヴェリタスの部室へと足を運ぶのだった。
「依頼されたデータについて、結果が出たよ。」
部室へ向かうとヴェリタスの部員である小鈎ハレが出迎えてくれた。
ヴェリタスの部室は辺り一面が電子機器に囲まれている、いかにもな部屋だ。
机の上にはPCと妖怪MAXが所狭しと並んでいる。
ハレは余計なお喋りをせず、単刀直入に本題に入った。
「───モモイ、
貴方のゲームのデータを復活させるのは無理。」
まず『G.Bible』ではなく、ケイが消滅を防ぐ為に消去したゲームデータの復元についてだった。
完全消去されたデータを復元するのはヴェリタスと言えども不可能だったようだ。
これにはケイもニッコリ。
「うわぁぁぁん!!もうダメだーーーッ!!」
「ふふふっ、『G.Bible』の代償を払ったと納得するしかないですね。」
「そっちじゃないでしょ!?『G.Bible』のパスワード解除はどうしたの?」
「それならまだマキが対応中です。」
そう、本命は『G.Bible』だ。
未だ涙目のモモイを押しのけるミドリ。
ちょうど部室の奥からマキがやって来た。
「あ、おはようミド!!……モモはどうしてこんなに泣いてるの?」
「気にしないで、それより『G.Bible』はどうだった?」
「ちゃんと分析できたよ。あのファイルは『G.Bible』に間違いない。」
ファイルの作成日、最後に転送された日時、ファイル形式とあらゆる要素から見て、まず確実だと。
また噂の伝説ゲーム開発者のIPと一致し、転送形跡も一回しかない事から、これがオリジナルだと言うことも確認できたらしい。
偽物ではないという事に安堵したモモイ達だが、マキは続けてこう言った。
「でも問題があって……ファイルのパスワードについてはまだ解析できてないの。」
「えぇっ!?じゃあ結局見られないって事じゃん!!」
「だって私ホワイトハッカーじゃなくてクラッカーだし……」
クラッカーがシステムの不正侵入、破壊、データ改ざん等が主な活動なのに対し、
ホワイトハッカーはプログラム解析、改変等が主な活動となる。
必要とされる分野が全く違うのである。
それでもヴェリタスの彼女が解析できないとなれば、このミレニアムに解析可能な人物は居ない。
そう考え、一気に暗雲がたち込み始めたゲーム開発部だが、マキは元気付けるようにこう続けた。
「大丈夫、方法がない訳じゃないから。」
「そうなの?」
彼女曰く、パスワード解析はほぼ不可能に近い。
これに関しては流石伝説のゲーム開発者と言うべきだろう。
しかし、セキュリティファイルを取り除いた『
ただ、それをするためには『鏡』と呼ばれるハッキングツールが必要となるらしいが───
「それは今どこにあるの?」
「あたし達ヴェリタスが持って……た。」
「過去形ってまさか───」
「……そう、今は持っていない。生徒会に押収されちゃったの!!」
『鏡』は絶賛、セミナーが押収中だという。
つい最近にユウカが押し入り、
「不法な用途の機器の所持は禁止!!」
というセリフとともに持っていかれたらしい。
その他にも色々持っていかれた様だが、その中でも『鏡』は部長の作成したオリジナルツールでこの世に二つとない代物らしい。
なお、取られた原因はコタマが先生の携帯を盗撮確認するのに使用したとの事。
「部長って言うと、ヒマリ先輩?」
「ヒマリ?」
「ケイちゃんはまだ会ったことないよね、車椅子に乗ってるから見かけたらすぐ分かると思う。」
体は不自由だがミレニアムに他に存在しない唯一無二の天才。
だから軽視、同情されたりすることも無い凄い人なのだと。
『全知』の学位をもつ類まれなる天才、それこそが明星ヒマリだ。
情報を整理すると、ヴェリタスは何にせよ取られたことがバレると怒られるのでその前に『鏡』を取り返したい。
そしてゲーム開発部も『鏡』が必要。
そう、どちらも欲するものは同じだ。
ヴェリタスが部室へと招いた理由も明らかになる。
「なるほど、呼び出された時点で何かあるとは思ったけどだいたい分かったよ。」
「ふふ、流石モモ。話が早いね。」
「えぇ……もしかして?」
不穏な空気を読み取るミドリだが、モモイが宣言してしまった。
「目的地が一緒なんだし、旅は道連れってね!!」
「はぁ、どうせこんな事だろうとは思いましたが……仕方ないですね。」
目標は単純明確。
ヴェリタスと組み、セミナーを襲撃する。
セミナーを襲撃するにあたって、目標地点は既に抑えていた。
目標の『鍵』はセミナーの差押品保管所にある。
問題はそこを守る者達……メイド部、通称C&Cだ。
ミレニアムで最高戦力と名高い戦闘集団。
曰く、メイド服で優雅に相手を「清掃」するという噂で有名な。
そんなガチ戦闘集団が『鏡』を守っているのだ。
「うーん成程〜……諦めよう!!!!ゲーム開発部、回れ右!!前進!!!!」
「待って待って待って!!諦めちゃだめだよモモ!!『G.Bible』欲しいんでしょ?」
「そりゃ欲しいよ!!でもメイド部と戦うなんて冗談じゃない!!」
モモイにとっては、走る列車の中に乗り込めとか言われた方がマシだ。
今すぐ部室に戻ろうとするモモイだったが、何とか部長に怒られたくないマキが食い下がる。
「このままじゃあたし部長に怒られ……じゃなくて!!ゲーム開発部も終わりだよ!!」
「廃部は嫌だけど……でもこれは話の次元が違う。」
C&Cの「ご奉仕」によって壊滅したサークルは数えきれない。
最後は跡形もなく清掃されるのは有名な話だ。
文字通り完膚なきまでに、二度と同じ事が起きないよう徹底的に。
部活よりミドリ、ユズ、ケイが大事なモモイは参加を断固拒否していた。
その気持ちが分かるマキは言葉が詰まるが、説得を続けた。
他の部員達も助言する中、コタマが盗聴で入手したとある情報を伝える。
「そもそも、今のメイド部は完全な状態ではありません。」
「え?」
メイド部が最強と言われる所以。
それはもちろんメンバー全員が腕利きというのもある。
しかし何よりも大きいのは彼女の存在。
メイド部の部長、コールサイン00……美甘ネル。
彼女の作戦成功率は脅威の100%
「『約束された勝利』とまで言われる彼女は、今このミレニアムに不在なの。」
──────────────────────
同時刻、ミレニアム屋上。
そこではセミナー役員のユウカとC&Cエージェントのアカネが対面していた。
2人の話題はゲーム開発部の襲撃についてだ。
「─────そのまさかよ。」
「なるほど、にわかには信じ難いお話ですね。」
アカネもゲーム開発部について、知らないわけではなかった。
あんなに可愛らしいのに……
ミレニアムの生徒会を襲撃しようだなんて、人は見かけによらない。
「純粋な子達よ。でもだからこそ、時にとんでもないイタズラをしたりもする。それに今回はヴェリタスも絡んでるの。」
セミナーが情報を独占しないようにと、『全知』ヒマリによって作られたクラッカー集団。
彼女たち……と言うよりもその部長とセミナー会長が不仲なのは有名な話だ。
「まぁ何であれ、依頼である以上私達は受けるつもりでいますが……一つだけちょっとした問題があります。」
アカネは少し前の部長とのやり取りを思い出す。
▼
「本当に行くのですか?」
「あん?お前だって知ってるだろ。やられっぱなしは気に食わねぇんだ。」
最近の作戦がリーダーにとって温すぎたというのもあるだろう。
この生活ではクソチビに勝つのは夢のまた夢だと。
オマケに最近の戦闘は歯応えがなく消化不良感が凄まじい。
そんなリーダーが、以前の戦いのような高揚感をまた味わいたいと思うのは不思議ではなかった。
「ですが『廃墟』に行くだなんて、セミナーにバレたらタダでは……」
「いいだろ別に。個人的な理由で逢いに行くのは問題ないはずだからな。」
あくまでも禁止されたのは『黒崎コユキ』の奪還のみ。
個人的な喧嘩を売りに行くなら無問題だと、屁理屈のような理由でカチコミに行くと言うのだ。
「そういう訳で、セミナーには上手く言っといてくれ。くれぐれもユウカには内緒な。」
これ以上は呼び止めても無駄だろう。
承諾と受け取ったのか、リーダーは完全武装状態でミレニアム郊外へと向かった。
▼
経緯はどうであれリーダーからの命令、メイドとして失敗する訳にはいかない。
ユウカ相手に下手に言い訳するとボロが出そうだ。
ここは話を本筋に戻す事にした。
「ですが、ご心配なく。リーダーは守ることより「壊すこと」に特化した人ですから。」
ユウカが頭を抱えるC&Cの破壊による賠償請求は、ネルが大半を占めている。
因みにその他の殆どはアカネの爆弾による被害だ。
「リーダーがいる時が1番強いというのは間違い有りませんが、守ることに関しては私だけの方が都合が良いかと。」
これもまた事実だ。
リーダーを含めば確実に作戦は成功する。
しかしその作戦の余波による被害で頭を抱えるのはユウカになるだろう。
主に損害賠償的な話で。
「じゃあ改めて、依頼受けてくれるわね?」
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C&Cが相手だと知り完全に雰囲気がお通夜状態だったゲーム開発部。
いくらネルが居ないとはいえ、相手は戦闘のプロフェッショナル。
真正面から挑むわけではないとしても、勝算は薄い。
部活を取るか、仲間を取るか。
その天秤を傾けたのはミドリだった。
「……やってみよう、お姉ちゃん。」
「えぇっ!?」
「このままゲーム開発部をなくす訳にはいかない。」
賞を取るためにはあらゆる手を尽くさなければならない。
その中でも『G.Bible』は特に重要な要素だ。
これに頼らなければ前回のクソゲーの二の舞になるだろう。
ここで困難から逃げてしまえば、同じ状況になった時に必ず繰り返す。
逃げて、逃げて、逃げた先で、待っているのは碌でもない結末だ。
「ボロボロで、狭くて、偶に雨漏りもする部室だけど、みんなで一緒にいるための大切な場所だから。」
「そもそも私という存在がいながら失敗を恐れるとは。約束します、この部は廃部させません。」
「皆でやれば……きっと、上手くいく……!!」
「みんな………うん、よし。」
端から退路はない。
覚悟を決めたモモイは声高らかに宣言した。
「生徒会に潜入して、『鏡』を取り戻す!!」
ゲーム開発部だけではない、こっちには先生だっている。
反則だと罵られようが、知ったことでは無い。
勝てば良かろうなのだ。
兎にも角にも、単純な戦力で大きく劣っている自分たちには頭数が必要だ。
仲間がたくさんいる。
幸いスカウトは先生が買って出てくれたので、自分たちは戦闘準備するだけで良かった。
後は作戦を開始するだけ。
やる気に満ち溢れているモモイはハレに聞いた。
いつ作戦を決行するのかと。
返ってきたのは予想外の言葉だった。
「もう始まってるよ。」
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「あ、一つだけ質問をしたいのですが。」
ゲーム開発部の襲撃に備える前に、確認しておきたい事があった。
それはなぜゲーム開発部はさておき、ヴェリタスの行動まで掴んでいたのか。
いかにセミナーと言えどもあのヴェリタスの行動を監視することなど可能なのか?
それに対するユウカの返答はあっさりとしたものだった。
「……ヴェリタスが教えてくれた。それだけの話よ。」
「はい!?」
「私たちに情報を伝えてくれたのは……ヴェリタスの部長、明星ヒマリだもの。」
同時に理解し難い返答でもあった。
何故そんな事を、少なくとも彼女達の仲は悪くなかったはず……。
ここまで来ると何か企んでるのではとも思うが……。
「心配はしなくてもいいわ─────『鏡』の件も恐らく彼女の手引きのはずだし。」
ユウカは既に、ヒマリの思惑の正解に1番近いところまで辿り着いていた。
理由は分からないがゲーム開発部とセミナーをぶつけようとしている事に。
セミナーを潰すつもりなら、こんな回りくどい手は必要ない。
大体、自身の作品である『鏡』をエサにした彼女が手を出すことはないと踏んだ。
「では──御奉仕開始といきます。」
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「うふふ、いよいよですね。」
両者の激突が迫る中、ミレニアム学園のどこかにある部屋に1人。
件のヴェリタスの部長兼、特異現象捜査部の部長である明星ヒマリは
ユウカの予想通り、あえて『鏡』を流したのは彼女だ。
何故彼女が今回の騒動の引き金を引いたのか。
それはゲーム開発部とシャーレの先生が拾ってきた『依星 ケイ』の正体を暴くためだ。
実のところ、彼女の正体は9割9分判明している。
ただ、確証が欲しかった。
例え人工的に作られた世界を滅ぼすAIだったとしても、
自らそうあると決めた者と、他者からそうあれと望まれた者は違う。
現在同盟休戦関係にあるリオの協力もあり、ネル抜きのC&Cをぶつける所まで成功した。
後は力を見るだけだが、ぶっちゃけるとヒマリは彼女をミレニアムの生徒として歓迎するつもりだ。
ただの冷酷なAIがあんなに楽しそうな笑顔を浮かべるだろうか。
ヒマリの中でケイは既に危険分子から可愛い後輩へと変化していた。
どうやらリオの見解は異なるようだが。
相変わらず頭の固い独裁者め……。
ここ最近の彼女の動きはきな臭い。
何やらミレニアムの外部にある組織と接触した痕跡もある。
調べてみたがただの中小規模の一般企業……オクトパスバンクだったか。
カイザー系列の下部組織で、セキュリティもザル。
何故リオがそんな組織と手を組んだのか謎すぎる。
その他にもリオが裏でコソコソと何かを企んでいるのは掴んでいる。
大型都市の建築に謎の機械の輸送にetc……
「本当、何をやってるのですか貴女は……。」
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場面はミレニアムから変わり、『廃墟』その最奥。
ゲマトリアの一員であるホモがいつも通り研究を進めていると警報が鳴り響く。
侵入者を知らせるものだと分かった彼は、
少し歩くと破壊された警備ロボを地に伏せた少女───美甘ネルがこちらに気づいた。
「おぅ、来たな骸骨男。」
「毎度、チャイム代わりに警備ロボを破壊するのは止めてくれないか?」
あの日C&Cを追い払ってから、彼女が突撃してくるようになった。
必ず警備ロボを一体破壊するといったオマケ付きで。
はっきり言って迷惑である。
彼女の破壊する警備ロボには多額の投資を行っている。
それでもAL-1Sの成長の大きな一助になっている為、一概に帰れとも言えないのが歯がゆかった。
横たわる警備ロボを見る。
彼女が強いのは分かっていたが、まさか瞬殺とは。
改良方法を考えていると方舟から人影がホモの前へ着地した。
「そこまでです、オーナーに迷惑をかけないでください。」
「来やがったなぁ、クソチビッ!!」
珍しく青筋を立てたAL-1Sが登場した。
因みに彼女がヘルメットを被っていないのはネルに顔がバレているためである。
存在が極秘事項なAL-1Sだが、生きている以上ずっと窮屈だとストレスも溜まる。
「帰宅を推奨、100%当機の勝利で終わります。」
「ハッ、言ってろ!!今回はアタシが勝つ!!」
またいつもの様にドンパチが始まる。
流れ弾に当たる前に戻ろうと方舟へと踵を返した。
ホモに出来ることはただ1つ。
「暗くなる前に戻るんだぞ。」と声をかける事だけだった。
最低限の説明と書きたいところを詰め込んだら、糞長くなっちゃった。
これも、リオが1人で突っ走ってしまうのも、
全て元カイザーPMC理事のせいなんだ!!