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百休推奨名言綴り(18)【ブッダ|最上の幸福|【中村元】さん訳【スッタニパーダ】より】

 コルセットを嵌め ひたすら骨の繋がるを待つ身でありますから、たいしたことはないのですが 少しは本を読めておりまして、本日は そのなかで、これまで本棚に入れただけであった一冊、岩波書店【仏典を読む1 ブッダの生涯】中村元さん著 につきまして、このなかに たいへん我が意を得たりというところがありましたので、ところで人間 読書の最中 一番嬉しいときはどんなときかと申しますと、それは 己の想っていることと同じことを、高名な方の著作物のなかに発見できたときではないかと思うのでありますが、ましてや そのお方が 人類史上ナンバーワンの哲学者・思想家・宗教家の御方ときましたら、その喜びも 一入(ひとしお)のものであり、こうしてブログに立ち向かう気にもなろうかということであります。
           
それはです。「人生の幸せとは どういうところにあるのか、具体的に最上の幸福というものを説いて下さい」との問いかけに対し、ゴータマ・ブッダさんは 次のように説かれておられるのであります。

 ・ 諸々の愚者に親しまないで、諸々の賢者に親しみ、尊敬できる人々を尊敬すること、
   これがこよなき幸せである
 ・ 適当な場所に住み、予め功徳を積んでいて、自らは正しい請願を起こしていること、
   これがこよなき幸せである 
 ・ 深い学識あり、技術を身につけ、身を慎むことをよく学び、言葉が見事であること、
   これがこよなき幸せである
 ・ 父母に仕えること、妻子を愛し護ること、仕事に秩序あり混乱せぬこと、
   これがこよなき幸せである
 ・ 施与と、理法に適った行いと、親族を愛し護ることと、避難を受けない行為、
   これがこよなき幸せである
 ・ 悪を止め、悪を離れ、飲酒を慎み、徳行をゆるがせにしないこと、
   これがこよなき幸せである
 ・ 尊敬と謙遜と満足と感謝と[適当な]時に教えを聞くこと、
   これがこよなき幸せである    
 ・ 耐え忍ぶこと、言葉の優しいこと、諸々の<道の人>に会うこと、
   適当な時に理法についての教えを聞くこと、これがこよなき幸せである
 ・ 修養と、清らかな行いと、聖なる真理を見ること、安らぎを体得すること、
   これがこよなき幸せである
 ・ 世俗の事柄に触れても、その人の心が動揺せず、憂いなく、汚(けが)れを離れ、
   安穏であること、これがこよなき幸せである
 これらのことを行うならば、如何なることに関しても敗れることがない。
 あらゆることについて幸福に達する。

嬉しかったですねぇ 同じなのですから、オイラが日頃 想っていることと。これは【スッタニパーダ】、以前当ブログで起こしました【法句経(ダンマパダ)】と同じく、数多くある仏教聖典のなかでも最古層の、ということは ブッダさんのナマのお声に一番近い、つまり最初期の聖典、紀元前1世紀ごろ成立とされる【パーリ語三蔵】の中の【経蔵】に収められている、スッタ=経 ニパーダ=集成 の意から<経の集成>を意味する詩句集でありますが、

我々日本人には仏教経典といえば、唯一(?)【おんあぼきゃぴろしゃなまかぼだらまにはんどまじんばらはらばりたやうん】という【光明真言】の例外はあるものの、近寄り難く 漢字が重々と積み重なっている経文しか思い浮かばないのでありまして、これは仏教が中国経由で伝わったことに他ならないのでありますが、そのルーツをたどってみますと、

そもそもの仏典は お釈迦様が説法されたという【マガダ語】版が始まりでありまして、それが【パーリ語】および【ガンダーラ語】および【サンスクリット語】に翻訳され、で主にこのサンスクリット版を翻訳したのが漢字版であり、仏教宣布の最大の功労者 アショーカ王が供されたのはパーリ語版、すなわち【パーリ語三蔵】とのことでありますから、南アジア各国の仏教は この聖典がベースとなっているのであります。なお、三蔵とは ブッダと弟子たちの言行の書かれた【経蔵】、戒律を説明した【律蔵】、教えの詳解である【論蔵】の三つの経典を指しまして、ちなみに三蔵法師とは この三蔵を すべてマスターした人の称号でありまして、と ちょっと話が逸れてしまいましたが、

この原始の仏教の息吹を伝え 最も充実している仏典集【パーリ語三蔵】は、信じ難いことに 明治になって ヨーロッパの学者の研究に接するまで、その存在すら 日本の仏教界は知らなかったのであります。この齢になって初めて上記文言のあるを識り感慨に耽るというオイラの情景、然(さ)もありなんと言えるのでは と思いますが。

ところでオイラは思います。世界中探しても 日本のように自国語でない経典で宗教を崇めている国はないのではないかと。まぁ日本には 先祖伝来の【神道】が骨の髄まで染みついておりますから、それで精神を保ってこれたのであろうと思いますが、誰にでも 直裁的に その意味が汲み取れない現お経は、何かおかしいと思います。今となっては 直しようがないかもしれませんが、訳の判らない禅問答や 空とか色とか もうええ加減にしまして、もっともっと解かりやすい言葉で ゴータマ・ブッダさんの教えを説いていただきたいものだと思うのであります。日本仏教界の皆さん、葬式法事仏教に専念されるのでなく、まさに史上最大の末法思想のまかり通る この現日本を救い給え。それには原点に立ち戻ること、原始仏教に立ち還ることではないかと思うのであります。

なお【中村元(はじめ)】さん著【仏典を読む 1~4 シリーズ】は、著者が 昭和60年 4~9 月まで NHK のラジオ第2放送で 全26回にわたり 講義されたものを 活字化した書籍でありますので、実に分かりやすく丁寧に説明して下さっています。でオイラは思ったのであります。お釈迦様の説法も さぞかし こんなであったに違いないのではと。それから、本書で著者は、諸々の いい言葉も添えて下さっておりますので、最後に それを 一つだけ 掲げさせていただくとします。末尾の「富」がスゴイ!、素晴らしいです。
 
    自勝者強 知足者富 ( 自らに勝つ者は強く 足るを知る者は富めり ) 老子
    
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