ブルーアーカイブRTA 称号「崇高」獲得まで   作:ノートン68

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黒服の活躍回のはずでしたが今回は流します。(血涙)
スパイダ〇マンよろしく砂漠を駆け回る黒服を書きたかったけどなー、俺もなー。
本当にごめんよ黒服。ホモ君余り関与出来てないから仕方ないんだ……



影の精霊

辺り一面が砂漠の中、映える白の機体は各機能を停止させた。

予想以上の戦力、予想以上の損傷、どれも未知の出来事だった。

 

彼がこの世界を認識できるようになって初めて味わった感情。

それが驚嘆、屈辱、そして恐怖。

戸惑いながらもここが引き際だと、彼の思考AIは正しく理解していた。

 

『Goooooo………』

 

体の全身から煙を上げるビナー。

弱々しい雄叫びはもはや誰も気にとめないほどだった。

 

『エネルギー反応が減少していきます!!』

「やっと倒したってこと!?」

「セリカちゃん、フラグって知ってます?」

 

不穏なやり取りをする2人だったが杞憂に終わる。

先生に放ったミサイルが最後のすかしっ屁だったのか、ビナーは地中へと深く潜り込む。

地響きを立て、姿を消したビナーはもう姿を見せることは無かった。

 

「後は、あの人ですが……」

「奴の動きに警戒して、不審な行動をとったら撃てるように。」

 

一見落着───とはいかない。

ホシノを陥れた元凶がそこにいるのだから。

そしてその存在は今、先生の横に立っている。

 

「クックックッ、どうやら無事にビナーを退けたようですね。」

「アンタが黒服……よくも私達の前に顔を出せたわね!?」

 

アビドス全員に様々な感情が渦巻いているのは明らかだ。

ちょっとしたアクションでいつ破裂するかわからない風船のような危うさ。

それでも黒服は気にしないでこう続けた。

 

「元々私は出る予定は無かったのですがね。……憎いですか、()()()()と同じように奪おうとした私g────

「黙れ。」

 

引き金を引くのに、躊躇いは無かった。

 

話している黒服の体全体にショットガンを近距離からお見舞した。

その行為がどれだけ虚しいかを理解しながらも、ホシノは止めることはできなかった。

 

・ホシノッ!?

「貴方の怒りは間違いではありませんよ。」

「影が動いて───ッ!?」

『何ですかこれは………あの人の周りのエネルギー反応に異常値が!?』

 

ホシノの銃弾は黒服に届かず、剥がれるように地を離れた影が黒服の身を守っていた。

明らかに自然現象を超越した事象が起こっている。

 

「これは私の小さな成果物。名前はそうですね……『Umbra Genius(影の精霊)』とでも。

 

『テクスト』で私の影に記号として意味を与え、

『神秘の強化』を加えることで確固たる形持った神秘として成り立った私の影を、

『ミメシス』を扱う事で完全に制御出来るようになった代物がコレです。」

 

『テクスト』、『ミメシス』、そして『神秘』。

聞きなれない言葉がツラツラと流れてくる。

確かなのは、アレが現代技術では再現不可能な現象だという事実のみ

 

『一体何を言って……』

・………。

 

ただ先生は思い当たる節があるのか、何かを考えているようだ。

少なくとも『Umbra Genius(影の精霊)』の存在により、黒服を捕縛することは難しそうだ。

多少手荒な真似(暴力的解決)をすれば捕縛するのに問題ないが間違いなく先生は止めるだろう。

 

「そもそも、ビナーを撃退したことで貴方達の物語は一区切り終えたのです。ここが引き際かと。」

『何が目的だったんですか、ホシノ先輩を誘拐してまで一体!?』

「全て私の興味のために。まあそれも先生という計算外の要素によって失敗しましたが。あぁ……出てきた理由は先生、貴方がこの舞台から退場するのを防ぐためです。」

 

先生を助けるため?

にわかには信じがたかった。

アビドスの衰退の原因の一つでもある奴が味方などと。

それでも先生を助けたという事実に、生徒達にモヤモヤとしたものを残す。

 

私達は間に合わなかった。

あの時奴が守っていなければ先生は────

 

・助けてくれてありがとう。でも今まで貴方がしてきた事は許さない。

「えぇ、是非そうしてください。我々はあなたの邪魔も、味方もしませんので。」

 

先生と黒服の関係は完全に決裂していた。

助けてくれたことは礼を言おう、その理念は理解できる。

だが共感はしないし、これから協力することも無い。

 

「さて、そろそろ引くとします。」

「待って、まだ話は───ッ!?」

「………。」ザッザッザッ

「おや、エスコートして下さると?」

「あなた達、まさかそいつの……!?」

 

カラカラヘルメット団が黒服を守るように立ち塞がった。

彼女達の強さは分かっている。

先生が居るとはいえ、ビナー戦で消耗したこの状態で戦闘はしたくない。

無論、負けるつもりは無い。

 

「……オーナーからの伝言だ。『借りは返す。』」

「クククッ、彼は相変わらず律儀ですね。」

 

オーナーとはカイザー理事の事だろうか?

そんな事よりも、彼女達(ヘルメット団)と戦闘に入れば死闘は確実。

緊張によりホシノ達の頬を冷や汗が伝う。

 

「心配せずとも、もうあなた達を狙うつもりはありませんよ。そうですね、最後に1つだけ。先生、我々と協力する気はありませんか?」

 

・断る。

「……残念です、先生なら彼とも仲良くなれると思ったのですが。」

 

彼?と思ったが、どうやらもう話し合いは終わりらしい。

影が揺らめいて黒服とヘルメット団を包むように広がる。

 

「先生、ゲマトリアは貴方のことをいつでも見ていますよ。」

・───ッ!!

 

影に飲み込まれる、と黒服とヘルメット団は姿を消した。

はじめからそこに誰も居なかったかのように。

 

「ごめんね先生。アイツ──黒服に勝手に発砲して。」

・ホシノは悪くないよ………帰ろうか、アビドスに。

「……うん。」

 

ひとまず、ホシノを救出して日常を奪還することが出来たアビドス廃校対策委員会。

その後先生の助けもあり、対策委員会は正式な委員会と認証された。

 

カイザーPMCとのいざこざを解決した彼女達はこれから地域復興を目指し様々な対策を

──と上手く行かず、未だ借金の返済に奔走していた。

 

「あはは……借金返済にはまだ遠いですけどね。」

「でも、前より利子が格段に払える額になった。」

「余裕は出来たけど休んでる暇はないわよ!!」

「うへー、まだまだおじさんは引退できそうにないねー。」

・そうだね………。

 

全てが解決したわけじゃない。

相変わらず砂嵐は収まらないし、土地はカイザー名義が大半、借金だって残っている。

問題は山積みだ。

それでも彼女達は足掻く、その果てに希望があると信じて。

 

「だから強くなるね。いつか先生を助けてあげれるくらいに。」

 

二度と先生を危険な目に遭わせない。

もう二度と自分の大切なものを失ったりはしない。

 

そう、例え自身の命を失う事になったとしても。

 

致命的なズレは後々に悲劇を起こす。

 

自分の事を優先順位の下に位置させる長所と短所が。

自身が積極的に生徒に関わったことによる、前回との相違点が。

先生はそれに気づかなかった、ただそれだけの話。

未だ火種は燻り続ける。




便利屋との戦闘描写とか色々考えたけどグダるのでカット!!
悪ぃ、 やっぱ(ちゃんとした小説書くの)辛ぇわ。

カイザー理事は今日も元気に生きてます。
黒服は先生に自分の成果を見せる事ができてご満悦。
チームⅤは任務達成してホッと一息。
アビドスの生徒達はちょっと曇っちゃったけど問題ないな、ヨシッ!!
先生はゲマトリアに対しての警戒度があがった!!
ホシノも『覚悟』完了したし勝ったなガハハ!!

基本原作沿いになりましたが、Vol.2は大分変わるからユルシテ……
次回からはやっとRTAパート再開になります。
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