(8月のOMFレセプションでの松本市長)


今年2月にセイジ・オザワ・松本フェスティバル(OMF)は小澤征爾さんの生誕90周年の9月1日の誕生日に、小澤さんが柿落とし公演を指揮したすみだトリフォニーホールで、サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)の公演を実施すると発表しました。この当初発表がとても重要で、最後に出てくる当ブログへの反論コメントが言及している6月の告知チラシ配布は、公演実施の発表ほど重要ではありません(告知チラシ配布はチケット発売前の告知に過ぎません)。この半年間、松本市と松本市長に関しては要注意対象で、3人の記者らと共に、SKOの東京公演中止の真相をリサーチし、それらに関するハードエビデンスからソフトエビデンスまで様々な情報を集めて、編集したのが下記のブログです↓。

松本市は人口23万人で東京都で言うと調布市レベルなので、本来なら話題にする必要がないのですが、本番の数カ月前に松本市長の独断によって東京公演に中止になるのは、アーティストやファンらに迷惑な話ですので、徹底追及したわけですが、今回の投稿は、松本マラソンなどの不祥事だらけの松本市の動向などについて、3つのパートでコメントしたいと思います。


1. SKO東京公演は文化庁からの助成金の2年連続の不採択なども影響して中止となってますが、財政的に厳しいのにも関わらず、7月下旬に570万円の市の補佐予算を通して、松本市長と議長らがザルツブルクに2日間訪問しております。この金額をかけてザルツブルク訪問するなら、「姉妹都市」くらいの話が進んでいてもおかしくはないですが、そのザルツブルク訪問の成果については市政記者が7月末の松本市長会見で市長は回答しており、以下のYou Tubeで記者会見の様子が分かります。

(7/30ザルツブルクから帰国後の市長会見)


松本市長は「ザルツブルク州知事の招待で、レセプションに参加し、ザルツブルクのマリオネット劇場鑑賞とモーツァルテウムの学長らと会談した」とし、「音楽を軸にしながら交流していく」と発言しています。筆者はこの8月に3週間ほどザルツブルクに滞在しましたが、ザルツブルクの議員5人と会話したところ、「松本の話は知らない」と話していて、ザルツブルクと松本市の行政レベルでの友好関係などの話は殆ど進んでいないと認識しております。この市長のザルツブルク訪問には多額のお金がかかっており、実際には9月下旬の松本で実施されたマリオネット劇場公演視察のために訪問したようなものですが(この松本のチケットは売れてなかったようです)、政治的成果は無いように思えます。マリオネット劇場来日プロジェクトは大阪・関西万博に合わせて企画されたもので、わざわざ市長や議長がザルツブルクに出かけて、人形劇を鑑賞する必要はあるのでしょうか↓。

そんな時間があれば、血税で海外渡航しているわけですから、本来の政治活動をやってもらいたいです。この訪問で多額の旅費がかかっているはずですが(特に飛行機代)、ある町の町長がプレミアム・エコノミーを利用しただけで、ニュース沙汰になって、差額返金している記事がありましたが、こちらの方が可哀想ですし、同情したくなります。  

筆者と関係ない市の行政のことですので、以上でこの話は終わりにしますが、公害のような政治家の話が出てきましたら、追及していきたいと存じます。


2. 今年8月末のエッシェンバッハのマーラー「復活」公演については、友人やネット上のコメントではあまり良くない評価で、OMFのオワコン化はかなり進行していると感じます。筆者は松本に行くことはないですが、来年のSKO公演の指揮者も期待できないですし、沖澤体制だけでこのフェスティバルは興行的には厳しいものと考えます。昨年のネルソンス降板以降、指揮者の人選が困難になってきており、来年の指揮者は今年の春の段階で決まっていなかったと聞いてます。この問題について数回にわたり、このブログで取り上げてますが、今後は取り上げるほどのフェスティバルではないので、おそらく今回が最後のコメントになります。日本の音楽評論家が勝手にOMFを盛り上げてもらいたいです。


3. 冒頭のSKO東京公演中止についてのブログにいくつかのコメントが寄せられて、一部は公開しましたが、訳の分からない長文のコメントがきました。これまで非公開にしておりましたが、公開権利は筆者にあるので、今、ここに公開し、このコメント対して、以下に青字にて筆者の見解を記します。


(1回目のコメント)

 →このコメントにあるチラシ配布はあまり関係なく、フェスティバルの公演概要を広報発表した段階が最も重要です。チラシ配布はチケット販売前に印刷されるので、その印刷前に今回の東京公演が中止と言う判断になったので、この方のコメントは本質をついておりませんし、きちんと筆者の論旨を読んでいないと思います。例えば「計画調整段階で中止判断」と書かれてますが、一般的に計画調整段階のものを広報発表することはありません。実施決定のものが発表されるのが世の常識であります。この方は論拠のない問題提起をされるので、再度読んで欲しいと返信し、2回目のコメントが以下になります。

(2回目のコメント)

→松本公演より東京公演の方が移動・運搬費・宿泊費などコストがかかり、東京公演実施することが赤字構造になります。9月1日の東京公演は小澤さんの誕生日祝う趣旨なので、OMGの親組織にあたる財団側のこれまでの蓄財を出してでも東京公演を実施すると判断したわけで、2月に実施すると広報発表したのです(これに関するハードエビデンスは入手しています)。財団がお金を出して東京公演を実施すると言う話だったのに、4月に文化庁の助成金が不採択が松本市側に通達され、5月になって実行委員会のトップである松本市長が東京公演のみを中止の判断としたのを問題視して、これまで多角的にリサーチしてきました。このフェスティバルの運営は財団と実行委員会のダブル・ガバナンス体制になっていることで、ややこしいことが起きているのです。小澤征爾さんがご存生命であれば、このようなことは起こらなかったでしょう。コメントの方は「できる限りの事実を理解したい」と言ってますが、是非、ご自身で確認して頂きたいです。そして、その結果を是非コメント頂きたいものです。これには、かなりのハードワークになりますことを覚悟して頂きたいと申し上げたいです。


以上、本日もお読みいただきありがとうございました。

P.S.ウィーン国立歌劇場来日公演のオケのメンバーは今日の朝にウィーンを出発し、2日の朝に東京に到着するようです。最初の公演は少し疲れているかもしれないですね。

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