「園児を虐待」身に覚えのない逮捕…無罪判決に 「有罪のストーリーに都合の悪い証拠は出てこない」
事件のデータ保管 「捜査員の判断次第」
裁判で、男性が強く覚えている場面があると教えてくれました。パソコンでのデータ保管について、久保弁護士が警察官に尋ねた際のやりとりです。 久保弁護士「あらゆる事件のデータが、一つのパソコンに、フォルダーも分けずにぐちゃっと入っていると、そういうことなんですか」 警察官「そういうことです」 久保弁護士「備忘録をつけるかどうかも、捜査員の判断次第ということなんですか」 警察官「はい」 男性はこの警察官の証言にショックと怒りを覚えたといいます。 「一人の人生が変わるような証拠をちゃんと管理していない。どうして平然とそんなことが言えるのか」 検察は、疑われた人を有罪にするのに都合の良い証拠だけを出し、有罪のストーリーに都合の悪い証拠は裁判に出てこない……。 実は、こうした事態は過去の刑事裁判でも繰り返し起きています。 何年も刑務所で服役した末、再審(やり直しの裁判)で無罪となるケースも相次ぎました。 自分がある日突然、身に覚えのない疑いをかけられたら、間違いなく無罪になる仕組みになっているのだろうか。そんなもやもやした思いを抱えながら、日々、法廷で取材をしています。