エッセンシャルワーカー年収、他業種より100万円低く 昇給も小幅
生活やインフラなどの維持に従事するエッセンシャルワーカーの平均賃金はそれ以外の職種と比べて100万円低く、50代後半では200万円の差に広がっている――。厚生労働省が30日に公表した2025年版「労働経済の分析(労働経済白書)」にこうした調査結果がまとめられた。エッセンシャルワーカーらを対象にしたこうした政府の調査は初めてという。
労働経済白書は、経済や雇用、労働時間などの現状や課題について統計データを使って分析したもので、毎年公表されている。今年は、人手不足に関する分析に重点が置かれ、中でも生活に直結し不足すると生活の質が低下し、経済活動に影響する職種に注目した。
「エッセンシャルワーカー」にあたる、医療・福祉、運輸・建設、接客・調理などの職種について「社会インフラ関連職」と定義。就業者全体の35%を占める約2200万人を対象とした。
年収100万円の差、50代後半では200万円
23年の賃金構造基本統計調査を元に、収入を分析。社会インフラ関連職の平均の年間所得は436.1万円で、それ以外の職種の540.6万円と比べ104.5万円低かった。月給は社会インフラ関連は31.6万円で、それ以外の36.1万円から約5万円低く、ボーナスなど年間の特別給与は57.1万円で、それ以外の106.9万円より約50万円低かった。
年齢に応じた賃金上昇幅が小さいことも明らかになった。20代前半までは社会インフラ関連職の方が、それ以外の職種よりも年収が高いものの、20代後半から逆転。その後、差は広がり、50代後半では約200万円の差が生じた。白書では「スキルや経験に応じた処遇の改善が必要だ」と指摘する。
今回の白書で、社会インフラ関連職と名付けて調査された、いわゆる「エッセンシャルワーカー」は、国や機関ごとに含む範囲が異なる。米国では農業やエネルギー関連職も含めてエッセンシャルワーカーとし、国際労働機関(ILO)では清掃や技術職などを含め「キーワーカー」と呼んでいる。
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