中国首相が北朝鮮外相と会談「意思疎通強化」呼び掛け トランプ政権対応で連携する狙いも

会談する中国の李強首相(右)と北朝鮮の崔善姫外相=29日、北京の人民大会堂(新華社=共同)
会談する中国の李強首相(右)と北朝鮮の崔善姫外相=29日、北京の人民大会堂(新華社=共同)

【北京=三塚聖平】中国の李強首相は29日、訪中した北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相と北京の人民大会堂で会談した。中国外務省によると、李氏は北朝鮮側に対し「戦略的な意思疎通を強化したい」と呼び掛けた。双方は往来や実務協力を進めることで一致した。

北朝鮮の外相が単独で訪中するのは2018年12月以来。崔氏は28日、中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談した。王氏は北朝鮮側と国際・地域問題で協調することに意欲を示すとともに、「あらゆる形の覇権主義に反対し、双方の共通利益と国際的な公平、正義を守りたい」と強調した。トランプ米政権への対応で連携する狙いがありそうだ。

中国外務省によると、崔氏は中国側と多国間協力を強化することや、「単独主義や強権政治」に対抗することなどを訴えた。会談では「共に関心を持つ問題」について意見交換したという。具体的な議題は明らかにしていない。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は今月上旬、約6年半ぶりに訪中して習近平国家主席と会談し、高官交流を推し進めることで一致していた。

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