2025-10-01

AIの仕組みについて漠然理解している人のために

AIって結局は統計だろ?」

ネットでこういった言葉を見かける度、正直モヤモヤしている。

かに統計的な処理がAIの根幹にあるのは間違いない。

データを集め、確率計算し、そこから最適解を選び出す。そういう構造があるのは事実だ。だから「まったく違う」と言い切るのも嘘になる。

だが、それを「AIって結局は統計だろ?」なんて一言で片づけるのは、あまりに横暴だ。

統計のものを動かす理論や数理、そこに積み上げられたアルゴリズムの厚みを無視してしまっているからだ。

たとえば俺が本気で勉強したときにぶん殴られたのは統計の延長で片付けられないようなもっと複雑でもっと美しい構造だった。

から、この言葉モヤモヤするのは「半分は当たっているけど、半分は外している」から

AI統計でありながら、統計還元できないものでもある。

その両義性を理解せずに「統計だろ?」で済ませるのは、ピアノの音を聴いて「ただの鍵盤を叩いてるだけだろ?」って言ってるようなものだと思う。

そこで、AIの仕組みについて漠然理解している人のためにおすすめの本を三冊紹介する。

ここで紹介する三冊は、そんな俺のモヤモヤを実際に言語化してくれた本たちだ。

難しいし、読み進めるのに何度も心が折れかけた。けど読み切ったときAI統計か?それとも統計じゃないのか?という問いが、ようやく立体的に見えるようになったんだ。

から是非一読してみてほしい。険しい山ほど、山頂から景色は美しいものから

パターン認識機械学習

著者:Christopher M. Bishop

最初に手にしたとき、数式のオンパレードに心折れかけた。

けど、それでも読み進めると「機械学習ってバラバラアルゴリズムじゃなくて、確率という一本の軸で全部つながってるんだ」って感覚が急に開けてくる。

ロジスティック回帰SVMニューラルネットも、ぜんぶ親戚だったのかよ!って衝撃。

何度も挫折しかけてはメモ書きしながら戻って、理解できた瞬間に鳥肌が立つ。

俺にとって本書は、AIという森の入口に置かれた地図のものだった。

計算理論の基礎』

著者:Michael Sipser

PRMLとは真逆の本。ここではただ無機質なオートマトンチューリングマシンのみ。

計算ってそもそも何なんだ?」っていう根本を突きつけてくる。AIだってこの枠組みの外には出られない。

NP完全問題の章なんか読んだ暁には「世界にはどう足掻いても効率よく解けない領域がある」って現実にぶん殴られる。

AIが万能に見えても、その背後には絶対限界があるんだと分からされる。

ここを通ると、妄信的に「AI最強!」なんて言えなくなるしいい意味冷や水ぶっかけられる本。

AI万能説が唱えられる昨今、この一冊を読み理解することでAI本質理解できるようになるのは確かだ。

深層学習Deep Learning)』

著者:Ian Goodfellow, Yoshua Bengio, Aaron Courville

本書は深層学習を知るためのバイブル

PRMLで仕組みの家系図を見て、計算理論で壁にぶち当たったあと、ここに来ると「でも実際に世界を変えてるのはこっちだろ」って現実を知ることができる。

CNNがどうやって画像認識してるのか。RNNがどう文章を扱ってんのか。GANがなぜフェイクをリアルにするのか――それが手元の紙と数式の上でほどけていくと、ニュースAIが急に手触りを持つ。

もちろんクソ難しい。何度も心折れた。

でもここにいまの世界心臓部があるって思ったらページを閉じられなかった。

読み切ったあと、AI魔法じゃなくて地道な科学だって確信が腹の底に残る。

名著。

おわりに

AI勉強基本的に超しんどい

数式だらけで頭が痛くなるし、途中で本を閉じて「俺には無理だ」って投げ出したくなる瞬間が何度もあった。

だけど不思議とまた戻ってきてしまう。何故か?何故ならそこにワクワクがあるからだ。

ページをめくるたびに「うわ、こんな発想があるのか!」って驚かされる。

統計だけじゃない。論理だけじゃない。人間思考を真似しようとした末に生まれた知恵の積み重ね。

それを追体験するのは、ちょっとした冒険みたいなものだ。難しさと楽しさが同じ場所にある。

AIって結局は統計だろ?」

白状するが、当時は俺もそう思っていた。

だがそう思ってた自分が今ではちょっと恥ずかしい。

実際に学んでみればそれがどれだけ奥深く、そして人間の営みそのものみたいに豊かな世界だったかが見えてくる。

からもし、ここまで読んで「ちょっとやってみるか」と思った人がいたら、迷わず飛び込んでみてほしい。

きっと最初は溺れる。それは保証する。

でも、そのうち泳げるようになる。スイスイ泳げるようになる。それも保証しよう。

そして気づくはずだ。

巨人肩に乗って見える景色は、めちゃくちゃ美しいんだなってことを。

  • AIは 統計で「モデル」を作り、確率で「答え」を出す。 ならどう?

  • プログラムできるならCourseraでNg教授のとかやったら楽やで もう10年くらい前の話だから最近はもっといいのあると思うが

  • あなたは確率と統計? ChatGPT: うん、私はまさに 確率と統計に立脚した存在 と言えます。 1. 統計の部分 私(GPT)は大量のテキストデータを学習して、「この言葉とこの言葉はど...

    • AIに雑な質問すると雑な答えしか出てこないが雑な頭をしている人間はそれで満足してしまう

  • ① 「私は確率と統計だけでできているのか?」 基本的には Yes です。 私(GPT)は「大量のテキストデータの統計的パターン」を学習していて、答えを出すときは「確率分布」に従って...

  • 結局主張の内容の問題なんだよね 「ピアノは鍵盤を叩いて音を出すだけの単純な機構ではない。より高度な音を効率良く出すための様々な技術が使われている」 という主張なら、確か...

  • AIとはらしさ保存研究会である

  • AIを研究している人に聞きたい。 「犬と猫を区別するアルゴリズム」、っていうのか理論というのか旨く表現できない。

    • 研究はしてないけどアルゴリズムも理論も違うかな 犬と猫を区別する擬似神経回路といったところ それを作るためのアルゴリズムや理論はあるけど

      • 脳の神経回路をマネて色々やってたら70から80年かかってようやくそれっぽい動きを見せ始めました。とさ

  • 興味ないね

  • それだけだとLLMまで辿り着けなくね?

  • 「AIって結局は確率だろ?」

  • 挙げられた本、全部生成AI登場以前に書かれた、古い本じゃない? 全部読んでも、機械学習の話だけで、生成AIの説明が登場しなかったと思う。 生成AIまでちゃんと勉強したいなら、少...

  • 挙げられてる本がどれも初心者向けの名著だらけなので良心的な人だと分かる

  • 死ねAI松。

  • なんでみんな苛々してるの?

  • 統計は思ってるよりすげえぞと言うなら分かるけど、結局は統計でしょ まぁ統計舐めてる人からすると、統計の凄さが引き立つ代わりに人間の知性その他諸々が「えっ偉そうな事言いな...

    • 知能だと思ってたものは統計的なパターン認識でしかなかったのが衝撃

  • anond:20251001152931

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