歌舞伎町の「子ども食堂」がなくなる? 「駆け込み寺」元事務局長の逮捕で状況一変…資金は底をつきかけて

2025年9月27日 17時00分 有料会員限定記事
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 9月半ば、新宿・歌舞伎町にある「子ども食堂」に笑い声が戻ってきた。運営する公益社団法人「日本駆け込み寺」(東京都新宿区)の元事務局長が逮捕されて以来、4カ月ぶりの再開だった。
 ただ、補助金は打ち切られ、運営資金は底をつきかけている。閉鎖となれば、しわ寄せを受けるのは子どもたちだ。存続が危ぶまれる子ども食堂を訪ねた。(鈴木里奈)

◆「みんなでここ、買い取ろうよ」

 午後1時過ぎ。「地雷系」と呼ばれるメイクをした少女や、唇にピアスを開けた少年たち6人が、手を合わせて「いただきます」と声をそろえハヤシライスをほおばった。

子ども食堂に訪れた子どもたちにハヤシライスを運ぶ高橋さん(右)=新宿・歌舞伎町の日本駆け込み寺で

 子ども食堂に訪れた6人は、この日初めて知り合った。歌舞伎町の広場の地べたに座って談笑していた。
 茨城県から来たという、腕に大きなばんそうこうでリストカットの跡を隠した少女(14)は「久しぶりに会食した。楽しい」と笑顔になった。
 この場所がなくなるかもしれないと知ると、「みんなでここ、買い取ろうよ」。子どもたちが存続のため知恵を出し合う場面もあった。
 子どもたちと一緒に食事に来ていた男性(28)は「ここがなくなったら子どもたちの居場所がなくなる」と話す。

◆「コカイン売ってる?」の冷やかしも

 駆け込み寺は、歌舞伎町の「トー横」などに集まる若者らの相談や支援に取り組んできた。子ども食堂は毎週土曜日に開いてきた。
 それが5月に一変した。
 元事務局長が薬物を所持した疑いで逮捕、起訴された。都からの補助金も打ち切られた。

子ども食堂に訪れた少女と話す日本駆け込み寺の清水葵代表理事(右)と高橋耕一さん=新宿・歌舞伎町の日本駆け込み寺で

 事件直後は「ここでコカイン売ってる?」と冷やかしにくる人も。活動費が賄えず、子ども食堂は閉鎖せざるを得なかった。
 それでも「ご飯まだ?」と、子どもたちが訪ねてきた。食材を寄付してくれる人も現れ、9月になって再開することができた。

◆かつて通っていた少年「あそこの料理は、僕にとっておふくろの味」

 駆け込み寺の事務所は、家賃や光熱費などで月約40万円かかる。ただ、多くの人が立ち寄りやすく、場...

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