ブルーアーカイブRTA 称号「崇高」獲得まで   作:ノートン68

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変化した部分だけを書いていきます。



幕間の物語2
傭兵


アビドスの自治区内……否、現在カイザーPMCの領地と化したアビドス砂漠。

広大なその土地のある一点にカイザーPMCの前哨基地があり、その中でも1番大きな建物の中に大がらな男が窓から地上を眺めていた。

 

大がらな男はこのカイザーPMCの理事である。

砂漠の中にあるオーパーツ、つまりお宝を探す為に『軍隊』と呼ぶにふさわしい人員と兵士を使い調査している。

 

「……格下のチンピラごときでは、あの程度が限界か。主力戦車まで送り出したと言うのにこのザマだ。」

 

そんな彼は非常に貪欲であり、エゴイストであった。

本来計画に必要ない土地まで奪う為に、策謀をはりめぐらせたのだ。

だからこそカイザー系列の名だたる会社の内の理事に成れたのだろうが。

 

チンピラでは無理となると、それなりの組織に依頼する必要がある。

次の手を打つとするか。

そう考えていた矢先、ドアからノック音が鳴った。

 

「……入れ。」

 

そう言えば今日は奴から雇った傭兵が来る予定だった。

思い出すと頭痛のする出来事を可能な限り思考の隅に追いやり、入室を許可する。

 

ゲマトリア。

自分たち(カイザーコーポレーション)より遥かに深い、裏の世界で活動している恐ろしい組織の存在。

 

元々契約を結んでいた黒服だけならいざ知らず、最近もう1人増えてしまった。

黒服も恐ろしいが奴も恐ろしい。

まるで命を握られるように、主導権を取られたのはハッキリ言って屈辱だった。

 

ドアから4人の人影が入室してきた、一体どんな奴を傭兵に出してきたのか────

 

「私達は(確か名前は)カラカラヘルメット団だ。ここで少しの間世話になる。」

 

入ってきたのは青ヘルメットを被った色物集団だった。

……ヘイローがある事で生徒なのは確かだ。

 

「どんな化け物が来るのかと思っていたが、普通の学生。それもヘルメット団か。」

 

安堵そして落胆。

得体の知れない化け物を押し付けられることを危惧していたが、まさかただのチンピラ達だとは。

 

アビドス砂漠の視察という理由で傭兵を雇ってくれと頼まれたが、本当は受けたくなかった。

それでも受けてしまったのは義理と、不正金の情報をバラされるのを嫌ったからだ。

 

「何か不満が?」

「いや。……今こちらの事情でアビドス高等学校を追い詰めていてな。」

「何人だ?その学園生の人数は。」

 

追い詰めるもなにも、実質的に昔から詰みの状態だが。

彼女達に諦める選択肢がない以上、対局を続けるしかない。

 

「5人……いや、最近になって6人に増えた。」

「それは学園の生徒と言っていいのか?殆ど廃校なのでは。」

 

普通そうだよな。

と心の中で相槌を打ちつつ、理事は思った。

案外話せる相手だな、普通の生徒を相手してるみたいだ。

 

「見ての通りこの地は砂嵐の影響が強くてな、

生徒達に多額の借金を背負わせ後は時間の問題だったんだが……

シャーレの先生が出てきた事で少し事情が変わった。」

「シャーレだとッ!?」

「ふむ、知っていたか。」

 

超法規的機関(シャーレ)と揉めて、面倒事にしたくない。

だが、どうせなら学校の敷地まで吸収合併したい。

そして奴に借りを作りたくない。

この時既に、理事は傭兵を戦闘に出さない事を決めていた。

 

「そういう訳だ、いざこざに巻き込まれたくなければ大人しくすることを推奨する。」

「……分かった、其方の指示に従おう。失礼する。」

「理解が早くて助かる。」

 

パタリと静かにドアが閉まる。

理事だけの部屋に戻り辺りの静寂が際立つ。

 

元々期待(良くも悪くも)はしていなかったので彼女たちについては問題ない。

好きに探らせてやろう。どうせオーパーツは自身の物になるのだから。

 

しかし、アビドス高等学校に私兵をけしかける訳にはいかない。

あそこはまだアビドス自治区だ。勝手に手を出せば此方がルール違反になる。

この状況でコネの中で誰が適切なのか、理事は次なる一手を模索し始めた。

 

──────────────────────────

 

コツコツと4人分の足音が響き渡る廊下。

カラカラヘルメット団、またの名をチームⅤはこれからの動きについて話していた。

 

「良いんですか、リーダー?戦闘に参加出来なくて。」

「目的は情報収集だ。『シャーレ』と『デカグラマトン』、この2つの情報さえ手に入れば良い。」

「先生の戦闘データはドローンでも取得できますもんね……」

 

それがオーナーの、彼直々の依頼だ。失敗は許されない。

『シャーレ』に関しては運が良い。

最悪シャーレのオフィスに張り込みすることも考えたが、一度に目的を達成出来る道が見えてきた。

『デカグラマトン』の預言者も、この付近に居ることは分かっている。

 

「戦闘しないなら楽でいいじゃん。」

「口を慎めメンバー1……この近くに土産屋なんてないぞ。」

「マジですか。」

 

カイザー理事の言った通りここは辺り一面が砂に覆われている。

住人は消え、返せど減らない借金生活はとても虚しいだろう。

それでも彼女達(アビドス)が復興作業を諦めず、先生という未知の存在を加味しても今までそれを続けてきたことに対して、

少なくとも彼女達(アビドス)に僅かな賞賛を送っていた。

それはそれとして、敵対した時は手加減しないが。

 

「事前情報によれば、この辺りは稀に『デカグラマトン』の預言者が出現するそうです。」

「な、ならやること自体は有るんですね……?」

「ちぇー。ま、サボるつもりはないけどさ。」

「───では作戦を始める。」

 

全員コンディションは良好だ。

彼の為に働くこと、それが今の彼女達の生きる意味なのだから。

 

──────────────────────────

 

所変わってアビドス校舎内。

そこでは誘拐されたセリカを取り戻し作戦会議を執り行っていた。

 

1年生の進行係であるアヤネの発言から始まった。

 

「皆さんお疲れ様です。セリカちゃん、ケガはない?」

「うん、大丈夫よ。もう完全に回復したんだから。」

 

覇気はあるものの、その足取りはおぼつかない。

危険だと判断した先生はシロコにアイコンタクトを取った。

 

「ん、セリカは私が保健室に連れていく。」

「ちょっ、私は大丈夫だってば!!」

 

俗に言う米俵担ぎでセリカを強引に運ぶシロコ。

口では強がっているが、セリカは相当消耗しているようだ。

 

「先生がもうシロコちゃんと目で話せる位仲良くなって、おじさんは感激だよ〜。」

「ん、当たり前。」

「早く行ってあげてください……」

 

ギャーギャーと賑やかな声が遠ざかっていく。

少し微笑ましいと思いつつ議題を進めるよう促した。

 

「はい、その前に有難う御座いました先生。」

「うんうん。先生のおかげでセリカちゃんを追跡することが出来ました。やっぱり凄いです☆」

「……それと、皆さんコレを見てください。」

 

セリカを拉致したヘルメット団が使用していた戦車の仕様書だ。

部品名の殆どにマーカーが引いてあるが……

 

「あの戦車の部品を確認したところ、キヴォトスでは使用が禁止されている違法機種だと言うことが判明しました。」

「ヘルメット団が持つにはあまりにも強力な兵器ですね。」

「はい、なのでこの部品の流通ルートを分析していきましょう。」

「よし、じゃあじっくり調べて見よっかー。」

 

後日彼女達は原作と同じように闇銀行を襲うことになる。

しかし無事に得た資金調達の資料には明確な証拠は残っていなかった。

 

それもそのハズ、真っ黒な資金は洗濯機により洗浄されているのだから。

彼女達が手がかりを掴むのはもう少し先の話である。

 




今話の原作変更点
・カイザーPMCが資金洗浄に手を出したせいで資金の足取りが掴めない。
・カイザーPMC陣営にカラカラヘルメット団(チームⅤ)が加入。
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