Rimworld入植者(脱出済)のキヴォトス日記   作:運輸省

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弊社も本格的にお盆休みに入って筆が進むので初投稿です。今回はちょっと短めでしてよ。


3話 テストが終わった後の独特の解放感って癖になりますわよね

第一次特別学力試験 当日

 

 

遂に、試験当日がやってきた。

 

教室の机は必要な物以外後ろに寄せられ、黒板にはデカデカと書かれた『第一次特別学力試験』の文字と、試験時間が記されている。

 

そして、試験を受ける5名、ヒフミ、アズサ、ハナコ、コハル、そして千代田は緊張の面持ちで机についていた。

 

 

「……っ」

 

「うぅ……」

 

「ふふっ」

 

「……」

 

「(腹減りですわね……( ´•ω•`))」

 

 

なんか若干1名別の事を考えてそうだが、とにかく先生が登壇する。

 

 

“えーと、試験時間は次のチャイムが鳴ってから50分。私が「開始」って言ったらペンを取って書き始めて、「やめ」って言ったらペンを置いて答案用紙を裏返してね”

 

「じゃあ、問題用紙と答案用紙配りまーす」

 

 

脇に控えていた上遠野が、手に持った2枚組のプリントをそれぞれの机に配る。

全20問、部分点ありで100点満点のテストだ。

 

 

“じゃあ、落ち着いて頑張ってね”

 

「と、当然よ!エリートの力を見せてやるんだから!」

 

「あ、あはは……頑張ります」

 

「ふふっ、はい」

 

「準備は完璧」

 

「(盛大に腹が鳴る音)」

 

 

……全員の視線が千代田に向く。

 

 

「……チヨ、なんでアンタそんなお腹空いてんの?」

 

 

コハルがあきれた表情で千代田に問いかける。

 

 

「テスト直前だと思ってずっと勉強してたらお昼食べ損ねてしまったのですわ^〜……そろそろお腹と背中がくっつきそう」

 

「空腹のままじゃ普段の本領を発揮できない。プロテインバーがあるけど、食べるか?」

 

「えっもしかしてアズサさんって天使ですの? このご恩は千代田家の名誉にかけていつか必ずお返ししますわ」サクサクサクサク…

 

「はいはい、終わったら早めの夕飯行こうね」

 

 

チャイムが鳴る。

 

 

“ほら、やるよ!始め!”

 

 

 

 

──────

───

 

 

 

 

 

 

トリニティ某所

ラーメン屋『濃厚とん○つ豚無双』

 

 

「(FXで有り金全部溶かしたペロロ様のような顔)」

 

「お待たせしましたー、濃厚無双ラーメン海苔トッピング2つでーす」

 

「ありがとうございまーす」

 

 

おしゃれなカフェや喫茶店、高級料理店が立ち並ぶトリニティの外食産業だが、ごく少数ではあるものの、これらの流れに真っ向から逆らう飲食店も存在している。

 

トリニティ本館から歩いて20分ほどの距離にある飲食店街の裏通りにひっそりと佇む、この『濃厚と○こつ豚無双』もその一つである。

うっひょ〜〜〜〜〜〜!*1

 

 

千代田と上遠野の2人は試験終了後、夕飯を食べるためにこの店にやってきていた。

で、肝心の試験の結果だが……

 

 

「(FXで有り金全部溶かしたペロロ様のような顔)」

 

 

既にこの顔でお察しのことだろう。

 

 

「チヨちゃーん、麺伸びるよー」

 

「……はっ、悪い夢を見ていたようですわ。危ない危ない、明日の一次試験に向けて精を付けないとですわね」

 

現実だよー。もう試験は終わったし5名中4名が不合格で合宿決定だよー

 

わァ…………ァ……

 

泣いちゃった

 

 

ヒフミ:72点 結果───合格

アズサ:32点 結果───不合格

コハル:11点  結果───不合格

ハナコ:2点  結果───不合格

カスミ:52点 結果───不合格

 

 

と、まあ……上記のように散々な結果になった。

 

まだマシ(当社比)な点数のアズサはともかくとして、コハルは懲りずに上級生用の試験を受けたようだし、ハナコに至ってはもはや謎だ。答え合わせを行った上遠野が、自分が間違えたかと勘違いして2回答え合わせをやり直したほどである。

 

そして、一見一番惜しく見える千代田だが……他のメンバーとは違い、日中もほぼ全てテスト勉強に充てた上でこの点数である。しかも、テストの内容はやはり小テスト並み。

 

アズサ、コハル、ハナコと問題児3人に突っ込みまくっていたヒフミから、

 

 

「おっ……おお、お、惜しかったですねチヨちゃん……?」

 

 

とシンプルに慰められたのが一番辛かった、と千代田はのちに語る。

 

 

「うぅ……私を慰めてくれるのはこのバカみてえな濃厚スープぐらいですわ……」ズズー

 

「何言ってんだか……てか、チヨちゃんこういう店知ってるんだね。てっきりトリニティ生ってみんなカフェとか喫茶店とかしか行かないのかと」

 

 

上遠野が店内を見渡す。

黄ばんだ壁紙に、色褪せたポスターとお品書き。給水機の文字は掠れて殆ど見えず、プラスチックのコップは何個かひび割れている。

他の客もいないようだ。

 

 

「大体の方はそうですわよ? 私に関してはとにかく燃費が悪いものですから、あんなシャレオツだけが取り柄の量が少ない料理どもだけじゃガス欠でぶっ倒れちまいますの。だからこういうカロリーと塩分まみれの料理が好きですのよ。あと牛丼とか混ぜそば」

 

「なるほどねぇ……ねえチヨちゃん」

 

「ん? なんですの?」

 

「今グルメサイトでこの店調べてたんだけどさ、なんか『スープに虫が入ってた』とか『麺の中に髪の毛が入ってた』とかで☆1なんだけどこの店。頼んでから言うのもなんだけど、大丈夫なの?」

 

「ああ、大丈夫ですわよ。一回それで厨房に乗り込んで店長土下座させたことありますから」

 

「大丈夫じゃないよ? 何やってるのさ」

 

「いや、前にカウンター席に座ってた別の客が同じ理由でキレて卓上調味料全部倒した事がありまして、その方と一緒に───」

 

 

今回は運が良かったのか、虫も髪の毛も混入しているなんてことはなかった。

 

 

 

会計を済ませ、ホテルへと向かう。

 

 

 

「あ、そうだ。一応共有しておくね」

 

 

街灯に照らされた飲食店街を歩く最中、上遠野がふと思い出したように口を開いた。

 

 

「何かありまして?」

 

「なんだっけ、『通功の古聖堂』って建物にウチの建設部門が入って耐震工事するって話あったじゃん」

 

「ああ──────ありましたね? 調印式後まで延期になって、持ってきちゃった資材をシスターフッド所有の空き地に置いてるって話だったと記憶してますが」

 

「…? そうそう、そこに追加の資材運び込んでた陸上輸送班のコンボイがスケバンの襲撃受けたみたいでさ」

 

「えっ。いつの話ですのそれ」

 

「一昨日。で、なんか正実も交えて話し合った結果、第二小隊をこっちに配備してコンボイの護衛をする事になったんだって」

 

「第二小隊、っていうと、マクルさんが隊長してる」

 

「そうそう。あの走り屋が隊長してるとこ」

 

 

警備部門第二小隊。

87式偵察警戒車2輌、M-ATV4輌、BTR-80 4輌を伴う機械化歩兵ユニットだ。車両乗員を除く歩兵戦力は35名。

元々、『即応部隊』として編成されていた部隊である。

隊長を勤めるのは東名マクル。新しい車を買う資金を貯める為にDEGに入社した、元D.U.の走り屋である。

 

 

「……装輪車とはいえ、装甲車複数を含む部隊がトリニティに入る事がよくOKされましたわね」

 

「詳しいことは聞いてないけど、社長と営業部のサギさんが交渉のテーブルについてたらしいから、まあうまいことやったんじゃないかな」

 

「大人って怖えですわねぇ……」

 

「サギさんまだ3年生でしょ」

 

「あの色気で高校生とか教えはどうなってますの教えは」

 

「なんの教え?」

 

 

2人はそんな話をしながら、ホテルへの帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに『濃厚とんこ○豚無双』さんはこの数日後に美食研究会の手によって爆破されました。

悲しいね。

*1
SUSU○U TV並感




Tips:NOC小隊の食べ物の好み

野田ショウコ → 糖分。コーヒーはM○Xコーヒー派。

上遠野ミミ  → 手軽にパッと食べられるもの。

千代田カスミ → 味の濃いもの。最近はアビドス中央駅前の紫関ラーメンが気になっている。あとは大天使ミカ様が好むミルフィーユの正統派パフェ。

皆屋ライ   → ジャガイモ料理。DEGの社員食堂のメニューにジャガイモ料理を追加するよう要望中。
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