結婚して海外移住、親の介護で帰国 日本国籍奪われた教授に判決は?
結婚してカナダに移り住み、現地の国籍を取得した。10年後、親の介護のため帰国しようとして、日本国籍を失っている事実を知った――。国籍法の規定は違憲だとして大学教授が国を訴えた訴訟の判決で、大阪地裁(横田典子裁判長)は30日、請求を退けた。
原告の京都先端科学大教授の清水裕子さん(60)は東京生まれで、2008年に結婚相手と同じカナダ国籍を取得。自分の意思で外国籍を取ると「日本国籍を失う」という国籍法11条1項の規定で、日本国籍を失った。がんを患った父の依頼で帰国しようとした18年、現地の日本領事館に長期滞在の相談をして、その事実を知った。
手続きの混乱で帰国後に「不法滞在」となり、海外出張などができない期間があった。カナダ人として在留資格を得たが、日本人のアイデンティティーを失ったとして、日本国籍があることの確認などを求めていた。
訴訟で原告側は「何人も外国に移住し、国籍を離脱する自由を侵されない」とした憲法22条や幸福追求権を定めた13条などから「国籍を離脱しない自由」もあると訴えたが、判決はそうした権利が積極的に保障されているとは言えないとした。
また判決は、国籍を得たり失わせたりする要件をどうするかは「立法府(国会)の裁量に委ねられている」と指摘。海外の自国民を誰が守るかという「外交保護権」や兵役・納税義務の衝突といった、「重国籍で生じうる種々の弊害」を防ごうという立法目的は「合理的」で、裁量の範囲内だと結論づけた。
欧州で起業、米国で弁護士…同種訴訟は
外務省によると、海外に永住する日本人は昨年10月現在で約58万人いて、30年前の1995年(26.8万人)の2倍以上になった。日本国籍のまま居住国の国籍も取りたいというニーズも増えているとみられる。
近年は欧州で起業した人や米国で弁護士として活動後に帰国した人たちが同種訴訟を起こしたが、同様に原告敗訴の判決が続いている。
判決後に会見した清水さんは…
- 【視点】
韓国の場合は兵役の義務があるのでさらに厳しい気もします。私も外国人として韓国で暮らしていて不便を感じることが多く、永住権の取得を考えることもあります。永住権が欲しいというよりも、できるだけ外国人という理由で制限を受けずに活動したいからです。
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