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ひとりきりの挽歌/Novel by しをに

ひとりきりの挽歌

4,579 character(s)9 mins

オリンピック。結束いのりが狼嵜光に競り勝って金メダルを獲得したのち、憔悴した夜鷹純を見た明浦路司は「俺の残りの人生なら貴方にあげられます」と告げる。互いの生徒の指導が終わると、司はフィギュアスケートのコーチを続行し、夜鷹はふたたび表舞台から姿を消し、共同生活を営むようになる。そうしてふたりの人生は交わりはじめるが、次第に夜鷹は精神に変調をきたしていく。

明夜(→フィギュアスケートの運命の女神)でシリーズものです。
夜鷹純は明浦路司がいるかぎり、絶対に孤独になれないところが好きです。夜鷹がどんなに世界を拒否しても、これからきっと司とどれだけ話し合えなくて、分かり合えなくても、傷つけ合っても、離れてしまっても、お互いが人生を賭けてきたフィギュアスケートという競技のなかにお互いがいるから、この世でひとりになるのが一生むずかしい。司のスケートがあるかぎり、夜鷹はこの世で絶対にひとりになれません。そのことが名港杯での最初の邂逅から約束されているところが、狂おしいくらい好きです。このふたりの関係は、ずっとわたしの希望です。
シリーズのタイトルN'importe où hors de monde / I'll take you everywhereは「どこへでもこの世の外へなら」「どこへでも貴方を連れてゆく」という意味です。前者は言わずと知れたボードレールが、後者はPenfoldの曲が元ネタです。
「どこへでもこの世の外へなら」とうずくまる夜鷹に、「どこへでも貴方を連れてゆく」と手を伸ばす司が書きたいです。

遅ればせながら夜鷹純の誕生日に捧げます。生まれてきてくれてありがとう。
捏造の激しいファンフィクションですが、お付き合いいただければ幸いです。

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 すべてを失っても私には神が残っている。もし神を失うとすれば私はあなたを見つける。巨大な夜と太陽とを同時にもつことはできない。
(マルグリット・ユルスナール「火:散文詩風短篇集」)

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  • Mar 4th
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