アフガン全土でネット遮断、国外との通信途絶 タリバンが「道徳的措置」強制

29日のアフガニスタン全土での通信遮断を受け、住宅の屋上に設置された通信アンテナ/Wakil Kohsar/AFP/Getty Images

29日のアフガニスタン全土での通信遮断を受け、住宅の屋上に設置された通信アンテナ/Wakil Kohsar/AFP/Getty Images

(CNN) アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバン政権が「道徳的措置」の一環として全土でインターネットを遮断する措置を講じ、4300万人あまりの国民が世界とのコミュニケーションを断絶された状態に陥った。

インターネット監視団体のネットブロックスは29日のX(旧ツイッター)への投稿で、同日午前にかけて複数のネットワークがつながらなくなったと伝えた。影響は電話サービスにも及び、「インターネットの完全停止」状態にあるとしている。

タリバン政権は2021年に再び実権を握った。今回の大規模かつ徹底した通信遮断で、アフガニスタン国民が世界から一層孤立する懸念が強まっている。

北部バルフ州の知事は今月に入り、タリバンのハイバトゥラー・アクンザダ最高指導者が「光ファイバーケーブルの全面禁止」を命じたと述べていた。

声明では「今回の措置は不道徳な行為を防止するために講じられた。国内で必須のニーズに対応するための代替システムを確立する」としている。「不道徳な行為」の具体的な内容は明らかにしなかった。

影響はアフガニスタンの報道機関にも及んでいる。首都カブールの放送局トロニュースは、遮断の影響で同局や系列局の運営に大きな支障が出ているとXへの投稿で伝えた。

国外に住むアフガニスタン人や活動団体にも懸念が広がっている。

デンマーク在住のアフガニスタン人ジャーナリスト、ワヒダ・ファイジさんは29日、家族と連絡が取れなくなったことに不安を募らせ、「アフガニスタンでインターネットが遮断されてからまだ数時間しかたっていないのに、まるで一生のことのように思える」とCNNに語った。

「毎日仕事が終わると母と父の声を聞いて安心していた。いつもアフガニスタンのインターネットの遅さに文句を言っていたけれど、そんな欠陥のあるインターネットやちょっとしたビデオ通話でさえも大きな喜びだったんだと今になって気付いた」とファイジさんは話す。

アフガニスタンの女子教育にも壊滅的な影響が及ぶ恐れがある。

タリバンは小学6年生以降の女子が学校に通うことを禁止した。このため国外の教育団体や慈善団体が提供するオンライン授業だけが頼りという女子も多かった。インターネットが遮断されたことで、そうした教育の機会さえ奪われかねない。

米国を拠点とするアフガン女性支援団体WAWのサビナ・チャードリー氏はインターネット遮断について「何百万人ものアフガン人を黙らせるだけでなく、外の世界とつながるライフラインを壊滅させる」と危機感を示した。同団体はアフガニスタン国内にいるスタッフとも連絡が取れなくなっているという。

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