外国人が奈良のシカ蹴る?発言の根拠問われ高市氏「自分なりに確認」
奈良公園(奈良市)のシカをめぐり、高市早苗前経済安保相(64)が、外国人観光客の中に「足で蹴り上げるとんでもない人がいる」と発言したことが波紋を広げている。高市氏は24日の自民党総裁選の討論会で根拠を問われ「自分なりに確認した」と説明。奈良県の担当者は「県や関係機関が把握している限り、殴る蹴るといった暴行は確認されていない」としている。
高市氏は22日の演説会で、「奈良の女としては、奈良公園に1460頭以上すんでいるシカのことを気にかけずにはいられない」とし、外国人観光客の中には「足で蹴り上げる、とんでもない人がいる。殴って怖がらせる人がいる。外国から観光に来て、日本人が大切にしているものをわざと痛めつけようとする人がいるんだとすれば、何かが行きすぎている」と訴えていた。神社の鳥居を鉄棒のようにして遊ぶ人がいる、とも指摘した。
24日の日本記者クラブ主催の討論会で「根拠はあるのか」と問われると、高市氏は「自分なりに確認した」と主張。そのうえで「静かに沸々と多くの日本人の中に芽生えている不安や怒りをどう改善するかにも取り組みたい」と語った。
奈良公園内のシカは国の天然記念物でもあり、傷つければ文化財保護法違反に問われる可能性がある。奈良県警によると、1年ほど前に「シカを蹴っている人を見て注意した」との通報があった。
昨年7月ごろ、何者かがシカを蹴り上げたとされる動画がSNS上で拡散。県や県警はシカへの暴行をしないよう呼びかけた。海外からの観光客にも伝わるよう、英語と中国語でも呼びかけた。
その後、外国人がシカを暴行したとするSNS上の情報をもとに、対応の強化を求める声が県や県警に寄せられている。
一方、県の担当者は、「県や関係機関が把握している限り、殴る蹴るといった暴行は確認されていない」とする。公園内を毎日巡回している職員のほか、保護活動に取り組む「奈良の鹿愛護会」や来園者からも直接の目撃情報は寄せられていないという。せんべいを投げつけたりせんべいに群がるシカを乱暴に追い払ったりする「不適切な行為」は見受けられるとして、県は啓発活動を強化している。