クピャンスク市のベセディン行政長官は28日「敵が市内に存在するため軍人しか街に入れない」と言及、ウクライナ人が運営する情報分析グループ=DEEP STATEも「第10軍団は市内を完全に支配し『敵はいない』と言っているのに奇妙な話だ」と述べ、ウクライナ軍を間接的に批判した。
参考:10-й армійський корпус
参考:Андрій Беседін
参考:Куп’янськ повністю закрили на в’їзд, там немає світла, води й газу
参考:Куп’янськ закрили на в’їзд для всіх, окрім військових
批判の矛先がベセディン行政長官ではなくウクライナ軍に向けられているのは誰の目にも明らかだ
ウクライナ軍の第10軍団は防衛を担当するクピャンスクの状況について「ロシア軍兵士の小人数部隊が私服を着用して市内に浸透し活動している」「我が軍の兵士は対破壊工作作戦を実施して市郊外、市内の森林地帯や住宅街で敵を阻止し殲滅している」「プロパガンダやカラー地図にも関わらず敵が支配地域と呼ぶ範囲は『交戦が伴うウクライナ軍の活動範囲』だ」「敵の交戦は流動的でクピャンスク市内に敵の完全な支配地域があると断定するのは時期尚早だ」と主張しているものの、DEEP STATEの報告に基づきウクライナメディアは「クピャンスクの状況が悪化している」と報じている。
DEEP STATEはハルキウ州クピャンスク方面について26日「敵は引き続きクピャンスク西市内に浸透して存在感を強化している」「敵は特に北西市内で足場を固めてユヴィレイヌィ地区にも接近している」「我々の情報によればウクライナ軍はパイプランを封鎖することに成功した」「そのため敵はオスキル川の渡河を再開したもののパイプランを使用していた時ほど多くの戦力を送り込めていない」「但し、敵はクピャンスク西市内への攻撃、浸透、破壊、偵察を行うのに十分な数の兵士を西岸地域に蓄積済みだ」「敵のドローンや迫撃砲もクピャンスク郊外で稼働している」「民間人を装った敵兵士が北西市内を歩き回っている」と報告。
クピャンスク市のベセディン行政長官も28日、出演したTV番組で「状況は深刻で敵が市内に存在する。敵の破壊・工作部隊や偵察部隊が市内に存在するため戦闘が続いている。残念ながら現在のクピャンスク市は閉鎖地域で、あらゆる公共サービスから切り離されている。市内に入ることができるのは軍人だけで市内に残る市民の組織的な避難も非常に困難だ。今から脱出するには徒歩で市内を離れるのが唯一の方法だ。現在もクピャンスク地域(クピャンスク市ではなくクピャンスク地区のこと)には1,640人の住民がいる。オスキル川東岸地域には680人の住民が残っている」と言及。

出典:Генеральний штаб ЗСУ
DEEP STATEはベセディン行政長官の言及を受けて「クピャンスク市が完全に閉鎖されていると言うのは奇妙だ」「なぜなら第10軍団はウクライナ軍が市内を完全に支配し『敵はいない』と主張しているからだ」と述べており、ウクライナ軍が市内を完全に支配し敵はいないという指摘は「ウクライナ軍参謀本部が発表している公式戦況マップ」のことを指しており、DEEP STATEは「ベセディン行政長官の話とウクライナ軍が説明する市内の状況に大きな食い違いがある」と間接的に批判しているのだ。
勿論、批判の矛先がベセディン行政長官ではなくウクライナ軍に向けられているのは誰の目にも明らかだ。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
ポクロウシクに注力する間にクピャンスクはリーチをかけられリマン、シヴェルシク、ザポリージャは前進中
ポクロウシク見捨てられないことを利用しウ軍を突出部に食いつかせて他を優勢にする ロ軍の定石にはまってますね…
ポクロフスクが落ちたら、同市はめでたく今度はロシアが北ドネツク及びドニプロ・ザポリージャ攻める補給ハブになる
リマンはドネツ川が障壁になってスラビャンスクとの連絡は極めて脆弱だから
ロシアがヤンポリを通過して東から取り付くと実質的に逃げ道がなくなる
実は現段階で既にポクロウシク、何ならクピャンスクよりヤバげな形と言えなくもない
前衛のザリチネ・トルスケが大分あっさり風味で突破されたのが大失策
「クピャンスクにはロシア軍はいない。いいね?」
「アッハイ」
奇妙ですね、一体どういうことか検討も付きませんね。
もうウクライナ政府の主張は何も信じられないわ
こんなどうでもいい分野でも両国はソビエトの真の後継者を目指さないといけないのか?
少なくとも今はウクライナ側の情報の方が信用できない
ウクライナ側の内情が透けて見えるという点では興味深いことです。まず、情報の統制が取れていない。次に、上層部に嘘の報告が行っている可能性が高い。最後に、ウクライナは嘘情報により、戦術、戦略レベルで誤った判断に陥りやすい。
興味深いことにウクライナ側って、全領土奪還の主張を(トランプ発言と裏腹に)しなくなっています。まあ、着実に空爆の被害が増えている=防空力がかなり低下している。状況ですから、当然だと思います。
ヨーロッパも武器提供よりも中国やインド批判にエネルギーを割いている。恐らく、ウクライナ側の継戦能力とヨーロッパへの大幅な負担増が予測されるからでしょうね。
ちなみに、ルッテは昨年までの武器をどんどん送る路線の主張をステルスで引っ込めましたね。何を対象として、どんな発言や情報を出すかでだいぶ状況を整理できます。
ロシアのプロパガンダ映像でここだと思うんですが
ウクライナのドローンが兵士と話をしてる女性をドローンで攻撃してました
兵士は真っ先に異変に気付き逃げて行ったんですが、まさかこけて倒れた
女性に三基のドローンでトドメをするとは
此処の住民は親ロ人が多いと聞きます
私服で銃を持ってる人は住民の事なんですかね?
なおヘルソン地域ではロシアのドローン部隊が動くものは全て標的にしている模様。
自転車に乗った人、犬の散歩中の人、救急車、消防車、屋根を修理している男性に手榴弾を投下したりもしてますね。
コメ主殿の映像は拝見していませんが、その映像は本当にウクライナによる攻撃だったんでしょうかね?
まだオスキル川の東岸に残っているウクライナ軍部隊はもう手遅れだろとしか。
まだ大丈夫だ、トランプ大統領がウクライナにトマホークを提供してくれるから。
(僅かな希望)
オスキル川東部の部隊が『背水の陣』になりかねないというか、なっているのかもしれないなと見ています。
ドローン監視下で、急に撤退できるのか分かりませんが、ウクライナ軍上級司令部どのように考えているのか気になるところですね。
追記です。
ウクライナ軍オスキル川東部の前線歩兵、とんでもなく長期間・厳しい場所で奮戦してきたと思っています。
彼らの奮戦に報いるためにも、クピャンスク市西部が厳しくなっているのであれば、後退するのかどうか早めに決断してあげて欲しいですね。
そうですね。長く粘ってきた部隊を退却させるのは合理的な判断です。
仮に、今後反撃をしたいなら疲弊した部隊に交代要員を送るべき。消耗戦を避けたいなら撤退するべし。ロシア軍は多大な犠牲を払ってわずかな前進とゼレンスキーは吹聴しています。裏を返せば、ウクライナ軍は後退を繰り返す状況を改善できていないということです。
そうなる要因は確実に部隊の疲弊が大きな要因の一つであり、それを避けるために不利な場所から撤退すべきでしょう。
仰る通りです。
『英雄』が、どんな扱いを色んな人が見ていると思うんですよね。
教導をやりつつ休息させたり、彼等の経験を伝える事が求められてると思っています。
経験豊富な部隊を言っては悪いですが、地元の行政が届かないほど荒廃した地域に留める価値ってあるのかな?と思います。
あるとしたら、兵力が潤沢かつ極めて要衝という条件くらいでしょうが、、、、
ウクライナは兵力は減っている(遺体交換数の差を考えると、ロシアより被害が多いと思われる)。新規兵力は増えない。ローテーションもない。と撤退して、優秀な部隊を温存すべき局面なんですよね。守備側がこの状態は本当に問題があります。攻者3倍原則からすると、ロシアを追い払わなきゃ行けないのに浸透されるわけですから。
いずれにせよ、失敗を認めない。成果は過大に宣伝する。兵士よりも見栄えを重視する。戦争終結後のウクライナは相当荒れると思います。仰る通り、英雄をここまで使い捨てするわけですから。
仰る点、理解できます。
ロシア囚人兵の除隊後、特に報道されていましたが、ウクライナ側も同様の問題が必ずでると考えています。
キーウなどで、退役軍人の問題は、すでに言われていましたね。
戦後は、国内に大量の武器があるうえに、戦後経済もなってみたいと分からないですから大変でしょうね…。
アルメニアは手早く停戦して、こういったリスク回避したと感じています。
兵士側に相当な怒りが溜まりやすい状況だろうと思います。
退却判断の遅れで無駄に殺される仲間。戦争遂行支持!だけ叫びながら、誰も前線に志願しない市民たち。華々しい成果の誇示や口先だけでまともな判断をしてくれない指導層。反発が溜まるでしょう。
戦争経済が弾ければ、景気が後退するは普遍的な現象です。ロシアもそうなりますが、ヨーロッパも必ずそうなります。まして、低成長が常態化。インフレ率。北欧やフランスの経済指標悪化。とすでに爆弾が見えるヨーロッパに戦後、ウクライナ復興に投入できる余力があるのかどうか。
現在見えているラインでは、ロシア有利な決着は間違いありません。土地すら奪われるのに、賠償請求などできるわけもない。
ルッテがインドがロシアに圧力をかけた的な妄想を話したことからわかるようにNATOも余力はあまりないのでしょう。ゼレンスキーもルッテもフォンデライエンもスターマーも調子に乗りすぎたんです。堅実な思考ができなくなった結果、戦後まずい状況になるのは明白だと思います。
参謀本部は有志の分析グループとは違ってモロに政府の機関だから、どう考えても政治的バイアスを含んだ結論になりがちなんだよな
自営業や個人事業主とサラリーマン、どちらが自由かつ正確にモノを言えるのかを考えれば、自ずと答えは出る
ただ、前者もスポンサーや支持者の意向を完全には無視出来ないから、情報を信じるか信じないかはアナタ次第です(関暁夫)
>関暁夫
彼の名前が付くだけで信憑性が、いや、信じます(キリ!)
「劇画ヒットラー」の独露会談の一場面、英国の爆撃が始まりリッペントロップに防空壕へ入るように促されたモロトフが、「負けた国が爆弾を落とすのか」と嫌味を言う部分を思い出します…。