僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

54 / 56
カンムリ雪原編
新章開幕!ダンデを探せ!


 

 

ナックルスタジアムにて。ジムリーダー・キバナと挑戦者・アマネが握手をしていた。

 

 

「良かった、ダブルバトルの勉強してて…」

 

「いやいや、勉強もへったくれもないだろお前の戦法は。なんだあのカイオーガってポケモン。ダイマックスしてねえのにバカみてえなパワー出しやがって」

 

「あはは…」

 

 

キバナとの勝負に勝ったアマネは、これにてガラル8つのジムをクリアしたことになる。よってセミファイナルトーナメントへの挑戦権を得たのである。

 

 

「いやあ、大したもんだぜ!フェアリータイプみたいなツラしてるくせにえげつないポケモン使いやがってなあ!」

 

「そんなことないですよ…僕は僕にできることを探してやるだけですよ」

 

「それがえげつねえって言ってんだ。そうだ、ツーショット撮らねえ?お前とならバズると思うんだよなー」

 

「良いですよ!」

 

 

ツーショット写真のためにアマネとキバナの距離が近づいた瞬間。キバナに鋭い飛び蹴りが放たれた。

 

 

「いってえ!!なんだ、奇襲か!?」

 

「………」

 

「レッドさん!」

 

 

アマネのバトルの師匠にしてアマネ強火担、レッドである。レッドはブルーがカントーに帰ってからもガラルに残っていた。そのまま永住するんじゃないか、とブルーからは呆れられていた。

 

 

「なんだお前…見ないトレーナーだな」

 

「キバナさん!えっと、僕にバトルを教えてくれたレッドさんです!レッドさん、何やってるんですか…」

 

「………(ジロリ)」

 

「あのねえ。ツーショット撮るんだから距離は近くなりますよ。それにキバナさんは色んな人と写真撮ってますから」

 

「………(ムー)」

 

「へえ、ずいぶんアマネのことが好きなんだな?そりゃいいこった。んで?俺様と写真撮るの?撮らねえの?」

 

「撮ります!どうせだしレッドさんも写りますか?」

 

「………(フルフル)」

 

 

メディアを嫌うレッドを置いて、アマネとキバナは撮影をすることに。ドラゴンのようながおーポーズをして、パシャリ。それにキバナがさまざまなハッシュタグをつけて、ネットに投稿した。その瞬間。

 

 

「アマネくんっっ!!」

 

「うわ来た。ユウリじゃん」

 

「ユウリさん!ナックルシティに来てたんですか?」

 

「ううん、エンジンシティにいたけど…写真見て飛んできちゃった!」

 

 

ちなみにこの飛んできた、というのは読んで字の如くである。そらとぶタクシーを差し置いて手持ちのドラパルトで飛んできた。

 

 

「すごいね、アマネくん。キバナさんにも勝っちゃって…これでいよいよセミファイナルに行けるね!」

 

「はい!正直僕がここまで行けるとは思ってませんでした…ポケモンたちのおかげですね」

 

「もう!卑下しないの。アマネくんの強さは本物なんだから!あ、電話…」

 

 

ユウリに電話がかかってきた間もレッドはアマネのそばにぴたりとくっついていた。レッドのアマネへの矢印はとんでもないでかさと重さなので、ここでは到底記せない。

 

 

「ユウリ、何の電話だったんだ?」

 

「キバナさん…それが、ダンデさんがいなくなったって…」

 

「はあ!?」

 

「どういうことですか!?」

 

 

ユウリに電話をかけてきたスタッフの言うことには、いきなりダンデが消えたのだという。ダンデはリーグ委員会のビルにある委員長室で執務をしていたのだが、スタッフが休憩のティーセットを持ってくると、忽然と姿を消していたとか。しかし廊下の監視カメラにもダンデが出て行った痕跡はなく。

 

おまけに何も書き残されたものもなく、委員長室にも何も痕跡がなかったことから、ダンデは文字通り消えてしまったのだと推測されていた。

 

 

「どうしよう…ダンデさんがいないとトーナメントとか色々できないのに…」

 

「電話は?」

 

「かけても出なくて…」

 

「そうか…俺様からも電話してみるぜ。」

 

 

キバナが電話をかけるも、ダンデからは応答はなく。キバナは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

 

 

「最悪だな…ダンデほどのやつが何の痕跡もなく消えたとなると、事件以外の何物でもねえ。ネットで呼びかけてみるが…」

 

「あ、また電話…ピオニーさんから?」

 

 

ユウリがまた電話に出る。しかし今度は興奮した様子で戻ってきた。

 

 

「キバナさん!ダンデさんの目撃情報が!」

 

「なんだと!?どこで!」

 

「カンムリ雪原で、ダンデさんらしき人を見たって…」

 

「よし、探しに行くぞ!」

 

「何言ってるんですか、キバナさんはジムリーダーの仕事あるでしょ!?と言っても私もチャンピオンの仕事あるけど…」

 

「じゃあ、僕が探しに行きます!」

 

 

ダンデ捜索に名乗りをあげたのは、アマネだった。ダンデの行方不明は、ガラル全土を揺るがすニュースだ。それをアマネはすぐにでも解決せねば、と思ったのだ。

 

 

「本当!?いいの、アマネくん?」

 

「はい。僕としてもセミファイナルトーナメントは楽しみですし…それにユウリさんたちも忙しいんでしょ?だったら僕くらいしか動けないと思いますし…」

 

「うう、ありがとうね…カンムリ雪原はこのチケット使えば行けるから!あと何かあった時のためにお金!」

 

「だからポンと10万円渡してくるのやめてくれません?」

 

「………(フンス)」

 

「レッドさんも来てくれるんですか?嬉しいなあ、頼りになりますね」

 

「………(コクコク)」

 

 

こうしてアマネとレッドは、行方不明になったダンデの捜索のためカンムリ雪原に行くことになったのだった。




キバナさん
アマネのカイオーガ様に理不尽に叩きのめされた人。ちなみに具体的にはどうなのかと言うと

・カイオーガ様にイーブイがてだすけ
・その状態でしおふき
・当然雨状態なのでとんでも威力が出る
・おまけに事前に激辛カレーを食べていたのでしおふきにやけどの追加効果あり
・雨が切れたらダイマックスでまたとんでもパワーを撃つ

こうです。理不尽ですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。