翌日、合宿開始。
スティーブたちは合宿所を見回っていた。
アズサがこの施設の問題点や感想を語っていたが、あの見方は軍事部の連中のそれと同じだ。
裏切り者尾見つけるためなら基本好きにしても良いとナギサから言われてるので、ちょっと後で仕掛けてみるか。
そんでもって、最初にやることは掃除という名のマインクラフター好みに改造と言うことになった。
バシャ!
ザッ ザッ ザッ
「雑草が一瞬で片付いてる…!」
「この水、いろんな法則を無視してる気がするのですが‥‥‥。」
<カイ>この辺のガラクタは焼いて鉄塊にしとくよ。
<サニー>りょうかーい、あ、焼いた時の経験値貰っても良い?
というように、周囲の草むしりやらガラクタ集めはマインクラフターたちが一瞬で終わらせた。
そして、居住区の掃除はというと‥‥‥
<アレックス>大幅改築
ボココココココココッ*1
<スティーブ>タイルはネザーとエンドの組み合わせに
コツッ コツッ コツッ コツッ コツッ コツッ
[↓参考画像↓]
続いて、ロビーは‥‥‥
<サニー>トライアルチャンバー風はどうよ!
<スティーブ>こりゃいい、上に通路も追加してもっと利便性良くしよう。
コツ コツ コツッ
ボコッ ボコボコボコ…ポコッ
というように、案の定マインクラフターたちが、改造。
元々あった豪華な感じがダンジョン風な建物になった。
[↓参考画像↓]
続いて、寝室・教室の掃除は…まぁこいつらに任せるとして。
体育館とキッチンはさすがにそのままにしておく。綺麗だったし。
<スティーブ>ということで掃除終わり。
「良いんじゃない‥‥‥?ずいぶんきれいになったし…一部の部屋はあれだけど‥‥‥。」
「‥‥‥悪くは…ないな。」
「そ、そうですね、お疲れ様でした!」
「あ、まだ1か所だけ残ってますよ。」
<スティーブ>プールならわざと残してる、丁度良い勉強の機会になるだろうからね。
「「「「?」」」」
補習授業部一同は疑問符を浮かべながら現在汚水が溜まっている以外は四角いモノに置き換わってる屋外プールにやって来た。
「これは‥‥‥?」
ヒフミが見る方向には謎の機械があった。
<カイ>ということで今から科学実験をしまーす!あ、ちゃんとためになる話もあるからしっかりと聞いておいてね。
「科学?」
「実験?」
皆が困惑する中カイが続けてチャットする。
<カイ>今回必要なものは水素3個、ナトリウム1個、炭素2個、酸素2個です。
「えっ、いや、急に始められても‥‥‥」
<カイ>さて、これらを化合物作成器に入れるのですが、ここで問題!
ジャージャン!
「って、変な音が鳴った‥‥‥。」
<カイ>これらによってできる化合物は何でしょうか?お書きください。(本と羽ペンを渡す)
「えーっと…(使う物にナトリウムがあるから、答えは〇〇ナトリウムになるとして、となると‥‥‥)」カキカキ
「ふふっ…これは確か‥‥‥。」カキカキ
「えっと‥‥‥。」カキカキ
「‥‥‥これだな。」カキカキ
<カイ>はい、ということで回答が出そろったので答えを発表しま~す。
そうして、カイは化合物作成器から完成した化合物を1スタック取り出す。
<カイ>ということで正解は酢酸ナトリウムでしたー!!
「ふぅ、何とか正解しました‥‥。」
4人の回答を見ると、ヒフミとハナコは正解。
アズサとコハルは炭酸水素ナトリウム*2と書いて不正解だった。
まぁ、分かる間違いだ。
<カイ>この出来た酢酸ナトリウムを4つ実験テーブルに置いて結合させると、このように氷の爆弾が出来る
そうして、実験テーブルからは水のエフェクトと共に氷の爆弾が排出された。
「アイスボムか、敵を凍らせるのに便利そうだな。」
「いや、さすがにそういう使い方じゃないと思いますよ、アズサちゃん。」
<カイ>そうして、出来た氷の爆弾をこの汚水にぶつける。すると、
パリン
<カイ>こうなる。
「いやいやいや!」
「水が一瞬で凍った‥‥‥。」
「何で一瞬で凍るのよ!?」
「‥‥‥もしかして、過冷却を利用してるのですか?」
<カイ>お、正解。過冷却の仕組みの応用だよー。
「「「過冷却?」」」
<カイ>ああ、過冷却って言うのは液体が固体になる温度(凝固点)以下に冷却されても、その液体のままの状態でいる現象を指し、これは酢酸ナトリウムが過冷却状態の時に同じ酢酸ナトリウムの結晶やら衝撃による刺激を与えると、一気に結晶化して固体化する性質を利用してるんだよね。
「「「へぇ…。」」」
実際これは過冷却と言う現象をマインクラフトで学習するために作られたアイテムだ。
なお、現実では固体になる際に凝固熱を発するので火傷に注意。
ちなみに、これの性質を利用して出来たのが繰り返し使える『エコカイロ』である。
「ふむ…ためになった。」
「それで、この出来た氷はどうするのよ?」
<スティーブ>基本はシルクタッチのエンチャントが付いたツルハシで採掘するのがベストなんだけど…
スティーブたちはおもむろにスポンジ*3を取り出す。
ボシュッ ジュッ
瞬間プールの水が一瞬で干上がった。
<サニー>砂で埋めるよりも圧倒的にスポンジを使った方が一番早い。
<アレックス>だね。あ、後でスポンジを乾かすときの経験値もらえる?
「‥‥‥スポンジってあそこまで吸水性ってありましたっけ?」
「いや、多分ないわね‥‥‥。」
「あれは先生たちのスポンジが異常に吸水性に優れているだけかと…。」
「あれが常識ってわけではないんだな。汚れた水もいつかは干からびる。『vanitas vanitatum』‥‥‥それが、この世の真実。」
ということで、初日は大掃除で幕を閉じた。
しかし、この夜から会議が始まる‥‥‥
<スティーブ>さぁ、議論時間だ。人狼を見つけ出そうか。
マインクラフターたちは自分たち以外がプレイヤーの人狼ゲームの言うなれば『代理会議』をやり始めるのである。
<スティーブ>ということで、2日目の議論開始!
夜遅くマインクラフターたちは会議を開く。
<アレックス>少なくとも今日の昼の様子を見るにヒフミとコハルは容疑者位置から外していいと思う。
<サニー>もしあの4人の中に居ると仮定した場合は、アズサorハナコの2宅で良いと思う
<スティーブ>「たく」のスペルミスってる。
<カイ>今夜はスキップか?私的にはアズサがほぼ確定な気がするけど。
<サニー>確かに。
<サニー>基本言語が日本語のこのキヴォトスでラテン語を理解・話せていた。ただの古文好きではないだろうね。
<スティーブ>アズサに少し試してみる。
そんな会議をしている最中、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
<スティーブ>議論中断かね。とりあえず、開ける。
そうして、ドアを開けると‥‥‥
「あ、えと、失礼します‥‥‥。その、夜中にすみません‥‥‥。」
やって来たのはヒフミだった。
<スティーブ>ヒフミか、どういった用?
「その、何だか眠れないと言いますか‥‥‥。あれこれ考えていたら、その‥‥‥あうぅ‥‥‥。」
<スティーブ>とりあえず、俺らと会話するか?生憎こっちは寝なくても死なない存在なんでね。*4
そうして、ヒフミと話すことにした。
「先生方も、今日はお疲れ様でした。」
<カイ>そっちこそ、お疲れ。結構胃痛だったでしょ?
「ええ…明日から本格的な合宿なのですが…私たち、このままで大丈夫なのでしょうか‥‥?万が一、その試験に後2回とも落ちてしまったら‥‥‥」
<スティーブ>退学だろ。
「‥‥‥やっぱり、先生方も知っていたんですね。まだ誰にも言っていませんが、そもそも言って良いことなのかも分からなくて‥‥‥。」
<アレックス>それは裏切り者についてのことも含めて?
「いっ、いえ、そ、その‥‥‥!?な、ナギサ様からはその、えっと‥‥‥。」
<カイ>別に言っても構わないよ。この部屋に仕掛けていた隠しカメラと盗聴器は全てごみ袋に入れたから。*5
「はい!?」
とにかくヒフミから話を聞くことにした。
そして、話を聞くにやはりヒフミもナギサに裏切り者の探し出しを頼まれていたようだった。
しかし聞く感じだとヒフミも容疑者リストに入ってることを言っていないな。
これだから政治は嫌いなんだよ、必要大多数のために少数を切り捨ててその結果悲劇を生むから。
<アレックス>とりあえず、ヒフミちゃんはこの件を気にしなくていい。優しすぎるがあまり自分を追い詰めてる。
「アレックス先生‥‥‥。」
<スティーブ>アレックスの言う通り、リソースを割いてると点数が減るかも。裏切り者の件に関しては何とかする。それまで、そっちはそっちでできることをやってほしい。
「私に、できること‥‥‥はい!分かりました!あ、その、私に何が出来るかは、まだ分かりませんが‥‥‥ちょっと考えてみようと思います!先生方、ありがとうございます!なんだか心が軽くなりました‥‥‥!」
そうして、ヒフミは寝室に戻っていった。
<カイ>ヒフミは確白置きしていいかも。
<スティーブ>というか確定白だね。
マインクラフターは人狼ゲームを楽しんでいる。
そして、同時刻‥‥‥
「ハナコ?こんなところで何を?」
「あらっ、アズサちゃん。まだ起きてたんですか?それに、制服で‥‥‥?」
「もうある程度寝た、だから見張りでもしておこうかと。」
「ああ、見張りなら心配ありませんよ。窓を見て下さい。」
「それはどういう‥‥‥!」
アズサは窓やドアを見る。
すると、窓やドアには謎の黒い色が強めの灰色のブロックで先が見えないどころか、外にも出られない状況になっていた。
「ネザライト*6、先生方がそう言ってました。先生方の世界に存在する貴重な鉱石で爆破に強く壊すのも特殊な道具を使わないと破壊に数時間は掛かるそうです。なので、見張りをする必要は無いかと。」
「‥‥‥。」
「‥‥‥アズサちゃん、あまり無理はしないでくださいね。では」
そうしてハナコは寝室に戻っていった。
「(まさか、ここまで先生方がやるなんて‥‥‥)」
「(外で接触する可能性をあの先生たちは考慮していたというのか…!)」
ハナコとアズサはマインクラフターのやり方に驚くのだった。
マインクラフターとは時に恐ろしい生き物なのである。
乾燥魔法
残骸に隠されしもの
用語解説:
トライアルチャンバー…マイクラ1.21のアップデートの時に追加された大型のダンジョン。試練の間とも呼称されており、特殊なスポナーや金庫、豪華な戦利品など様々な要素がある。なお、現在もあるバグでトライアルスポナーから出たハスクやスケルトンを凍結させ別のモブに変えると本来はドロップしないはずの装備が入手出来てしまうというバグがある。
氷の爆弾…マインクラフトエデュケーションエディションに登場する投擲アイテム。エンダーパールと同様に投げるクールタイムがあり、水に当たると3×3×3の範囲の水が凍って氷になる。これは現実で実際にある『過冷却』と呼ばれる現象を用いており、実際に現実でもこの氷の爆弾は材料さえあれば簡単に作ることが出来る。※ただし、危険な作業を伴うため作る際には注意が必要。
スポンジ…海底神殿にスポーンするエルダーガーディアンと呼ばれるボスかスポンジがたくさん置かれている部屋で入手することが出来る特殊なブロック。ただし、ここで入手できるスポンジは濡れているのでかまどや一部の方法で乾燥させる必要がある。スポンジは設置した付近にある水を吸い取る。
ネザライト…マインクフト1.16のネザーアプデから登場した鉱石。ダイヤ鉱石とは違い非常に硬く貴重な鉱石であり、ネザライトから作られたツールや防具は現段階のマインクラフトの装備の中では最強である。ネザライトの素材となるスクラップの元の古代の残骸やネザライトブロックは先ほども言ったように非常に硬く、TNTの爆発でも壊れずらい。
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