あれは四角い先生?   作:メタ(YT)

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<key> left the game

<スティーブ>リオさーん、家庭訪問しに来ましたー。

 

「先生、多分ここリオ会長の自宅じゃない。」

 

 

タワーに入ると一番大きそうな部屋があったので、入ってみると、ビンゴ。

リオが居た。

 

 

「まさか、トキとアバンギャルド君が一瞬でデータに無い要素で倒されるなんて‥‥‥盲点だったわ。」

 

<スティーブ>盲点も何もデータしか見てないからなんじゃないの?

 

「‥‥‥認めましょう、私の負けよ。近い将来、キヴォトスの脅威になる事が確定しているあの子を救うために‥‥‥遮るものをすべて薙ぎ払って‥‥‥。」

 

「当たり前だよ!最初からそう決めていたからね!」

 

「アリスが、キヴォトスに終焉を招く(・・・・・・・・・・・)としても?」

 

「急に何?アリスの事をそんな風に言わないでよ!」

 

「私は、ただ‥‥‥」

 

<カイ>合理的に動いた。そう言いたいんでしょ。でも君は合理で動いていない、ただの独断だ。本当に合理的に動くのであればなぜ他の生徒に相談しない?友達・引いては話し相手が居ないからっていうのは話さない理由にはならない。結局君のやってることは自身の行為を正当化しようとして合理的という言葉を使って非合理的なことを行ってるだけだ。

 

「あなた達に何が分かるって言うの?私の行動が独善だというの‥‥‥?でも‥‥‥私は‥‥‥!!私、は‥‥‥」

 

<スティーブ>ああ、独善的な行為だね。勝手に一人で突っ走って最善の結果が得られるとでも?一人でできる範囲は限りがある。ならその限られた範囲をどう増やすか。人を頼る事じゃないのか?それに、俺が今こうしているのは仲間がいるからだ。

 

「‥‥‥。」

 

 

とりあえず、リオを黙らせてゲーム開発部の面々がアリスのところに向かった。

あそこまで言った理由?自身が矛盾していることに気づかせるため、荒治療だ。

村人ゾンビでも金リンゴと弱体化のポーションで治療できるのに、こいつの治療に使う物のコストがデカすぎる。*1

そんなことをスティーブは考えていると、異常事態が起こった。

 

 

「な、なにが起きているの?」

 

「あ、あそこのモニターが‥‥‥!」

 

「これは‥‥‥!!」

 

 

周囲のモニターがハッキングされたのか『Divi:Sion』の文字が映し出される。

確か意味は『分割』とか『師団』っていう意味だっけ。

というか電気系統がほぼ全部ハッキングされてる。

かろうじてチャットはできるが、こりゃぁマズいかもな。

 

 

「エリドゥのシステム全体が‥‥‥ハッキング‥‥‥‥‥‥いえ、これは単純なハッキングではない‥‥‥都市全体が『何か』に変質していっている?」

 

「こんな事している場合じゃない!早くケーブルを外してアリスを‥‥‥!」

 

「その行為は推奨しません。現在『王女』の表層人格は内部データベースの最深部に隔離されています。強制的に接続を解除すると、取り返しのつかない損傷が起こるでしょう。」

 

「アリス‥‥‥!?一体何を‥‥‥?」

 

<スティーブ><key>か、

 

「アリス‥‥‥?それは、あなた達が私たちの『王女』を呼ぶ際の名称‥‥‥。『王女』に名前は不要です。名前は存在の目的と本質を乱します。私の個体名は<Key>。王女を助ける無名の司祭が残した修行者であり、彼女が載冠する玉座を継ぐ『鍵』<Key>です。」

 

 

パープルアイの瞳からは冷徹染みた視線、それに加えAI染みた言い方をする<key>。

あのコンピューターに居た自我を持ったAIだったのは見るも同然だ。

 

 

「彼女は『王女』であり、私は『鍵』。それが私たちの存在であり目的。今、我々を妨害していた攻撃が止まったことを確認しました。ただいまよりエラーを修正し、本来あるべき玉座に『王女』を導かせてもらいます。」

 

<カイ>無 駄 ☆

 

 

ポコッ

 

 

キュイーン

 

 

突如として電気設備などがおかしくなり始める。

 

 

「‥‥‥リソース確保失敗。システムシャットダウン‥‥‥。回路がバグっています…。」

 

 

どうやら上手く行ったようだ。

適当に機械が並んでいるところにレッドストーントーチだのレバーだのを設置したら、良い感じにバグった。

外の方では化学班の連中が地面を掘って回路を入手してる。

多分重要な回路も掘っただろうから電力はやってこないだろう。

 

またまた外の方では数体変なロボットが居たがもれなく待機していた別の化学班の連中とエンジニア部がコラボレーションして改造したアバンギャルド君が暴れていた。

そして、このタイミングで何かクセの凄そうな車いすに乗った生徒がやって来た。

明星ヒマリ、効くに一時期リオと手を組んでアリスを試したりしてた生徒で途中でリオの独断を何とかしようとしたが、リオが先手を打って監禁したそう。

そして出会って早々『天才病弱少女ハッカー』とか長すぎる肩書を言ったり、ビナーを爆風矢の一撃で倒して分解したことに心底驚いていたので面白い人、という認識がマインクラフター共通の見解だ。

ヒマリの持つ情報も中々有益でどのようにアリスが覚醒するのかなどを教えてくれた。

今できる対処法としてはアリスの精神世界と呼ばれるディメンションに入り無理やりにでも説得する。この方法だ。

 

そうしてスティーブは必要最低限のアイテム以外チェストにしまってディメンション移動をした。

ゲーム開発部を連れて行っていない理由は、原作と違いマインクラフターがやった方が最悪精神世界で死んでも現世でリスポーンするからである。

これが本当の合理だ、リオ、分かるか?*2

 

 

 


 

 

 

アリスの精神世界に特殊装備でディメンション移動するとそこはあの廃墟のような見た目にところどころ学校のような面影がある空間だった。

似たような空間*3を見たことあるがどこだったっけなと思う、スティーブ。

 

 

<スティーブ>お出迎えだ、アリス。

 

「先生‥‥‥どうして‥‥‥?」

 

<スティーブ>帰るぞ家出娘。勝手に一人で突っ走るな。勇者ってのは仲間がいるから勇者が出来てんだ。

 

「先生‥‥‥!」

 

『いけません王女よ!貴女がなにを見てきたか忘れたのですか?』

 

 

何かさっき見たパープルアイの瞳のアリス似のAIが現れた。

まぁ、この空間に入って来るよな。

でもな、こっちも無策で、アイテム無しで入ってきたと思ったら大間違いだ。

 

 

<スティーブ>アロナ?あいつ退出させれる?

 

『はい!シッテムの箱の権限で一時的に退出させますね。』

 

 

『さぁ王女を答え━━』

 

 

<key> left the game.

 

 

 

あのよく分からないAIをアロナの権限で退出させてやった。

このシッテムの箱だけ死んだり特殊な状況下でもキープインベントリの状態なんだよね。

だから奥の手になるけど<key>の精神世界の権限を奪って退出させた。

 

 

<スティーブ>ということで、邪魔者はどっか行ったから帰ろっか勇者様。(光の剣を渡す)

 

「はい、先生!アリスは勇者になりたいです!」(光の剣を持ち、『光よ!(動詞)』をする)

 

 

そして辺りは閃光に包まれる。

 

 

<key> join the game.

 

 

『理解、不能‥‥‥。』*4

 

<スティーブ>感情を理解できないAIには分からねーさ。それと、先代勇者を舐めるなよ。

 

 

 

そうして、スティーブは精神世界を抜け出した。

先代勇者は現代勇者を救ったのだった。

 

 

 

 

 

 

*1
ウォーデン、風船、チャットなど

*2
クラフターが死ぬ可能性があることに目を瞑ればの話だが、

*3
Backroom

*4
何とか帰ってこれた<key>しかし事はもう終わっている




結構大幅カットしちゃいました。(この辺りでモチベが下がったり、構想が浮かばなかttんですよね。)
最後らへんでアリスがすぐに「光よ!」できたのは、原作と違ってトキぐらいしか傷ついていない、尊敬するスティーブの発言だったから、など理由を付けるとすればそうなるかなと。

次回エピローグやったら軽く大幅カットしたバニーチェイサー回、エデン条約(場合によってはオラトリオと組み合わせる)へと移っていきます。

よければアンケートの投票もしていってください。

エデン4章で蓄音機から流す曲の投票

  • C418-cat
  • C418-wait
  • C418-ward
  • Lena Raine-Pigstep
  • Lena Raine-otherside
  • Lena Raine-Cretor
  • Hyper Potions-溶岩チキン
  • Kyrie(原作通り)
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