一方そのころ~~
「よし、予定通り『物流無人列車』で現場に来れたね。」
列車をハッキングしたことでエリドゥに潜り込むことが出来たゲーム開発部にエンジニア部、C&Cの面々。
それを先導しているのは、カイだ。
「スティーブ先生たち上手くやってるかな…」
<カイ>多分スティーブなら大丈夫だぞ。もし失敗しても集団で挑めば未来予測関係無しに勝てるから。
「先生もそうですけど、マインクラフターって強い人たちばかりなんですか?」
<カイ>いや、そんなに強い人はいない。スティーブもあれで上の中ぐらいだし。
「あれでですか!?」
「あれが頂点じゃねーのか‥‥‥」
実際スティーブ以上に強いマインクラフターは山ほどいる。
特に戦える人は多対一を余裕で勝ててしまうほどだ。
『予想はしていたのだけれど…戦力配置を偏らせるなんてね。』
<カイ>君がリオ会長かい?
『ええ、そうよ。あなたは‥‥』
<カイ>カイ、マインクラフターの科学者とでも言っておくよ。そして、スティーブと共に君を止めに来た。
『‥‥‥そう、あなたもスティーブ先生と同じことを言うのね。』
<カイ>そだね、合理に囚われたバカに今からでも説教したいもんだ。
『‥‥‥‥‥‥科学者であるあなたなら、トロッコ問題をご存じかしら?』
<カイ>ああ、心理問題の、知ってる。けど、なんで今それを?
『そうね。故障し、止まることが出来なくなったトロッコがレールの上を走っている時。大多数を生かすか少数を生かすか、そういう究極の選択問題を。誰かがレバーを引く役割を担わなければならない。そして‥‥‥私は喜んでその役を引き受けようとしているだけ。悪意も敵意もそんなものはない。』
<カイ>へぇ、じゃあ何で今すぐにアリスを殺さない?見たところ相当時間をかけて準備をしていたはず。それなのに、どうして今こうして妨害にだけ専念してアリスを殺す準備をしない?
「ちょっと、カイさん!」
<カイ>悪いけど、これは会長とのチャット。怒るなら後にして。
『‥‥‥。』
詰めが甘い、そうカイは思う。
いくら用意周到に準備したってロボットのデータを消すのには時間はかかる。
しかし、いくら何でも遅すぎる。
連れ去られて少なくとも1日は経過している、もう殺す手はずは整えているはずだ。それなのにリオはこうして妨害をしている。
合理的に動いているとか言っていたがどうみても感情で動いている。
<カイ>『名もなき神々の王女』と『名もなき神々』の危険性にはマインクラフターも理解はしている。
『なら、それなのになぜあなた達は‥‥‥』
<カイ>我々マインクラフターの世界にあった脅威と比べると明らかにマシな方だからだよ。
『‥‥‥は?』
<カイ>世界を滅ぼす?アリスっていう子がか?あんなのが世界"全体"の脅威なんだったらとっくにマインクラフターの世界は滅んでるぞ。
<カイ>ApocaBucketsとかウィザーストームなんかと同列でもないし、できて1区画が消し飛ぶぐらいだぞ。
「ApocaBuckets‥‥‥?」
「ウィザー‥‥‥なんて?」
『言ってる意味が分からないわ。』
<カイ>分からなくて結構。とにかく君の合理的過ぎて破綻したら一瞬で終わる計画を潰す。
『やはり、分かってくれないようね。‥‥‥アバンギャルド君、発進…。』
リオがそう言うと、正面から大型のロボットがやって来た。
「うわぁっ!?ダサ‥‥‥」
「たしかに、あんまりかわいいデザインじゃないけど‥‥‥」
「かっこいいとは思わないな‥‥‥」*1
<カイ>村人より酷い顔*2
『‥‥‥見た目は関係ないわ。』
本音がちょっと見えているリオ。
意外にも面白いやつ?
そして、アバンギャルド君は襲ってくるのだが‥‥‥
<カイ>は~い!ここで化学班のカイによる化学の講義を始めたいと思います~!
「講義?」
周りにいた物が疑問符を浮かべる。
それを気にせず、カイは化学セットを用意する。
<カイ>今回の実験で使うのは炭素5個と水素8個、ヘリウム1個、リード1個、謎の物体1個を使いま~す。
「実験って言っちゃってるよ…ていうか何でこんな時に?」
<カイ>元素に関してはもうこちらで用意してるのでまず化合物を作っていきます。
<カイ>まず始めにこの化合物作成器に炭素5個、水素8個を投入します。さてここで問題。
ジャージャン!
「何か音聞こえたんだけど!え、クイズ!?」
<カイ>さて、炭素5個と水素8個でできる化合物は一体何でしょうか?お書きください!あ、記入完了したらこれ以上書かないでくださいね。(本と羽ペンを渡す)
「え?今戦闘中だよね!今攻撃されたらひとたまりもないよね!?」
<カイ>安心して、そこはこう…ご都合展開だから。ささ、早く
「理由が雑!」
「ふむ、これは簡単だね。」カキカキ
「あ、この化合物は確か光学迷彩下着セットの素材で使いました!」カキカキ
「そういえばそうだった。」カキカキ
エンジニア部の面々は理解できたようですぐに本に記入する。
「えーっと…エンジニア部が作った下着の素材に使われてた化合物だから‥‥‥。」カキカキ
「えーわかんないよ!この祭だから適当に書いちゃえー。」カキカキ
続けざまにC&Cとゲーム開発部の面々の記入が終わる。
<カイ>はい!それでは答えを発表します!正解は~~~~~
<カイ>ラテックスでした~~~!!
<カイ>天然ゴム、ポリイソプレンとかも正解だよ。
「よし!」
「リーダー危なかったねー、途中までメタンって書いてたでしょ?」
「い う なーーー!!!」
ということで不正解だったのはモモイとユズとリモートで参加していたマキ。
下着の素材だから衣服系に使われるナイロンとかポリウレタンとかを書いちゃったみたい。
モモイはメタンって書いてたけど。*3
<カイ>さぁ、こうしてラテックスが出来きました。そして、このラテックスと残りのアイテムを作業台で組み合わせます!ここで問題!
ジャージャン!
「また始まった‥‥‥。」
<カイ>次の配置でできる製品は何でしょうか。お書きください!
皆は一斉に画像を見る。
科学系の製品はミレニアムの得意分野なので意気揚々と画像を見るミレニアム生たちだったが‥‥‥
「なんだこの青いの?」
「染料…?にしてはつやがあるような‥‥‥。」
「あのカイ先生、一応聞くんですがこの青い物質は‥‥‥」
<カイ>物質の名称は言わないけど、ヒントを出すならこれは『鉱石』の一種。
一同「『鉱石!?』」
一同は頭を抱えた。
『ラテックスを使う製品ならクッションとかマットレス?』
「テラヘルツ鉱石みたく医療効果のある鉱石で医療関係の道具ではないでしょうか?ラテックスも医療用具に使われています。」
「いや、アズライト*4みたく染色系では?ラテックスも染料の原料に使われていますし‥‥‥。」
「「「「『『(でも、ヘリウムが当てはまらない‥‥‥)』』」」」」
何となく答えに近い生徒もいるが一番悩ませているのはヘリウムという物質だ。
ヘリウムは希ガスに属する元素で使われるものも限られている。
実はこの問題は意地悪問題となっていてヘリウムはヘリウムガスとして、例の鉱物『ラピスラズリ』は染料として見ないと答えにたどり着けないようになっている。
<カイ>はい、シンキングタイム終了~!答えをお書きください。
答えが出なそうだったので、この辺で切り上げた。
あ、ヴェリタスは調べたら失格なんでダメだよ。
ほぼ全員が諦めムードで回答を書き、そして、提出した。
<カイ>(ふむふむ、マットレスに輪ゴム、ヘリウムガス‥‥モモイの回答はええーっと『ヘリウム風船』‥‥‥お、大正解ジャン)
<カイ>ということで正解はヘリウム風船でした~!モモイ大正解!!
「え?ホント!?やったーー!!」
「え、お姉ちゃん正解!?」
皆驚いた。
解説であの鉱物が染色に使われる『ラピスラズリ』、ヘリウムはヘリウムガスと言ったら全員が納得したような表情だった。
<カイ>さて、そうしてこちらに出来た青い風船があります。これを持ってまずはあのロボットに凸ります。(ネザライト装備装着済み)
「うんうん‥‥‥はい?」
<カイ>そうしてゼロ距離の所で風船をアバンギャルド君に取り付けます。この重さだと、6個が丁度良いかな。(風船をアバンギャルド君に取り付ける)
「‥‥‥?」
<カイ>そんでもって少し殴ると、こうなる。 パシッ!
ピュゥゥ~~~~
「飛んだ!?」
「あのサイズのロボットがあんな速さで上昇してる‥‥‥。」
<カイ>さて、みんなに質問、ヘリウム風船はどこまで飛ぶ?
「えっと…確か最大で8000mぐらいだったはず…。」
<カイ>正解、まぁ今回はすぐに落ちて来るけど。‥‥‥ということで発射 パシュッ
カイは弓を最大にまで引き絞って矢を放った。
その発射された弓が風船を次々と割っていき、アバンギャルド君に付けられていた風船は無くなった。
そして上空から自由落下をして地面に激突し、「ガシャーン」というような音を響かせた。
「‥‥‥。」
<カイ>ということで本日の実験は終了。風船って言うのは敵を上空に上げることもできるから有効活用するように。
一同「はーい‥‥‥?」
実際どこかの本で段ボールを使って数々の任務をこなした伝説の英雄が敵を移送するときにバルーンを使っていたので有用だったりする。
ミレニアム生にマイクラ科学の講義(実験)をした後、さらに進んで行った。
<スティーブ>そっちはどうだった?
<カイ>風船で飛ばした。残骸はエンジニア部がいじってる。
<スティーブ>ok、こっちはウォーデンが蹴散らしてくれたっぽいから。
<カイ>そんじゃ、行くか、スティーブ。
<スティーブ>ああ。
敵戦力はもういない。
いよいよこの戦いも終わりだ。
教育版マインクラフトの要素を追加。
風船の所は数名正解でも良かったのですが、うまく発想がまとまりませんでした。
用語解説:
ApocaBuckets…元ネタはJAVA版の『ApocaBuckets MOD』。災害バケツMODの愛称で知られているMODで追加されるバケツが全て世界を終わらせにかかるような威力を持つものが大半である。例として挙げると、置いた高さよりも低い面すべてを水で覆う『津波バケツ』、1秒ごとに周囲のブロックを侵食し消滅させていく『紫ペイントバケツ(腐食バケツ)』、触れたものすべてをゾンビに変える『毒液バケツ』などがある。
化合物作成器…教育版マインクラフトことエデュケーションエディションに登場する機能ブロック。現実の化学反応式のように同じく追加される元素ブロックを入れることで化合物を作成することが出来る。
風船…同じく教育版マインクラフトに登場するアイテム。カラーバリエーションは羊毛と同じく16色あり、風船を取り付けたモブは上空に飛んでいきほとんどがデスポーンする。本来は1体に複数個の風船を付けることはできない。
なお、風船を散りつけられるモブは限られており、
・熱帯魚、タラ、鮭、フグ、カメ、コウモリ、ウーパールーパー、アレイ、オタマジャクシ、カエル、ハッピーガスト、村人、行商人を"除く"友好モブ
・ホグリンとゾグリン(敵対・中立モブの大半はつけられない)
・アイアンゴーレムとスノーゴーレム
しか付けられない。
なお、アイアンゴーレムは取り付けても鉄の塊だからか上空に飛ばない。
またアンケートを実施しました。
よければ投票していってください。
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