そうして廃墟から帰って現在はヴェリタスと呼ばれるハッカー集団に日光検出器を見てもらっている。
ハッカーと聞いて嫌な連中が思い浮かんだが、この世界ではハッカーの意味合いが少し違うようで、想定していたハッカーとは違っていた。
日光検出器を見せるや否や「なにこれ?」と言いながら解析を始めていたっけ。
「んー‥‥‥」
<スティーブ>人の顔じろじろと見てどうした?
「どっからどう見てもスティーブ先生ってミネラルクラフトのステブだよね。」
「武器の使い方と言い、動きと言い完全にステブにしか見えない…。」
「先生はステブのモデルだったりするの?」
<スティーブ>いや、違う。
ヴェリタスの3人はスティーブがどうしてもミネラルクラフトの主人公のステブにしか見えないという。
似ているとは思うが、そこまで似ているのか?と思ってしまう。
今度ダンジョンズじゃなくて通常のミネラルクラフトも買ってみよう。
「‥‥‥一応分析できたよ。この変な機械に入っているのはかの伝説のゲーム開発者が作った神ゲーマニュアル‥‥‥G.Bibleで間違いな、はず‥‥‥。中に入ってたファイルの作成日や最後に転送された日時、ファイル形式から考えても確実。作業者についても、噂の伝説のゲーム開発者のIPと一致してた。それと、あのデータはこれまでに一回しか転送された形跡がない。だから本物のG.Bibleのはずなんだけど‥‥‥」
「だけど?」
「この機械自体がブラックボックスで、ソーラーパネルみたいなのがついてるんだけど、明らかに通常の太陽光発電よりも数倍行く発電力に加えて日光に当たってないのに発電し続けてる‥‥‥先生、これソーラーパネル、なんだよね?」
<スティーブ>yes
「ん~‥‥‥これ鏡で解析できるのかな?」
「鏡?」
「Oputimus Mirror System‥‥‥通称『鏡』って呼ばれるツール、どんなファイルでも開けるヒマリ部長製作の物。」
どうやら、内部に入っていたデータにはロックがかかっていて、解除するには『鏡』と呼ばれるアイテムが必要らしいのだが、
「‥‥‥そう、今は持っていない。生徒会に押収されちゃったの、もうっ!この間にユウカが急に押し入ってきて、「不法な用途の機器の所有は禁止」って。」
セミナーに奪われちゃったらしい☆
なんか、ユウカの体重をどうしたこうしたとか言ってたけど、体重だけで回収する理由になるのかな?*1
そして、鏡のある場所がセミナーの押収室にあるのを把握したスティーブは…
「うわあぁん!早く『鏡』を探さないと、部長に怒られちゃう!!」
「とにかく私たちは『鏡』を取り戻したい。あなた達にとっても必要でしょ?」
「なるほどね‥‥‥呼び出された時点で、何かあるとは思っていたけど。大体わかったよ。」
「え、も、もしかして‥‥‥?」
「ふふ、さすがモモ、話が早いね。」
「まさかヴェリタスと組んで、生徒会を襲撃するんじゃ‥‥‥!?」
「そのまさかだよ!だってここには滅茶苦茶強い先生が‥‥って、あれ?先生は?」
「あれ本当だ居ない。」
皆が辺りを見渡すが、辺りにスティーブはいなかった。その代わり紙が置かれていた。
「えーと、なになに‥‥‥『すぐに盗って来るよ。 byスティーブ』 えっ!?」
~数分後~
ボコボコボコ…ポコッ
ボコボコボコ…ポコッ
<スティーブ>ただいま
「「「「「「?????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????」」」」」」
「あの…スティーブ先生‥‥‥そこ壁、だよ…。」
<スティーブ>あ、分かった直す(掘ったブロックで埋める)
「そもそもなんで壁から登場を‥‥‥?」
<スティーブ>マリオさんにやった時と同じことをしただけ。*2 ムシャムシャ
「なんでステーキ‥‥‥?」
<スティーブ>アリス、食べる?
「はい、アリスはステーキを食べてHPを回復します!」
まるでマリオに会った時のように壁を壊してステーキを食べながら登場するスティーブ。
【↓イメージ画像↓】
<スティーブ>はい、これでしょ(『鏡』をドロップする)
「確かに、正真正銘本物の『鏡』だ‥‥‥。」
「先生、一応聞くけど、どうやって‥‥‥。」
<スティーブ>屋上で透視バグ使って、場所特定→ひたすら掘り続けて入手した。
「「「えぇ‥‥‥。」」」
もし、マインクラフターからアイテムを奪われたくないのであればエンダーチェストが比較的安全ではあるが、そんなものキヴォトス人には用意できない。
岩盤で囲っておけば何とかなっただろうが‥‥‥
<スティーブ>それじゃ、後は解析よろしく。
「えっ、ああ…うん‥‥‥。」
「あ、明日までには解析する‥‥‥。」
ドン引きしながらもヴェリタスは日光検出器の内部のファイルを解析開始した。
なお、この後ユウカから壁を壊したことによる請求が来たが、すぐに金インゴットで弁償するのであった。
これぐらいマインクラフター的には安いものだ。
翌日、ゲーム開発部に赴くと、4人中3人がうつぶせのような状態になっていた。
話を聞くと、あのG.Bibleは何とか解析できたらしい。*3
パスワードのロックを解除して、適当なテレビ画面で見ると、中身は『ゲームを愛しなさい』の一言だけ。
まぁ、こういう内容の物はよく見かけるのでスティーブ的には何とも思っていなかった。
ていうか、あれ偽物だと思うぞ。データの移動が1回しか行われていない時点で偽物なのは何となく気づいたが。
あのコンピューター細部までとことん化学班に分解してもらおう。
流れてくるチャットが面白くなりそうだ。
そして、うつぶせになっていた3人の方はアリスが激励のようなものをしたことで心火がついたようだった。
「‥‥‥作ろう。『テイルズ・サガ・クロニクル2』を。」
「‥‥‥うん!よし、今からならまだ間に合う!『TSC2』の開発、始めよう!」
そうして、ゲーム開発部がゲーム開発を開始した。
出来がどうであれ、しっかりと作るという意気込みが見れたので、最悪廃部になったらセミナーに圧力をかけてやろ、と思うスティーブだった。*4
ミレニアムプライスまであと5日。
「できたよ、先生。」
<スティーブ>おお、完全に直ってる…!
エンジニア部に修理に出していた武器の内数個が修復できたという知らせを聞いてスティーブはエンジニア部にやって来た。
あの無限のエンチャントがされた弓と火属性Ⅱが付いたダイヤの剣とかを数個渡したら何と修理できたらしい。
この世界の技術は凄いな。*5
「まだ、修理できたのはその槍とイカリとハープの3種類だが、じきに全て直せそうだ。」
<スティーブ>マジか、サンキューな。
正直この3つを直してくれただけでもすごい!
今の俺の技術だったら同時に併用することも出来そうだ。
実践が楽しみだ。
ミレニアムプライスまであと3日。(締め切り日)
「お姉ちゃん!まだ!?」
「ま、待って、急かさないで!あとこれだけ入力すれば終わりだから‥‥‥!」
「あと2分だよ!?急かさずにはいられないって!」
「正確には96秒です。そう言ってる間に残り92秒‥‥‥」
「わ、分かった分かった!もうできたから焦らせないで!」
「こっちは簡単なテストだけやって‥‥‥うんっ、エラーは出てない、モモイ!」
「オッケー!ファイルをアップロード、完了まで予想時間‥‥‥15秒!アリス、あと何秒!?」
「残り19秒です‥‥‥!」
「お、お願い‥‥‥!」
カチカチとキーボードの音を響かせる。
「転送完了‥‥‥」
「間に合ったあぁぁぁあ!」
「ギリギリ‥‥‥心臓止まるかと思った‥‥‥。」
<スティーブ>お疲れ、はい回復のポーションをどうぞ。
ジュルジュルジュル・・・「ふぅ‥‥‥後は、3日後の発表を待つだけ、だね。」
皆が回復のポーションを飲みながら話をしていた。
web版のTSC2を出してみたそうだが、初コメがふざけたようなコメントだったらしく、アリスが出撃しようとしているのを3人で止めていたり、その次のコメントからようやくしっかりとしたコメントが書かれ始めたそうだ。
評価が高かそうなので知り合いのクラフターにもさらにTSCを布教しようかなと思うスティーブ。そんな中‥‥‥
ドゴオォォォンッ!
「ひゃっ!?」
<スティーブ>へぇ、こんなところにも荒らしは居るんだ‥‥‥(ネザライト装備を装着する)
「先生が本気モードになりました!」
部屋をすぐ出ると、メイド服と呼ばれる服を着た生徒たちが立っていた。
「C、C&C!な、なんでここに!?」
C&C、確かここの治安維持部隊だっけ。
こいつらのした余罪を追及しに来たのか?いや、それにしては明らかに時間を狙ってる。
<スティーブ>目的はなんだ?
「なぁに、簡単なことだ。」
中央の1.5ブロックほどの生徒が喋る。あいつ、強いな。
<スティーブ>お前は?
「初めましてだなスティーブ先生、C&Cの部長、美甘ネルだ。」
意外と礼儀が正しいようだ。
荒らしではない、何か目的があるとスティーブは推察する。
<スティーブ>それで、用件は?
「……なに、用があるのはあんたじゃない。‥‥‥そっちのバカみたいにデケェ武器持ってる奴だ。」
「アリスの事ですか?」
なるほど、大方上の指示か。
確かアリスの書類は偽造なんだっけか。
「そうだ、てめぇには用がある。ちっと面貸せや。」
「あ、アリスこのパターン知っています。これは告白イベントですね。チビメイド様はアリスに惚れていると。
「‥‥‥は?」
<スティーブ>あ、恋愛沙汰なの?別に俺は興味ないから。
「なっ…ふ、ふっざけんなこの野郎っ!ってか誰がチビメイド様だ!?ぶっ殺されてぇのか!?」
「ひっ‥‥‥!」
「‥とにかく用件はな━━」
スティーブ(ジュークボックスで『Precipice』を流す)
<スティーブ>お祝い風のイメージ。
「だ か ら !!違うって言ってんだろ!!!!撃つぞ!!!」
「り、リーダーステイ。」
「どちらかと言うとゲームのBGMのような気が‥‥‥」
「ユズ、あれ今度のゲームのBGMにしない?」
「‥‥‥中々イラつかせてくるじゃねぇか、まあ良い。」
<スティーブ>それで、本来の目的はアリスの小手調べ?
「ああ、確認って言った方が良いかもしれねぇが…。さぁ、ちょっくら相手してもらおうか。」
「‥‥‥分りました。」
「お、やる気満々と来たか。」
「一騎打ちのイベント戦闘‥‥‥みたいなものですね、理解しました・」
「イベ……なんつった?」
「あ、アリスちゃん‥‥‥」
「行きます!魔力充電100%━━」
光よ!!
ドカアアアァァァァァン!!!!
普通にTNTキャノンの数倍は出てるな。
そして、あのネルと言う生徒、体力と攻撃力が異様にデカいと見た。
しかも回避能力もずば抜けてる、今の攻撃も避けていた。
その後アリスはネルのスピードに追い付けておらず、防戦一方。
自爆覚悟の大ダメージを放ってたけど、あれも耐えてるな。
「さぁ、今度は先生の番だ。」
突如指名されたスティーブ。
銃弾一発で危険と言う認識を誰も持っていないのはC&Cは風紀委員会戦での先生の話をセミナーを介して知っていたから。ゲーム開発部はあの勇者談で何度も死んでるのを察した。
<スティーブ>OK、良いよ。1VS4でも構わないけど、
「へぇ言ってくれるじゃねぇか。…その言葉に甘えて、そうさせてもらう。」
「先生、大丈夫なの‥‥‥」
<スティーブ>問題なし。さてと、アリス
「何でしょう、先代勇者よ。」
<スティーブ>君が見たかった勇者の力と言うものをこれから見せてあげるよ。
そう言うと、スティーブはフルエンチャントネザライト装備、盾、そして大きな剣のようなイカリを取り出した。
「あれって‥‥‥イカリ?…なんで?」
「勇者の剣にしてはボロい気が‥‥‥」
「‥‥‥ん?アリスどうしたの?」
「先生…いえ、先代勇者の持つあのイカリにはとてつもない力を感じます‥‥‥!」
「予定とは違うが、いいぜ、失望させるんじゃねぇぞ!」
<スティーブ>本気でかかってこい、一人残らず倒してやる。
次回『スティーブC&Cを完膚なきまでにボコボコにする』
次の回は昼頃に投稿しようかなと。(ストックが20話ぐらいはあるので)
戦闘シーンを書くのがまーじで難しい。
用語解説:
透視バグ…マイクラのバグのひとつ。地下にある構造物や露出している鉱石を探すと気に使われている。今回は現在も使える積雪とハーフブロックとピストンを用いた透視バグを使用。
参考動画(よければチャンネル登録の方も):https://youtu.be/8CYGhRjYU1g
ご意見板:https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=330431&uid=482700
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