読者の悩みに読者が答えるコーナー「ねえねえちょっと」(毎週土曜日掲載)で、職場で女性だけトイレ掃除をさせられており、対処法に悩む相談(六月二十日)に、同様の体験談や意見が多く寄せられた。性差による業務の配分などの差別を禁じた男女雇用機会均等法や、六月に施行された改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)に違反するおそれがあるほか、専門家は、さまざまなハラスメントに該当する可能性を指摘する。 (細川暁子)
相談を寄せた岐阜の女性(50)は正社員の事務職。三十人ほどの職場に女性は数人しかいないが、以前からトイレ掃除は男性用も女性用も女性社員がすることになっており、汚れると同僚の男性社員が女性社員に「掃除して」と言いにくる。
上司らに何度も「男性用は男性社員で」と訴えたが、いつも適当にごまかされ何も変わらない。「今どき、女性社員だけがやらされるのはおかしい」と憤る。
女性だけがトイレ掃除をさせられている職場はほかにもあるようで、愛知県の会社員女性(49)は「掃除職で入社したわけではないのに、男性のトイレ掃除をするのは嫌な思いしかない」と記した。
一方、愛知県の別の会社員女性(59)の職場では正社員、パートなど雇用形態にかかわらず、男女全員が当番制でトイレ掃除をしており、女性用は女性、男性用は男性が担当。女性は「女性が男性のトイレ掃除を引き受けてしまうと『やってもらえる』と期待される。上司にもっとはっきり伝えた方がいい」と指摘する。
埼玉県の契約社員の男性(67)の会社も七十人ほどの社員全員で順番にトイレを掃除しており、月に一〜二回ほど回ってくる。前の会社では業者が行っており、「最初は嫌だなと思った」。だが三十代の男性社長も当番に入っており、「自分で使ったものは自分できれいにするのは当然と感じるようになった」と話す。
◆均等法 業務配分の男女差別禁...
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