ただいまガラル
カイオーガ様をゲットして、ヒカリさんの別荘で雑魚寝した翌朝。目が覚めてスマホロトムを見ると、メッセージの通知が届いていた。送ってきたのはお母さん。
『アマネ、元気?お母さんは元気です。この間は暴れていたマンムーを素手で仕留めてゲットしました。大人しくて可愛い子ですよ。』
さすが僕のお母さん、とんでもない。でもメッセージはまだ続いていた。
『ここからが本題です。ルセちゃんがアローラに帰ったようです。もうメディアもフランちゃんの話をしてません。そろそろ帰ってきてもいいんじゃない?いつでも待ってますからね。』
そのメッセージを見て、僕は飛び跳ねそうになった。ルセちゃんもいなくて、メディアも騒がない。これなら、ガラルに帰れるんじゃないか?ポプラさんにもお礼を言いたいし、帰ろうかな?
『なんだ、貴様の家があるのか』
「カイオーガ様…そりゃそうでしょ。そろそろ帰ろうかな…」
『ふむ…貴様の家があるのはどんな場所だ?』
「ガラルはカレーの名産ですよ、きっとカレー用のスパイスとかも他の地方の比じゃないですかね」
『なんと…!!ならば早く連れていけ、美味いカレーを食わせろ』
「あはは、承知しました。」
こうして僕は、ガラルに帰省することを決めた。のそのそと起きてきたシロナさんやヒカリさんにそのことを伝えると、驚きはしたものの喜んでくれた。
「そうだったの、良かったじゃない!アマネくんのご両親も心配してるだろうし」
「うんうん、賛成です!」
シロナさんは心から言ってくれてるんだろうが、ヒカリさんの目にはシロナさんから離れろというのが映っていた。見え見えですよ。
「それじゃあ行こうかな…」
「あ、待って!それならこれを…」
そう僕を呼び止めてシロナさんが渡してきたのは、シロナさんの連絡先。ヒカリさん、目が怖いです。
「カイオーガのことも知りたいし…連絡しましょう!」
「あはは…アマネくん、じゃあわたしとも連絡先交換しよっか?」
「あっはい」
圧に押し切られ、僕はヒカリさんとも連絡先を交換することに。ヒカリさんのアイコンはシロナさんとのツーショット。本当にシロナさんのことが好きなんだなあと分かった。
「それじゃあ、お世話になりました!」
「アマネくん、元気でね!」
シロナさんとヒカリさんに見送られ、僕はシンオウを発った。幸い空は快晴で、風も心地良い。こうして僕はこれといったトラブルもなく、ガラルに帰ることができたのでした。
ガラル地方 ブラッシータウン
「お母さん、お父さん…ただいま!」
「アマネ…!!」
「帰ったか!」
お母さんとお父さんは、僕を見るなり抱きついてきた。あとついでにお母さんのキテルグマも抱きつこうとしてきている。やめてくださいしんでしまいます。キテルグマを制御できるのはお母さんだけなんだから。
「良かった…連絡はあるから大丈夫だと信じてたけど、やっぱり帰ってくると安心するわね」
「えへへ…」
「ピィーカ!」
すると、アマリが元気よく飛び出してきた。アマリは可愛くダンスをして、僕の両親にアピールする。
「まあ!何この子、可愛いわね〜!」
「僕がタマゴからゲットした、ピカチュウのアマリ。可愛いけど強いんだよ!」
「またまたあ。ピカチュウだろ?ピリピリするぐらいじゃないのか?」
アマリのでんこうせっかを食らってもそんなことが言えるかな?と思ったが、さすがに僕以外に撃ったら危険が危ないのでやめた。大喜びしたお母さんは、すぐに料理を作ってくれることになった。
「はい、激辛ボロネーゼ、激辛サラダ!他には食べたいのある?」
「いや、良いかな…」
「そんなこと言わないで!今ハンバーグも作ってあげるから!食べなさい!」
これが親心ですか。大盛りのボロネーゼにタバスコをかけて、いただきます!うん、美味しい!パスタの1本1本に辛味が絡んで、食べるたびに舌にとんがった辛味がやってくる!これがお袋の味かぁ。
「あら電話…ちょっと出てくるわね」
家の電話が鳴ったので、お母さんが急いで出る。するとすぐに話が終わったのか、お母さんが戻ってきた。
「アマネ、うちに来てたトリーさんいるでしょ。」
「え?ああ、ユ…トリーさん」
お母さんは、トリーさん=ユウリさんだとは気づいていないので、真面目な顔でそう言ってくる。
「トリーさんにね、アマネが帰ってきたって連絡したのよ。そしたら大急ぎで会いにきて良いですかって。」
「え、今から?」
「うん、大至急来るって…」
その瞬間。何かが豪快にスライディングする音が聞こえた。すると店のドアを勢いよく開けて、変装すらしていないユウリさんが飛び込んできた。
「アマネくーーん!!」
「ユウリさん!?変装もしてないんですか!?」
「だって、だってぇ…ずっと、心配だったんだもん…」
ユウリさんはすすり泣きながら抱きしめてくる。そんな仲良かったっけな。
「え?ユウリちゃん?どういうこと?トリーさんじゃないの?」
「あ…アマネくんのお母さん、ごめんなさい。トリーって言うのはわたしの変装してる時の名前です。お忍びでここに来てました。」
「まあ、そうだったの!」
さすがお母さんだ、この状況でもマイペース。落ち着いたユウリさんに離してもらって、僕が色んな地方を旅していたことを話した。
「そうなんだ…すごいねえ。」
「そこで色んな人やポケモンに出会って…なんか成長できた気がします」
「でも大変だったでしょ。今日はお風呂に入って寝ちゃいなさい」
「うん、そうする。ユウリさん、また今度話しましょう」
「うん…あ、でもアマネくん、せめてこれだけ」
そう言うと、ユウリさんは何かをスッと出してきた。ものすごく分厚い封筒。何これ?と思って開けると、まさかの札束。
「…ユウリさん?」
「いやほら、アマネくんが色んなところを旅してるのは聞いてたから…さすがにお金とか大変なんじゃって思って用意してたの…」
「ちなみにおいくらですか?」
「100万円」
「お返しします」
そしてその日は実家のあったかいお風呂に入って、自分の部屋でベッドに入って眠った。
そして次の日。ユウリさんから呼び出され、アラベスクタウンでお茶をすることになった。
アマネ母
生身でキテルグマと渡り合えるスーパーガラル人。今回はワイルドエリアで暴れたマンムーを背負い投げして大人しくさせた。その後マンムーはゲット。
ユウリ
アマネくんが帰ってきて大喜び。友達があんまりいないので(ホップもホップ側から話しかけてきて友達になった)、貢ぐぐらいしか距離の縮め方がわからない。