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明日香・調律完了
長い放出の果てに、勢いが弱まり始めると、明日香さんはちゅうっと尿道に残る液体を吸い出しにかかる。甲高い悲鳴にも似た、かなり情けない声がこぼれてしまうが、明日香さんは満足気に微笑みながら、少しふにゃりとなった俺の一物を開放すると、口に手を当てつつ喉を何度も動かして、当たり前のように精液を飲み干していく。
「この苦さにも、少しずつ慣れていかなくてはいけませんね。ただ、高村さまが気持ち良くなってくれた証拠と思えば、すぐ平気になりそうですけれど」
「そんな、無理に飲まなくたって……」
「高村さまも躊躇いなく、私の下腹部を舐めたり、お小便を飲んで下さりましたわ」
潮吹きのことか。でも、あれ厳密にはおしっこではないしな……ただ、明日香さんにしてみれば同じことなのか。
「それに、すぐに身体の火照りが増していく感じがしますから……私の身体がほぐれる意味でも良かったのだと思います」
目じりが下がり、瞳の潤いが増して、トロンとした顔つきになっていく明日香さんは、漏れる吐息にすら色艶がハッキリと現れている。
「高村さま、どうか私を貴方のものになさって……」
懇願する明日香さんの訴えに、精を放ったばかりであっても、硬さと反りを取り戻していく下半身。便利な身体だと思いながらも、彼女に示す答えとしては言葉よりも雄弁だと、そう考えていた。
「これから明日香さんを抱くよ。先に宣言しておく。どうしても自分が汚れていると思うなら、俺という色に明日香さんを染め上げるから、綺麗も汚いも関係ない。そのつもりでいてくれ」
「……畏まりました。月宮明日香は、高村さまの色に変わります」
明日香さんはすっと正座の姿勢になり、深々と頭を下げる。裸身であろうと、その所作の優雅さと気品は損なわれることがない。
「明日香さんはこれからずっと俺の女だし、俺も明日香さんの男になる。だから、何が困ることがあれば、すぐに言ってくれ。明日香さんのお母さんのこともそうだ。俺だけで解決が難しいことであっても、美由紀や涼香、あるいはこちらの両親も使って、必ず何とかする。『家族』になる相手を、互いの居場所を必ず守るんだ」
「はい。明日香は、高村さまを信じ、美由紀や涼香とも協力し、私達を、私達の居場所を守るため、戦いますわ」
「うん。それじゃ、いいかな」
手をついたまま、顔を上げた明日香さんは、浮かべた微笑みの中にも、意欲を込めた目を込めて、迷いなく言い切った。俺はしゃがみ込んで、彼女の手を取り、真面目な話はここまでと立ち上がらせる。
「お聞きなさらずに、強引にして下さっても宜しいのに」
「嫌だよ。明日香さんが勇気を出して、俺という男を受け入れようとしてくれているのに、そんなことをする俺自身が憎くて仕方なくなる」
「そんな高村さまだから、私も勇気を持てたのですわ……」
再び、俺の胸に飛び込んでくる明日香さんを抱き締めて、俺はそのままソファーに腰を下ろす。そして、彼女を抱き抱えながらソファーへ横たわらせた。
「高村さまとの初めてが、ソファーなんて日常の延長みたい。悪いことをしている気分になりそうです……」
「そうかも。ただ、ベッドと変わらないこんな大きなソファーって、一般的な家には無いんだよ。俺が住んでる、と言っても引き払うかもしれないんだけど、シングルサイズのパイプベッドより広いかもしれないし、寝心地は断然こっちの方がいいんだ」
「え、ベッド……なのでしょう?」
「薄い敷布団だからね、柔らかさは断然この高級ソファーの方が上だよ」
「高村さま、そんなお辛い環境で過ごされてきたのですね……」
「いやいや、一人暮らしをさせてもらっただけ、一般的な家庭の中でも恵まれているほうだからね?」
そんな互いの育ちの違いから生じる、どこかズレている会話を交わしつつ、俺は位置を合わせて、明日香さんのクレバスを俺のペニスでそっと撫でる。
「んっ、はぁぁ……」
少し陰核にも触れてしまったのか、明日香さんが悩ましげな声を出す。そっとキスをして、短く舌を絡め合って──わずかに残る苦い味がした──から、俺は一つ頷いた。明日香さんが頷き返し、俺の首に腕を回すのを待って、俺はクレバスの中へと肉棒を押し込んでいく。
「高村さまが、入って、きます、あぁぁ」
全長の三分の一程度が入り込んだ明日香さんの中はきつ過ぎず緩すぎず、襞が纏わりつくような感覚も無いから、すぐに暴発は無さそうと、内心胸を撫で下ろす。変に焦る必要も無さそうだ。
身勝手な思いだろうけど、美由紀や涼香の中は動いていなくても、搾り取られてしまう名器だから、それこそ射精しながらでも硬度を保てる今の身体でなければ、あの二人を満足させられる自信が無い。体力が続く限り何度でも相手が出来るという前提があるからこそ、余裕を持っていられるだけで。
「大丈夫? 痛みは無い?」
「広げられている感覚ですから、大丈夫です」
こうして声をかけることもできる。明日香さんの返事を聞いて、俺はさらに少しずつ、彼女の奥へと入り込んでいく。
「ああ、分かります……私の子宮の入口に、高村さまが触れています……」
ちょうど俺のものを全て押し入れた辺りで、先端にも内壁に触れる感覚が伝わる。明日香さんの言うように、子宮口に一番先が触れているのだろう。
明日香さんをぎゅっと抱き締めて、おでこや頬に、そして唇へ軽く触れるだけのキスをする。受け容れてくれてありがとう、そんな気持ちを込めて。
「高村さま、もっと、もっと下さいませ……」
前唇を突き出す可愛いおねだりに、口づけを何度も繰り返す。舌を絡めるでも無く、触れ合う感覚を求める明日香さんに答えるために。繋がっている結合部分が、やがてくちゅり、と音を立てた。
「私、高村さまとこうして繋がって、口づけをしているだけで、なんだかもう満たされてしまいます」
明日香さんは濡れやすい体質なのか、もじもじと身じろぎする動きに合わせて、結合部から漏れ出た愛液がぐちゅっと音を立てる。欲情を高められてしまっている明日香さんは、その音をすぐに自らの昂ぶりに変えて、上気した顔色のまま、恍惚とした微笑みを浮かべている。
「俺もずっとこうしていてもいいなって思うけど、眠り姫が目を覚ますだろうし、お使いに出ている優秀なメイドさんも帰ってきてしまうから、そうもいかないかな」
「そうですね、ずっと高村さまを一人占めにしていては恨まれてしまいそう。ふふふ」
「少し、体位を変えるよ。そのままつかまっていて」
「はい、お任せ致します」
といっても、抱き起こして、座位の体勢に移行するだけ。しっかり抱き合えるし、動きたくなった時は俺が後ろに手をついて、少し背を傾ければ、疑似的な騎乗位の出来上がりだ。本当の騎乗位と違い、女性側がこちらの首や肩に捕まることも出来るため、気持ち良くなることに集中しやすい。
「まぁ、まるで高村さまに抱っこされているみたいですわ」
「少し俺が身体の傾きを変えれば、抱き合ったまま、こんな感じで動ける」
ソファーの背もたれを活用して背を後ろ側へ傾けた俺は、明日香さんに抱き着いてもらったまま、彼女の腰やお尻周りを持って、ゆっくりと前後運動を始める。この態勢なら、陰核も膣壁も同時に刺激できる。
「く、はぁ、ん、高村さまが、私の中で、動いて、ます」
「痛みとか感じたら、すぐに言うんだ。俺も明日香さんもまずは互いの形に慣れないと、最後まで気持ち良くなれないから」
「高村さまぁ、あんっ、だけ、気持ち良くなる、はぁ、のは、無し、ああん、ですね?」
喘ぎながらも、こちらの意図はちゃんと分かっていると答える明日香さん。俺は満足げに頷いて、顔を近づけてきた明日香さんの唇を再び奪う。
「はんっ、少しだけぇ、分かってきました、あんっ」
俺の挙動に合わせて、明日香さんが自分で少しずつ腰を動かし始める。俺は自分の力をちょっとずつ抜いていって、腰回りに回した手はそのままに、実際には明日香さんの望む動きに合わせていく。
「そうだよ。この姿勢なら、明日香さんが気持ち良くなれる部分を刺激し易いし、明日香さんのリズムで動きやすい。オーガズムは刺激さえあれば俺の方が合わせやすいから、少しずつ慣れてみて」
「高村さまも、高村さまも気持ち、いいのですかっ」
「当たり前だろ? 中で擦られて、気持ち良さそうに蕩けてる明日香さんの表情をずっと見てるんだ。気持ち良くならない理由が無いよ」
「嬉しい、嬉しいですっ、あ、あぁーっ、高村さまの逞しいモノで私の中がかき回されていますっ」
「男の象徴は、おちんちん。女の人が受け入れる場所は、おまんこ。エッチな言い方だけど、俺も明日香さんももっと高まるから、ほら、言い直してみて?」
普段の彼女ならとても恥ずかしくて言えることでは無いだろうけど、身体も、おそらく心も昂りつつある明日香さんは、素直に、今まで口にしたこともないかもしれない卑猥な単語を叫ぶ。
「私のっ、明日香のお、おまんこをぉ、高村さまの逞しいおちんちんが、かき回してくれているのっ! はしたなくびちょびちょに濡れた、私のおまんこが喜んで、どんどんお漏らししていますぅ! ……ああん、言っちゃった、言っちゃいましたぁ、私、淫乱な娘になっていきますぅ!」
自分で追加の台詞を足して叫んだ明日香さんは、自らの言葉で一気に火が付く。コツをつかんだのか、腰の前後への動きもどんどんテンポを速めて、強さも増していく。直接的な気持ち良さも、彼女の勢いに合わせて揺れる双乳の淫靡さも、俺自身が感じる快感にも一気に繋がって、射精の予兆を腰回りに感じ取る。
「奥も、子宮もっ、ごりごりすると、きゅうって悦んでしまうのっ! 高村さまの先走りを吸い取って、私の子宮が高村さま専用に変わっていきますっ! ああ、このまま中に浴びたら、私はもう、絶対他の人なんて一生考えられなくなりますっ! それが分かるのに、止まらない、止まらないのっ!」
「明日香さんっ! そうだ、一生明日香さんは俺のものだ! 離してなんかやらないからな! ずっと傍にいるんだ! 明日香さんも美由紀も涼香も、全員俺の子供を産んで、皆で育てるからなっ!」
それは少し未来の話であっても、必ずそうすると決めた数年後の未来。俺に縛り付ける代わりに、何をしてでも守るべき人達。その一人に、彼女が加わる。
「はいっ! お約束しますっ! 貴方の子供を産むの、産みますっ! 貴方を支えて、子供を育てて、貴方が帰る場所を守るのぉ! そんな幸せを、私は、私はっ! あ、あぁぁ、飛びます、飛びますからぁ!」
「抱き締めているから、一緒に、一緒にイクんだっ。『明日香』っ、ずっと一緒だっ!」
「はいっ、離れません、離れないからぁ! あ、あぁぁ、イキます、イクぅぅううううううううう!!!」
彼女の動きが勢いあまって、決壊直前のペニスがズドンと奥を突き上げてしまったのを合図に、俺は最奥を染め上げろと精を叩きつけ、『明日香』は全身を硬直させて、俺に両腕と膣内で強く抱き着いたまま、二度目の絶頂を迎えた。
「あ、あぁぁ、これが、私がこれからぁ、ずぅっとお仕えする方の、力……分かる……私が全部、ぜぇんぶ、貴方さまの専用に調律されて、いく、の、ね……いい、きも、ち……」
ぎゅ、ぎゅぅ、っと明日香の膣壁が窄まり、俺の精液は尿道にも残らずに、彼女の中へ余すことなく注がれていった。
「はぁ、はぁ、あ、すか、大丈夫か」
それほど間を置かない絶頂だったのに、俺は相当の量を彼女へ吐き出したようだ。身体の倦怠感が一気に襲ってくる。抱き着いている彼女に、俺も逆に倒れ込むような格好で、何とか身体を支える始末だ。
「だい、じょうぶ、です。とっても、とっても、幸せで。満ち足りた気持ちなのです。変わった、というか、私は自分で覚悟を決めた気持ちを強く、太く……下支えしてもらったような、感じです」
「そう、か。じゃあ、それほど強い違和感は、無い?」
「ええ、自分自身で、高村さまのものになると決めましたから。ただ、それに疑問を抱いたり、迷うなど考えられなくなった。そんなところ、ですね」
俺の女であることに疑問を持たない思考になるのは、精を子宮で浴びたことによる心身変化だと思うが、明日香の顔は晴れやかで、後悔は無いという気持ちが伝わってくる。
「後は、身体もなんだか元気がどんどん湧いてくるみたいです。女の身体って相手の男性によって、こんなにも反応が変わるのですね。自分自身に驚いてしまいます」
「明日香、少し迷いも晴れそうかな」
「はいっ、もう迷いませんわ! ありがとうございますっ!」
喜びからか、自分からまた唇を重ねてくる明日香に、俺もすぐに応じる。だが、繋がったままへの意識が逸れていた俺達はそれぞれ、再び硬さと大きさを取り戻した男性器と、彼女の感情に連動した女性器の急な締め付けに、びくんと身体を震わせてしまい──。
「……いいかな」
「私も……きゅう、って、また一番奥が疼いてしまいましたわ」
お互いの意思を確認し、動き出そうとした途端、見計らったようにリビングのドアが勢い良く開き、美由紀の制止の声が飛び込んできた。
「京也さまっ、明日香さんっ、そこまでですっ! ずるいです!」
あー、起きた後、ドアの前でこれは待機していたんだろうな。ビックリしている明日香に大丈夫と頭を撫でてから、俺は美由紀へと声をかけるのだった。
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