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LGBT法連合会は9月24日、トランスジェンダーの人の戸籍上の性別変更について定めた「性同一性障害特例法」に関する札幌家裁(佐野義孝裁判長)の判断に対し、「制約の必要性を丁寧に検討し、合理的な結論を下したものと受け止める」と評価する声明を発表した。
札幌家裁は19日付で、性別変更をする際、性器の外観も変える必要があるとする「外観要件」を「違憲で無効」と判断した。外観要件を違憲とした司法判断が明らかになるのは初めて。
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読売新聞などによると、家裁は「性器が他者の目に触れる公衆浴場などでの混乱を避ける目的と解されるが、当事者があえて混乱を招くような行動に出ることは考えにくい」などと指摘。
その上で外観要件について、個人の尊厳などを保障する憲法13条の「身体の侵襲を受けない自由」の過剰な制約に当たるとし、違反だと結論づけた。
特例法をめぐっては、最高裁が2023年、生殖能力をなくす手術を受ける必要があるとする「生殖不能要件」は違憲で無効だと判断した。
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広島高裁は2024年、性器の外観を変える手術をしていないが、ホルモン療法を受けている申立人の性別変更の求めに対し、「手術なしでも外観要件は満たされる」との考えを示した。
法連合会は「立法府や行政は、2023年の最高裁判所の決定とともに、今回の決定およびその理由を重く受け止め、法改正その他必要な措置を早急に講じるべきである」と求めている。
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