東京都世田谷区で40代の韓国人女性が刃物で刺され死亡した事件で、警視庁は30代の韓国人男性・パク容疑者を殺人容疑で逮捕した。日本のメディアは容疑者の顔写真や実名、年齢、国籍などの身元情報をモザイクなしで報道し、韓国国内で議論が広がっている。
事件の経緯
事件は8月1日午後、世田谷区の住宅街付近で発生。被害女性は首を刺されて病院に搬送されたが、約1時間半後に死亡が確認された。パク容疑者は現場から逃走したが、同日夜に羽田空港で逮捕された。
警察によると、二人は日本語学習アプリで知り合い、2024年4月から交際していた。しかし、被害女性が事件の3日前に別れを切り出したことでトラブルとなり、8月29日には暴行被害を警察に通報していた。警察は保護施設への移送や接近禁止警告を発令したが、2日後に事件が発生したという。
日本と韓国で異なる報道姿勢
NHKをはじめとする日本メディアは、護送車に乗るパク容疑者の映像をモザイクなしで報道。これに対し韓国では、メディアが容疑者の顔にモザイク処理を施して報道している。
韓国ネットユーザーの間では、
「残忍な犯罪者なのだから顔を隠すべきではない」
「日本では公開されているのに、なぜ韓国は守るのか」
といった批判の声が上がっている。
韓国における身元情報公開の条件
韓国では「特定重大犯罪容疑者等身元情報公開法」により、
- 犯行が残忍で重大な被害をもたらした場合
- 十分な証拠がある場合
警察の審議を経て、容疑者の実名・顔写真を公開できると定められている。
一方で、韓国では事実摘示名誉毀損罪が適用される可能性があり、報道機関が独自に実名を公表した場合、刑事罰や損害賠償のリスクがある。このため、韓国メディアは匿名やモザイク報道を続ける傾向が強い。
ネット上の議論
今回の事件をめぐり、韓国国内では「犯罪者を過度に保護しているのではないか」という批判が高まっており、今後の身元公開基準や報道のあり方について再び議論が巻き起こる可能性がある。