ID-F86の襲来やワープ実験事故が新世界に与えた影響を考察する
『星のカービィ ディスカバリー』終盤の山場といえばやはり「ドキドキ発見ドリームツアー」であろう。
薄暗い研究施設とそれに見合わない明るい曲とアナウンスがミスマッチで却って恐怖を誘うシーン。
ツアー最後の目玉展示になっている辺り、ID-F86の襲来はもはやあの世界では誰もが知っている歴史的事象であったと考えられる。
それと同時にこんなセリフがある。
しかし、研究開発から30年…
あの歴史的な ワープ実験事故が発生します。
事故により 体内から分離した別個体は施設外へ脱走。
現在もまだ 見つかっておりません。
どのような事件があったのかは具体的には触れられていないが、「あの」と言われている辺りかつての新世界では相当有名な事故であったらしい。
つまりF86の襲来そのものと、その捕獲研究開始から30年後に起きた事故の2つ歴史的な事象が起きたと言っていいだろう。
まずワープ実験事故って?
これに関してはあまり作中に情報がないので、何が起きたかを推測することは難しい。
しかし、参考になる文章は作中にある。
かれの 侵略の野心の中に のこされた、 小さな
はく愛の心が ぶんりして エフィリンが生まれた。
その結果、 空間転移能力は 不安定となり、暴走した
ナゾのうずが 各地で発生した。
実際ラボ・ディスカバールのある「禁足の島」の環境は荒れ果てている。とくに環境が著しく変化したことが分かりやすいのが「命はじまる大荒野」と「アツアツの禁足地へ」だろう。
「命はじまる大荒野」ではサンゴや灯台、途中にある巨大な船やステージ最後のリゾートホテルなど、元は海であったことを思わせる物品が多くみられる。
「アツアツの禁足地へ」には高層ビルや高速道路がいくつも見られる。火山自体は元からあったと思われるが、少なくとも当時は共存して生活できるような範囲だったのだろう。
大量のナゾのうずが発生し、こういった自然環境を崩してしまうような何かが起き、禁足の島となったのかもしれない。
だが、今回ワープ実験事故そのものの内容はぶっちゃけあまり関係ない。今回考えるのはそれらが起こした社会的影響である。
スターリーワールドの内容も踏まえているのでネタバレ注意。
その1. そういう創作作品の自粛、注意メッセージが出る
これはまず間違いないだろう。宇宙から他の生命体が攻めてくる、『ディスカバリー』を含め創作作品では相当メジャーなテーマである。新世界でも元からそういう作品があったり、まさに公開予定だったりしても全くおかしくない。
特にID-F86の襲来時点で公開を予定されていたその類の作品はお蔵入りしてしまうだろう。
特に悲惨なのが長期シリーズのアニメなどでこういう回を予定していた場合である。それが物語の本筋に絡むなどあった場合、あらすじを根幹から組みなおさないといけない。
筆者はこの感じで中盤の重要展開を潰されてその後の展開にも大きく影響した作品を知っている。
少なくともID-F86の襲来から30年以上は新世界に人はいたはずなので、やがて当時の恐怖そのものは風化しただろうが、やはりそういうテーマの作品は「注意書き」を強いられたことだろう。
恐ろしい影響力であると言わざるを得ない。
ついでにいうと、仮に風化しても既に「起こった出来事」を描く作品になってしまうので、ハードルが高い。「F86の方が凄かった」と言われかねない。
その2. 陰謀論が蔓延る
流星は政府が呼び寄せたもの、F86を捕らえて功績とすることで、現在の政治状態の悪さを誤魔化した!という内容の陰謀論が確実に蔓延るだろう。
元から流星の伝説そのものは知られており、F86を機にマジっぽいとなったようなので、「政府は本当は流星の伝説を解読できていて、それを利用して流星を呼び寄せ自身の支持率をあげるのに利用した!!!」という主張が出てくることだろう。
どんな世界でも人間とは恐ろしいものである。
その3. いざ宇宙船を使う時の信頼が薄い
一番の問題。ワープ実験事故が起きたことがあるという事実がある以上、その技術を使った宇宙船に乗るのは怖いだろう。
ワンダリアやNEICHELの歌の利用というのはこういう面もあったのだろう。
特にワンダリア遊園地はターゲットとして子供を見据えてそうなので、子供時代から宇宙旅行への憧れを植え付けておくことができる、ということだったのだろう。
もちろん作中では実際にメフィリスが降ってきているので、結果的には宇宙に飛び立つという判断は侵略種から逃れる上で結果的に間違っていなかったのだろうが…
最後に
よく考えたらF86が来たことで流星伝説がマジっぽくなったのなら、結局それを捕獲・封印しているのは新世界人の地力なので、そこにF86によるブレイクスルーが起きたのなら銀河を超える宇宙船を作れたのも納得である。
エフィリンのセリフからして、スターリーの力で弱体化していた可能性はあるが。
余談
ことなる世界に うかぶ ハルカンドラ。
異空間は その世界との はざまの空間だ。
しかし ローパーたちは なぜ、スフィアを
求めるのか? 古代には 今とは ちがう姿で
空間をこえる力を 使いこなしていた というが…
これ結局何???
情報募集
コンプリートじゃない方の「星のカービィ ディスカバリー サウンドセレクション」をお持ちの方がいらっしゃいましたら、それに収録されている「ドキドキ発見ドリームツアー」にはアナウンスが入っているかどうか教えていただけると幸いです。



コメント
1サウンドセレクションもアナウンス入ってますね。CD両方持っているので聴き比べたのですが、自分の耳には両方同じ音源に聞こえます。