ツキプロことツキノ芸能プロダクションに所属する2次元のアイドルたちを、半歩3次元に近いところで魅せてくれる「2.5次元ダンスライブステージ」。今回は、そのなかでも2月に最新作の上演を控える2.5次元ダンスライブ「S.Q.S(スケアステージ)」、通称「スケステ」の魅力を解説したい。
なんとなく気になっているが手を出しそこねている、という読者もいるだろう。そこで、ここではいまから「スケステ」を堪能するための、楽しみ方の提案をしたいと思う。
「スケステ」って何? という場合は、ユニットのことや「スケステ」について解説しているこちらのコラムを参照してほしい。
予習はどこまですればいい? 原作のドラマCD&楽曲について
スケアシリーズはまずCDからスタートしている。ドラマパートメインのドラマCDもあれば、楽曲メインのなかにショートストーリーが入っている楽曲CDもある。
2020年2月時点で、シングル楽曲シリーズは「花鳥風月」「裏表」「RE:START」や、ユニットの垣根を超えてデュエットしている「X Lied」シリーズがリリースされている。これに加えアルバムシリーズもあるし、さらにドラマCDが9枚リリース済み。
時間が許す限り予習するのがベストではあるが、まったくの初心者が「スケステ」を観るための予習としてはかなりハードルが高くなってしまう。
まずは観に行くタイトルの公式サイト内「INTRODUCTION」をチェックするのがおすすめ。ここには一部、ダンスライブで使用する楽曲が事前に掲載されている。
事前に分かっている楽曲を抑えておくだけでも、全CDをチェックするのに比べたらかなりお手軽である。
2幕のダンスライブは平均して1時間弱。体感はたとえ3分程度だとしても、物理的には1時間近くあるので、意外と披露される楽曲は多い。
初めて観に行く際は、もしかしたら「ライブはおまけ的な感じなのかな……」という心持ちで客席に入ってしまうかもしれないが、ユニット曲やメドレーにMCタイムもあって、ボリューム満点だ。
「スケステ」以外にも「ツキステ。」や「イブステ」慣れしていると、つい忘れてしまいがちだが、シリーズ初心者を連れて行くことがあれば「ダンスライブはメインディッシュのひとつとしてボリュームがあること」を事前に教えておいてあげよう。
となると、事前に公開されていない楽曲はピンポイントで予習するのは難しい。そこは諦めて、先にメンバーカラーを覚えてしまうというのもひとつの手だ。
例え初めて聴く楽曲があっても、出てきたメンバーにあわせてさっとサインライトの色を変えれば、会場全体の一体感に置いていかれることがない。ダンスライブならではの盛り上がりと一体感を味わいながら、全身でSolidSとQUELLのパフォーマンスを楽しんでもらいたい。
観れば観るほど愛着がわく日替わりキャラクター
「スケステ」のお楽しみのひとつが日替わりネタだ。キャスト陣も稽古時から並々ならぬ熱量を注いで作っている、日替わりネタだけに登場するキャラクターたちが多数存在する。
日替わりネタといっても、ちょっとしたアドリブを入れる……というレベルではない。回替わりで、多様なキャラクターたちが登場。無茶振り的なネタからストーリー仕立てのもの、メタな要素を含んだものまで、バラエティに富んだ日替わりネタが用意されている。
しかも、事前にどの回でどのキャラクターやネタが登場するかは分からない。日替わりネタとの一期一会が待っているのだ。
「喫茶くべる」で巻き起こる来店客とスパイたちとの即興替え歌勝負や、女子高生2人組の柊美や星子、生脚が眩しいチアガール……。どの日替わりキャラクターに出会えるかは劇場での楽しみのひとつとなっている。
何回か観劇していくと、彼ら日替わりキャラクターにも愛着がわいてくるだろう。そうすると、不思議なことについついチケットを増やしたくなっているのだ。
また、最新作「篁志季消失事件」に向けて新キャラクターによるネタを鋭意考案中と、先日のインタビューで明かしてくれた。同作を観劇する予定があるファンは、どんな新ネタが飛び出すのかお楽しみに。
「S.Q.S(スケステ)TV」でより鮮やかに楽しめる「スケステ」
原作から飛び出してきたかのようなダンスライブパートを堪能して、芝居や日替わりネタも楽しめたなら、あとはキャスト陣の魅力に触れてみるのはどうだろうか。
日替わりネタはある意味、キャラクターを離れた“中の人”の持ち味が出ているシーンでもある。メタ的に投げ込まれるネタをとことん楽しむうえでも、実際にキャスト陣の素顔を知っておくのはプラスになるだろう。
そしてありがたいことに、キャストの素顔が楽しめるバラエティ番組「S.Q.S(スケステ)TV」というものがある。2018年にシーズン1が放送され、2020年4月からシーズン2が放送開始となる。
番組内では、キャスト陣がロケに出かけたり、なにかに挑戦したり、語り合ったり。舞台上で観るのとはまた違った姿を観ることができる。
彼らがキャラクターを愛していること、大事にしていること。上演中に肌で感じるその思いを、画面の隅々から感じることができる番組である。
もちろん舞台を観るうえで、役者を知っておくことは必須ではないし、知らなくたって存分に楽しめるだろう。ただ俳優たちのことを知っていくことで、彼らが表現したものの解像度をより上げることができるはずだ。
飛び込むのに“遅い”はない、「スケステ」を全身で浴びよう
長く続くシリーズになればなるほど、途中からその世界に入るのにハードルが高く感じてしまうことがある。「スケステ」も同じような理由から躊躇している人もいるのではないだろうか。
しかし、この煌めきを浴びないのはもったいない。一度飛び込んでしまえば、あとはもう身を任せて楽しむだけだ。
最新作「篁志季消失事件」は2020年2月20日(木)~3月1日(日)の日程で上演される。気になった人は、現在チケットは一般発売中なのでぜひ早めにゲットしておこう。
また本作へ向けておこなったインタビュー記事も掲載している。こちらをあわせて読むと、より本番が楽しみになるはずだ。