このサイトでお伝えしてきました「相続手続きの沼」
相続の大変さを経験された人たちから編集部に「これも取材してほしい」と寄せられたのが、「デジタル遺産」についてです。
いったいどんな大変さが?「相続の沼」を書いた山本恵子解説員と編集部とで話しました。
「教えて」「個人情報です」の平行線?
左上が山本恵子さんです
山本さん、相続の記事を書いていろいろな反響がある中で、今「デジタル遺産」に注目しているとか。
そう!「デジタル遺産が大変です」という声が多く寄せられているんです。
今は何でもスマートフォンで出来てしまう時代ですよね。
ネット銀行とかキャッシュレス決済、暗号資産とか。
家族が亡くなったあと、故人のスマホを解約したら全部自然に解約できると思っている人もいるかもしれないですが、中のアプリはすべて別に契約しているので、個々の対応が必要なんです。
ネット銀行とかキャッシュレス決済、暗号資産とか。
家族が亡くなったあと、故人のスマホを解約したら全部自然に解約できると思っている人もいるかもしれないですが、中のアプリはすべて別に契約しているので、個々の対応が必要なんです。
心配になってきました。
契約書が紙であるものばかりじゃないし…。
契約書が紙であるものばかりじゃないし…。
そもそも本人のスマホやパソコンが開かないと、何も分からない。見えない。
スマホの中を見ることができて、ようやくどんなサービスやアプリを使っているかが分かる。でもいざ解約しようと思っても、今度はIDやパスワードが分からない問題。それがない限りはずっと解約できない。
え、肉親でもパスワードは教えてもらえないんですか?
それぞれの規約にもよりますが「個人情報だから教えられません」と言われることもあって、訴訟に発展しているケースもあるようです。
私も父が、携帯を購入したときに「1か月無料」とか言われて使わないのにいろいろなアプリに入っていて。毎月の額は小さいけど長く使っていてすごい額になっていたんですよ!
肉親でも教えてくれないって驚きました。
本人が亡くなっていて、困っているのにだめっていうことですか?
本人が亡くなっていて、困っているのにだめっていうことですか?
死亡したときこそ教えてくれない。
“財産がいくら”とかって個人情報ですもんね。
“財産がいくら”とかって個人情報ですもんね。
「教えてください!」「いや、個人情報です!」の平行線になるのがデジタル遺産の怖さだと思います。
家族に言えない 秘密のサブスクある?
暗号資産とか、お金をデジタルで持っているっていうプラスの話と、サブスクをたくさん使っていて遺族にとってはマイナスの話と両方ありますよね。
うちは、家族の中でデジタル関係やサービスは全部自分が管理しているので、私が死んだらとんでもないサブスクが…。
うちは、家族の中でデジタル関係やサービスは全部自分が管理しているので、私が死んだらとんでもないサブスクが…。
でしょ!今、ここで自分たちが事故に遭って意識不明になってしまったときにどうするの?って気持ちでやっておかないと本当に怖いなと感じます。
サブスク、恐ろしいなと思いましたね。自分もたくさん入っていますし、夫も私の知らないサブスクにいっぱい入っていると思うので…。パートナーの趣味の世界のサブスクまでわからないのに、亡くなった後に何十万の請求ですと言われても…。
家族に言えないサブスクって結構ありそうですよね…。
いざ解約となったとき、日本法人すらない海外のサブスクなどのサービスだとより大変でしょうね。私も海外の通販とかやってますが。
電話対応がなくてすべてメールとかってところもありますからね。
デジタル遺産の管理について、前もってどんな準備ができるかということと、今まさに困っている人たちはどうしたらいいのかというのも気になります。
そもそも「デジタル遺産」の詳しい定義って…?
「この人が代理人だから、デジタル遺産も死んだあとは頼む!」っていうような印籠みたいなものはないんでしょうか?
全部、取材していきましょう!
編集部では「デジタル遺産」を巡る取材を進めていきます。
こんな大変な思いをした、こんな風に備えておいて助かった、など体験やご意見をぜひ下のご意見窓口からお寄せください。