私は知らなかった。入学前に、小学校の様子を在校生の保護者以外が見学できるなんて。

就学相談で、一歩前に進んだ気がしたものの、漠然とした不安が具体的な不安となって襲ってくる。

実際に通う学校はどんな雰囲気だろう?

自分の小学校の記憶はウン十年前だし。(…まったくあてにできない)

でも支援級や通級、普通級の雰囲気、指導方法は、やっぱり知っておきたい。

学校の先生にもお話を聞いてみて、自分の子どもが通うことを想定したうえで、希望を伝えたい。

なにか手はないものか。

入学前の見学は「できる」

     今住んでいる街は仕事の都合で引っ越してきた土地で、土地勘ゼロ。
     我が家は子どもは娘1人。上のきょうだいもいないので経験値ゼロ。
     保育園にママ友はいるのだが、学区が全然違う問題で、ママ友情報ゼロ。

いかん、今持ちうるすべてを足してもゼロの増し増しじゃないか。

思い立って一度、通学路の確認がてら学区の学校近くまで歩いてみた。

セキュリティーの問題で正門はしっかり閉ざされている(保護者としては安心である)。

うろちょろうろちょろ、完全に不審者である。

アポイントもなくインターフォーンを押すことはできないし、学校にいきなり「入学予定の保護者なんですが」と電話するのも、はばかられた。

ならばと勇気を振り絞り、教育委員会の就学相談の担当者に電話してみた。

筆者
「就学の希望を考えるためにも、授業の様子などを知りたいのですが、入学前に見学させていただくことは難しいでしょうか」
「あ、できますよ~」
担当者
(で、できるの!!!!!!?)
「学校公開日っていうのがそれぞれの学校ごとに決まっているので、その日に合わせてもらったら。できればですけど小学校に事前にお母さんから電話してもらえたらと思います~」

公立の小学校では、保護者に向けた授業参観などとは別に、地域に向けて学校の活動や取り組みを知ってもらうための「学校公開日」が設けられているとのこと。(学校公開日は自治体や学校のHPなどに掲載されています)

学校の雰囲気や様子を知ることができるチャーーンス!!

さっそく、うろちょろしてしまった普通級・通級を利用する場合に通う近所の小学校と、支援級の場合に通う少し離れた小学校(拠点校)に見学の申し入れの連絡を・・・。

こちらの意図が伝わった方がよいと思い、就学相談を受けている旨もお話したところ、なんと学校公開日とは別に、日程を組んでいただくことができました。

「普段の様子ということであれば、国語や算数の時間がいいかもしれないですね」
「クラスだけでなく全体の活動も見ていかれますか?」
「見ていただいたあとに質問等あれば面談もOKですよ」

と、どちらの学校の先生にもお忙しい中ものすごく丁寧に対応していただきました。

実際の学校見学では?

支援級では授業2コマ見学と、個別相談がありました。

・教室の雰囲気、規模感

・お子さんたちの取り組みの様子

・教科によっては学習の習熟度別などで人数を分けて授業

・視覚支援やパーテーション、姿勢保持のためのサポートの種類や個別対応など

・普通級との交流、行き来

・運動会などの全体行事の参加の仕方について

・卒業するまでに学ぶ学習内容や進捗
(普通級とは内容や進度が異なる)

・卒業後の進路

・保護者の登下校のサポートの有無
(付き添いは家庭による。自転車や車での送り迎えはNGで、もともとの学区ではなく自宅が遠い場合は公共交通機関を利用されているご家庭もあると判明)

・放課後デイの利用、送迎について
(重要。学校に直接、送迎車が来ているとのこと。)

などなど、事前に用意した質問や相談しながら気づいたポイントについて質問し、知りたかった情報を入手することができました。(よかった…)

また私の住む自治体では近年、支援級を希望するご家庭も非常に多く、受け入れ体制の問題もあり支援級を希望しても入れるとは限らないこともわかりました。(通級も同様の状況とのこと)

こうしたリアルタイムの情報を入手できるのも、学校見学ならではのよさかもしれません。

一方、普通級・通級利用の場合に通う近所の小学校での見学は1時間ほどで、普通級の雰囲気を感じ取るとともに、通級を利用する場合の頻度や通級で抜ける授業はどんな科目が多いか、抜けた分の授業のフォローはどうするか(→これ、各家庭でします…!!)といった具体的な質問をしました。

このほか授業を抜けて通級に行くときに、クラスメイトにはどう伝えるのか、通級の存在をほかの子どもたちがどう受け止めているかなど保護者としてはすごく気になるセンシティブな質問も思い切ってしてみました。

「クラスのみんなには担任から
『これから●●くん、●●ちゃんに合った方法で1時間違う教室にお勉強に行くんだよ』とか、
『パワーアップしに行くんだよ』ってお話しています。
『通級に行く子は“行ってきます・ただいま”、送り出す子は“行ってらっしゃい・おかえり”』と自然に声を掛け合っていますよ。安心してください」

小学校の廊下で、ちょっと泣きました。

悩む連続の就学問題、悩みが尽きることはないのですが、学校を知ることでより何に迷っているのか、大切なことの優先順位は何かなど、ひとつひとつ、クリアになってきた気がします。

学校公開や個別の見学については、自治体、学校によってルールが異なるので、まずは地元の教育委員会や小学校に電話してみてくださいね。

(就学相談を受けていたり、検討している場合はその旨もお伝えするといいかもしれません)

・・・次回、就学のための検査。我が子にあった環境って?・・・

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